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藤井 修治
 
Vol.17 「芸術と生活(その1)  
2000年10月24日

 芸術の秋もたけなわ、毎日のように内外の公演を見に行ったり展覧会を見たりしています。ところが疲れて帰れば裸になって、電子レンジで残り物を温めて食べたりして一息ついてあたりを見ると新聞やチラシやゴミが散らかったりしていて、お世辞にも美しいとはいえません。
 日頃、芸術に親しんでいても美しく生活するのは容易ではありません。容姿や才能は親のせいだとごまかせますが、美しく生活するには積極的努力が必要です。でもそれはそれなりに楽しいはずです。これは衣食住全般 にいえることなので、今回は衣について思いついたことをちょっと...。
 先日、飲み会に招かれました。若者が多いようなのでモスグリーンのカットソー、カーキのチノパンで出かけました。日頃はスーツのほうが多いので逆に緊張しましたが、最年長のボクと一番若い青年のシャツの色が全く同じだったので嬉しくなりました。いつも、服装は年齢とか地位 と関係なく、
着る人の気持ちの問題ですなどと力説しているもので、それを実践したつもりになったのです。
 いまや日本の若い女性のお洒落は世界のトップに行っています。街を歩いていても、色や形のバランスの見事さや組み合わせの妙に感心します。先年、早春のイタリアに行った時、日本の女子学生達が、プラダのバッグやフェラガモの靴などをどんどん買うのでびっくりしました。親のすねをかじって年齢不相応に高価なブランド品に群がるのには批判的にもなりますが、これも通 過儀礼かも知れません。高い授業料を払って自分の判断で服装を取捨選択できるようになるはずです。近頃の若い女性陣の服装に対する意欲的な姿勢、そして、個性の主張はすごいと思います。
 男性陣は多分におくれをとっていましたが、若い人たちは成長著しいものがあります。それに対し、男は服装などは気にしないものと教えられてきたオジさんたちはとかく引っ込み思案な人が多いようです。目立たないように仲間と同じようなものを着て守りの姿勢です。サラリーマンはリーマンらしく、年相応に高いものを地味にまとめます。カジュアルな場合もあまり変わりません。それに対しヤングはジーンズもリクルートスーツもそれなりにかっこいい。上から下までの取り合わせが上手にはなっているようです。いっぽうオジさんは総じて芸術に親しむ余裕はないし、まして芸術を生活にとり入れるエネルギーもありません。
 しかし、ことさらにファッション誌をめくって真似たりしなくても、日常に見たり聞いたりするものを栄養にすればいいと思います。いわゆる芸術からだけでなく、自然界の風物、道ばたの石ころにも美を見つけ、それを血や肉にすればいいのではないでしょうか?僕なんか、素材としてカッコいいとはいえないのですが、それだからこそ着るものにはそれなりに気を配ってかろうじてもちこたえているのです。いい年をしてなどといわないでくださいネ。
 40才過ぎたら自分の顔に責任をもてといいますが、年を取ってからの服装は、その人の人生観や美意識の正直な反映です。高価なブランド品でなくても自己表現は可能です。皆さんもいずれは年を取ります。楽しみながら頑張りましょう。
 そういえば近頃の現代バレエ、モダンダンス、コンテンポラリーダンスなどの衣装も見ものです。モノトーンで統一したり、鮮明な色彩 を強調したり、新しい素材で動きをひきたてたり等々。ダンスも人間の肉体の動きを中心に多様な要素をブレンドした総合芸術として21世紀にもまだまだ新しい局面 を見せてくれるはずです。




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