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うらわまこと
 
Vol.3 「障害者と舞踊、 
  社会全体で支援を」
2000年4月18日
 

 北九州&アジア全国洋舞コンクールというものがあります。わが国では舞踊に関するコンクールは毎年増え続け、隔年のものを含めますと現在15を超える数に達しています。黒田バレエスクール、黒田ダンスカンパニーの主宰者である黒田呆子さんが中心になって運営、開催しているこのコンクールでは、昨年の8月の第5回(隔年開催)からきわめてユニークな、そして重要な部門が加わりました。
それはバリアフリー部門です。バリアフリーとは身体障害者、知的障害者も健常者(このことばは好きではありませんが現在それに代わる言葉がないので)と同じように自由に生活できる状況(設備や制度など)を社会全体でつくりあげていこうとするものです。このコンクールにはいろいろなタイプの舞踊が参加できるヴァリアス部門があって、この前にそこに障害者の方が参加したのです。それが大きな反響をよび、ぜひこの部門を新設しようということになったのです。
さて、昨年はこの部門に5組、幼児から20歳台まで30人以上の知的な障害をもった方が参加しました。私も審査員をつとめたのですが、それぞれすばらしい演技で、それを指導する方々、支える方々のご努力を含めて大変な感動を呼びました。順位 はつけられないというのが一致した意見でしたが、そのなかでとくに厳しい困難を克服して神奈川県から遠路参加、しかもトウシュウズでしっかり踊った伊予田未亜さんにチャレンジャー賞をさしあげようというのも全員が賛同しました(ちなみに他の全員に準チャレンジャー賞)。
この未亜さんのお母さんは伊予田あさ子さん、横須賀でバレエ教室を主宰されています。この伊予田バレエスタジオが、未亜さんのバリアフリー・チャレンジャー賞の記念公演、「未来へ」を3月に行いました。このスタジオには、エンジェルクラスがあって、10人以上の知的な障害をもつ人(幼児から20歳台まで)がバレエを習っており、この公演は実はエンジェルクラスの主催ということで、この人たちも参加していました。
今、障害はハンディではない、個性だということがいわれます。たしかに未亜さんたちの演技を見ていますと、すばらしい個性をもっていることをつくづく感じます。ただ、率直にいって知的な障害をもった人たちを指導するのは、身体に障害をもつ人に対するのとはまた違った苦労があることも事実です。伊予田あさ子さんをはじめかかわる方々のご努力は本当に大変だと頭が下がります。
武蔵野市に本拠をもつ岡本るみ子バレエスタジオの主宰者、岡本るみ子さんも障害をもつお子さんをおもちで、障害者のための舞踊と音楽のチャリティコンサートを開き、障害者の方も出演しています。ここでは知的障害や車椅子などの身体障害だけでなく、視覚や聴覚に障害をもった方も楽しめるような(つまりバリアフリー)のコンサートにしようとしているのです。さらに、『アン・リミテッド』という知的障害者支援の会を作ろうとされています。
障害者へのチャリティ公演や招待などは増えており、セラピーやワークショップも行われています。これらはすべてとても大事なことで、一部の方々にまかせておくだけでなく、私たちみんなで、社会全体で支えていくべきで、このような活動の組織化が望まれます。



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