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うらわまこと
Vol.9

「日米身障者交流チャリティ公演を見て 

  ー社会全体でサポートをー」
2000年7月11日
 

横浜ラポールをご存じですか。正式には障害者スポーツ文化センター、横浜市リハビリテーション事業団が運営しています。名称の通 り、車いす使用、視聴覚障害、さらに発達に心配のある人々が、スポーツや文化を楽しみ、また情報を手に入れることが出来るような、さまざまな施設が整っています。場所は新横浜駅から徒歩10分、隣に労災病院、総合リハビリテーションセンター、総合保険医療センターがあり、環境にも恵まれています。ただ、その先にWカップサッカーの決勝戦が予定されている総合競技場があるのが少々気になります。決勝がどこになるか分かりませんが、サポーターの皆さん、フーリガンになってあばれることのないように、障害者の方に迷惑をかけないようにお願いします。
ラポールの紹介になってしまいましたが、これが目的ではありません。ここに劇場(ラポールシアター)があるのです。客席数300、もちろんバリアフリーで、車椅子でそのまま舞台に上がれるようになっています。
ここで、日米身障者交流チャリティ公演「Dreams Come True」が行われたのです。
これはアメリカの、自分も障害をもつジーナ・ペシューンが主宰する「ペシューン・シアターダンス」を招き、招聘者の浅井恵子が、企画・構成・制作した、身障者による身障者のためのチャリティ公演です。浅井恵子は劇団を主宰しながら障害者に対する活動を続けており、ジーナ・ペシューン達の舞台をアメリカで見て、大変に感動し、すぐに招聘を決意したとのことです。
「ペシューン・シアターダンス」は、ジーナ、車いすのリンゼイ・ヴァーコヴィッツ、両手につえのラッセル・バーテルの若い2人に、ブロードウエイやハリウッドなどでも経験のあるダンサー、キャンディ・オーソンとマーレイ・フィリップスがサポート役を兼ねて参加しています。
プログラムは、ペシューン・シアターダンスが数曲、女性グループによる手話ダンス、車いすの女性(木村みつ江)とスタンディングパートナーによるボールルームダンス、NHKで優勝した車いすの身障者による歌、車いす空手、障害者の詩の朗読、さらに太極扇、ダンスグループ「SEVEN」によるジャズダンスなどヴァラエティに富んでいました。
14歳の少年、ラッセル・バーテルは労災病院で手術をした直後だそうで、少しつらそうでしたが、ジーナに支えられながらつえを捨ててポーズするなど、しっかりと舞台をつとめていました。車いすのお嬢さん、リンゼイ・ヴァーコヴィッツは、車いす自分でまたダンサーたちに操ってもらいながら、楽しそうに踊りまくります。「SEVEN」との共演では、ウエスタン調のフォークダンスで客席を乗せて手拍子を引き出すなど、同じ車いすのイギリスの「カン・ドウ・コ」と比べるといかにもアメリカ的です。
最初のジーナの挨拶で、アメリカの大統領名が連発されるのがちょっと気になりましたが、考えてみると、日本のグループが外国で日本の首相の名前を出すかというと、?。やはりアメリカがこの面 では進んでいるのかもしれません。このような会の目的は、次の3つが主たる物と思います。まず障害者に勇気を与えること、健常者に障害者への意識をもってもらうこと、そしてチャリティ(私も小さな善意をさせてもらいました)でしょう。
この点からすると、客席の雰囲気からはやや発表会の感じがあって、もう少し開かれた物になるといいと思います。ただし、これがここに限らずわが国の現実で、それだけに主催者の苦労があります。私を含め、一般 の人々の意識がもう少し高まるといいのですが。




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