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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

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やっぱりパリが好き 11月

どんどん日が短くなって、日の出が8時、日の入りが5時半。朝起きて最初にするのが電気をつける事。それが当たり前になってしまった。でも、日が早く落ちる分、ノエルのイルミネーションがつくから、まあいいか。
景気が悪くなる一方なのに、来年1月から切手代金が上がるそうだ。日本のように年賀状の習慣はないし、手紙もメールですませてしまう事が多くなったから、荷物を送らなければ大した影響はないかな。
6月の総選挙で社会党のオランド氏が大統領になって、久々の社会党政権に浮き立ったのもつかの間、公約を破り消費税を値上げするとの発表に、オランド氏の支持率はがっくり下がった。期待が大きかっただけに、ギャップは大きい。元大統領のサルコジ氏は、2007年の大統領選挙時の裏金問題で、ボルドーの裁判所に出頭しているし、サルコジ氏のいた政党UMPは党首を選ぶのに内紛状態。わずかの差でジャン=フランソワ・コペ氏に破れた元首相フランソワ・フィヨン氏は、選挙のやり直しを求めて裁判所に訴えるとか、醜い争いが続いている。権力の魔力に取り付かれた人達。これじゃあどこかの国と同じではないか。
ノエルのイルミネーションも点灯して、浮き立ちたいところだけれど、プレゼント選びに頭を悩ませ、さらにその出費を考えると、思わずため息の出る11月。

バカンス・スコレール

両親共働きが当たり前のフランスでは、子供の休暇で頭を悩まします。子供を一人で家に置いておくわけにはいかないし、ベビーシッターを頼めば高くつくし。フランス人は学校休暇を中心に動いているような気がします。その学校休暇(バカンス・スコレール)とは・・・
今年は9月3日から新学期が始まり、10月27日まで勉強したあとはずらずらと休みが繋がります。万聖節休暇が10月28日から11月11日まで、クリスマス休暇が12月23日から1月6日まで。ここまではフランス全国一律です。このあとの冬休み(2月下旬か3月上旬)、春休み(4月下旬)はそれぞれ2週間ですが地域によって時期が異なるために、2地域のバカンスの最終日と初日が重なる日は道路は大渋滞。来年は3月3日がその日に当たります。地域別ですが、フランスをA・B・Cの3つのゾーンに分けているのですが、どういう基準で分けているのが私にはわかりません。寒い地方と暖かい地方というわけでもないようですが、Cゾーンは、ボルドーとパリ近郊になっています。そして、来年は7月7日から夏休み。こう見るとフランスの学校休暇は日本より日数が多いですね。ゆとり教育ですかね?
というわけで子供を持つ親はこの時期に合わせて有給休暇を取る事が多いので、職場でも熾烈な争いになる事があるようです。

まだ11月なのに寒いよ〜

11月1日の万聖節(TOUSSAINT)は日本でいうお盆です。学校も2週間の休暇に入るので、この時期にお墓参りをかねて田舎に行く人が多いです。私もツレの家族の田舎に来ました。
10月終わりの寒波が来て、それ以来ずっと寒いので、暖炉に薪をくべて部屋を暖めました。

なんか、こういうのってヨーロッパ的!ってここはヨーロッパなんですけど、日本で生まれ育った私には物珍しくて仕方がない!「暖炉に火を入れよう」という事になったら、できもしないのに薪をくべて、部屋中煙だらけになってひんしゅくを買う私・・・すんません。

これは近年流行の薪ストーブ。煙で部屋がもくもくしないというのが売り文句。暖炉の前に設置して、排気口を取り付けて出来上がり。でも、へたくそな私は、薪をくべる戸を開けたり閉めたりしているうちにやっぱり部屋がモクモクしてしまうんですよね。
「頭が痛い・・・」と言ったら「それは一酸化炭素中毒だよ」だって。思わず外に出て新鮮な空気を吸いました。

「お盆のお墓参り=菊の花」という構図はフランスも同じで

花屋の前では菊の鉢がた〜くさん。

そして、お墓に行きました。

どこのお墓もきれいに花が飾り付けられていました。朝から市場に行ったりあっちに行ったりしているうちにとっぷりと日が暮れてしまい、ちょっと不気味なお墓参りとなりました。写真に何か写っていないといいんですけど・・・

食欲の秋!恵みの秋にホクホク!

*くるみ拾い

田舎に来たら山の恵みをいただきに、恒例のくるみ拾いに出かけましたが、今年は実が落ちるのが早かったのか、私たちが来たのが遅かったのか、すでにクルミの実は落ちていて、しかも先週降り続いた雨のせいで腐り始めて、ご覧の通り真っ黒。

それにしても立派でしょ!

くるみ割り器では大きすぎて割れず、石でかち割りました。たくさん拾ったのに半分くらいは腐っていてダメ。それでも、皮を剥いて、干して、数日経てばこの中のいくつかは食べられるだろうなあ、と期待。都会ではくるみもキノコも買うものでしたが、山に来れば自分で拾いにいくもの。しかもタダ!タダほど怖いものはないとも言いますが、見つけさえすればタダで食せるというのに慣れてしまうと、買うのがあほらしくなります。買った方が手っ取り早いんですけどね・・・なにしろタダですから・・・タダ!


*茸も採れた!

このところの長雨のおかげで、茸が豊作で、これはセップ茸。

日本と同じキノコはあまりないようで、しいたけは「shiitake」と表示して売っています。アルファベットになるとなんかかわいい。キノコの事をフランス語では「シャンピニオン」と言いますが、「足にシャンピニオンができた」というと水虫の事になります。まあ、カビ、胞子で殖えるものですから、その点では同類ってことですかね。

笠の下を見て緑色だったら、古いキノコ。これは二つが白くて一つが薄緑なのでまだ若いキノコです。若い方がおいしいです。笠の後ろが真緑でも、その部分を取り除けば食べられます。いつだったか、この緑の部分も一緒に食べた人が食中毒になったというニュースが流れていたのを思い出しました。それから、きれいに見えても、虫が入っている事もあるので、いくつかに切って虫がいないかどうかを確かめてくださいね。 養殖でない場合は、キノコの笠の表の皮は剥いた方が良いようです。

いわゆるマッシュルームですが、野生なのでたくましい。フランスではマッシュルームの事を「シャンピニオン・ド・パリ」と言います。なんでパリなんでしょう?

これは、ムースロンというキノコ。
わたしにはさっぱりわからないので、キノコ狩りには参加しない事にしています。毒キノコかどうかを知るには薬局に行って聞くと良いという事ですが、近年薬剤師の資格を取る過程でのカリキュラムが変わったらしく、知らない人もいるらしいです。


*ヘーゼルナッツも取れるんだ!

近所のお宅にヘーゼルナッツ(ハシの実)を拾いに行きました。

フランス語ではノワゼット。ところが、敵もおいしいものを知っている。ほとんどが虫に食われているか、中身なし。

76個中当たりは5個。仕方がないので、お店で一袋2.5ユーロのを買いました。


*ザクロ

もらったザクロにはてんとう虫。体長4センチのでっぷり太ったスズメバチもいてギャー!競争率は高いです。


*今年の当たりは栗!

見てください、この大きさ!熟して実が割れているほど。イガイガは痛いので、足で皮を踏みつけるようにして実を取り出します。

通りがかりの田舎道で見つけたのですが、こんなに立派な栗の実を誰も拾わないというのが不思議。拾っちゃいけない場所だったのかしら?

切り目を入れて、穴を開けた特製フライパンに入れて暖炉で30分。おいしい焼きぐりの出来上がりぃ〜。


*バカでかカボチャ

こーんなに大きなカボチャをもらってどうすりゃ良いのだ?ハロウィンは終わっちゃったし・・・。こちらの大きくてオレンジ色のカボチャは「シトルイユ」と言いまして、水っぽくておいしくない。「ポティロン」というと日本のカボチャのような小振りのしっかりしたものですが、それでもやっぱり水っぽい。そこで最近は日本のホックリしたカボチャのような味の「ポティマロン」というのが流行っています。ポティロンとマロンの合成語で、栗のような甘みのあるカボチャです。でもやっぱり日本のカボチャが一番おいしい〜!


*山田マミの怪しい料理講座

大きくて見るからに水っぽいカボチャをもらったら、煮付けも天ぷらもあきらめて、スープにしましょう。皮を剥いて、種が貼り付いている綿の部分も取ってから小さく切って(小さい方が煮る時間が短くて済む)お水をほんの少し入れて弱火で煮ます。するとカボチャから水分がどんどん出てくるので、そのまま柔らかくなるまで煮て、あまりにも水分が多いようでしたら少し火を強めて水分を蒸発させてから火を止め、ミキサーで滑らかにして、クリーム、或は濃いめの牛乳を少しとバターを少量加えて塩こしょう。するとおいしいスープの出来上がり!パセリのみじん切りを加えたらなお良し!!作りすぎちゃったら冷凍庫で保存もできますよ。


田舎の市場に行くとこんなものまで売っています。これを買って食べるのかなあ・・・

ラグビー観戦

フランスではサッカーがダントツ人気だけれど、ラグビーも盛んです。お墓参りと同様、1年に1回のラグビー観戦だけれど、規則とかさっぱりわからないので、ぼーっと観戦する私。そういえば昔、日本はコテンパにやられていたなあ。こっちの選手一人を捕まえるのに日本人は3人がかりと誰かが言ってたなあ。食べる物と量が違うからなあ。クレルモン・フェランのチームが強いのは、土地の名物のチーズとサラミとジャガイモをがばがば食べて、ワインをごくごくやっているからかなあ。あ、ラグビーの選手って結構足短いじゃん。

ユニフォームのせいでそう見えるのか?いや、確かに短いと思う。これだけ激しくぶつかり合っていると足は成長しなくなるのかしら?首も見当たらないし・・・

休憩時間に出てきたラグビー学校の生徒達。わー女の子のチームもあるんだ。たくましい!可愛い顔してるんだけどねぇ。かわいい顔していても力は男勝りだったりするから、気をつけなくてはね。ナンパしたはいいけど・・・ボコボコボコ・・・と言う事にならない事を祈ります。

ボジョレーヌーヴォー解禁だぁ!!!

11月の第3木曜日はボジョレーヌーヴォーの解禁日。若いワインは好きではないのですが、これはお祭りなので街に繰り出してみました。

まず1軒目。グラスが3ユーロで、ボトルが17ユーロ。スーパーで買えば三分の一の値段で買えますが、今日はみんなでわいわいやるのが楽しい。

これは2軒目でのボジョレーヌーヴォー。大きなワイングラスに、この写真よりもう少し入って2.5ユーロ。先ほどのワインより、さらにフルーティーな味でした。
お店によって出すワインが違うから、あちこち行かなくてはならないのです、って、別に何軒も行かなくても良いんですけどね。飲み比べも楽しいじゃあないですか。

さて、3軒目。え?お宅はボジョレーヌーヴォー置いてないんですか?という訳で、3軒目はノルマンディーのビールでした。

イギリスに近いからでしょうかね、ギネスに近いビールでした。

今日の教訓
ボジョレーヌーヴォーを飲みたかったら、お店の入り口に「ボジョレーヌーヴォーありますよ」という表示があるかどうかを確認してから入ること。どのお店も置いているかと思ったら大間違い。

最後に入ったノルマンディーのビールを出す店に、「カンペール市警察から飲食店への通達状」というポスターを見つけました。1900年のお達しによると、教会の鐘が鳴ったあとはお酒を出してはいけないのだそうです。多分夜の11時とか12時の鐘だと思いますが、昔から深夜の飲酒は禁止されていたんですね。あら、今もそうなんですか?知人によると、夜中の12時だか1時過ぎにはバーを閉店しなくてはいけないという法律があるらしいです。だからか。。。確かにフランスでは深夜営業の飲み屋って見かけないですよね。夜中近くに映画や公演が終わってから一杯引っ掛けようと思ってカフェバーをのぞくと、たいてい断られますものね。フランス人は働きたくないから店を閉めるのかと思っていたら、そうではなくて法律で禁止されているからなんですね。へ〜知らなかった。
あ、それから飲酒運転は車だけでなく、自転車も罰金の対象(たしか90ユーロ)になるらしいですよ。酔っぱらってふらふら歩いてもいけないらしいです。日本のような酔っぱらいのおっさんを、見かけた事ないですね。路上での飲酒禁止という国や街もあるようですので、旅行の際は気をつけましょう。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
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