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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

今年の夏

暑かったり

暑い雲に覆われて寒かったり、寒暖の差が激しくて、バカンスには半袖から長袖ジャケットまで必要だった今年のバカンス。

朝9時少し前の気温が12度。これが8月中旬の気温?!参ったなあ
ここ数年、5月~6月が異常に暑くて、7月はまあまあ暑いけれど、8月は天候不順で、9月が寒いという感じ。

寒くても、バカンス!槍が飛んできても、バカンス!フランス人の有給休暇消化率は100%なのだから。

田舎に行ったらイベントに参加して、特産物をゲットしたい。

黒いダイヤとも呼ばれるトリュフ。丸ごとのを初めて見た。瓶詰めされた乾燥細切れトリュフしか見たことなかったから、興奮してしまった。夏味、秋味、冬味の3種類があって、冬味が一番濃厚なのに、一番安い。1個7ユーロくらいだって。ふ~む、高いのか安いのかさっぱりわからん。生のトリュフの保存期間は1週間だって。

あっという間に牡蠣を開く。さすがプロ。

牡蠣とワインを買って、ワイン樽の即席スタンドでアペリティフ。

その後は、道路にずらりと並べられたテーブルでの食事。ブラスバンドの演奏付き。お祭りというと必ず登場するブラスバンド。フランスでは根強い人気があるみたい。

食べてばかりいるのも良くないので、9キロの田舎道歩き大会に参加。

ここはフランス南西部、プルーンの産地。見事な実がたわわになっている。

のんびり歩いていたら、どどどっと音がして、羊の大群がこちらに向かってくる。ひえ~襲われるぅ!と焦ったら、この畑の羊で、落ちたプルーンの実へ一目散。こっちを食べ尽くしたら、隣の木へ。お掃除ご苦労様、お利口さんねと呟いたら、後ろで羊飼いのおじさんがちゃんと管理していた。プルーン味の羊も悪くないなと思っていたら、早速羊一頭の売買交渉を始めるツレとその父親。健康目的のウオーキングは、あっという間に食欲に変わる。でも、そんなものを買ってどうやって持って帰るのだろうかと心配していたら、曰く、本気で買うつもりはないけれど、こうして話をするのが楽しいのだと。

「これがとうもろこしの花。ヒュルッと長いけれど、ここにはたくさんの小さな花が付いている。とうもろこしにはヒゲがふさふさついているでしょ。ヒゲの一本一本が花とつながっていて、それが身を結んで黄色いつぶつぶのとうもろこしになるんだよ」と説明してくれた農家のおじさんを思い出した。

お城でのコンサート。ブルジョアの生活を覗き見したくて行ってみた。

お城の維持費は莫大だから、イベントを企画して収入を得ないと維持できないらしい。

夏の間に太陽を浴びておかないと、冬に風邪をひく。美顔美白などと綺麗事は言っていられない。南に行って、海に行って、体を焼く。もちろんUVカットのクリームをたっぷり塗って。天候不順だから、天気予報をこまめにチェックして、この日しかない!という日を選んで海へ。

皆考えることは同じで、人気スポットはどこもいっぱい。海は芋洗い状態だし、宿の前にはCOMPLET/満室の文字。不況の折、財布の紐が固いフランス人は、レベルを落としてキャンプ場に殺到。キャンプ場といえども夏は安ホテル並みの料金を取るところもある。完全に足元を見られているけれど、仕方がない。2時間に渡り、30キロ以上車で移動しながらキャンプ場を探すも、どこも満員御礼。写真の場所は駐車場ではなくて、キャンプ場。車に埋もれてテントなんか見えやしない。ぎゅうぎゅう詰めもいいところ。あ~、せっかく来たのに今夜は車中泊か、と暗くなる私をよそに、「太陽があるうちに海へ行こう。その前にまず食事!」

さすがポジティブなフランス人。美味しいものを食べて、海水浴を楽しんで、観光案内所が落ち着いた夕方に電話する。こうすると結構丁寧に教えてくれるのだ。

ブドウの実がだいぶ大きくなっている。今年は美味しいワインができるのかな?

新手の大道芸登場。信号待ちの車の前でパフォーマンスして、小銭をもらう手法。これは初めて見た。車にひかれないようにしてくださいね。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。