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カバーストーリー

ダンスの世界で活躍するアーティスト達のフォト&インタビュー「Garden」をお届けします。

HOMEカバーストーリー > カバーストーリー 小林照子 04
メーキャップアーティストみたいに巧くはなれなくても、私たちも練習すればできるようになるということですね。
小林「そうです、一般に日本人は器用だし色彩感覚も繊細だからそれを生かせればいい。今の若い人はメイクの本を読んでいろんな技を知っているからうまいですよ。そういう人がバレエをやっていればいいけど、ほとんど観客側。観客は顔の表情の一つ一つ、動きを見ているものなんです。それこそメイクでその表情ができるのに、ペタンとしたメイクで、踊りの技術を見せようとしているのが可哀想に思えます。」


時代によって一般のメイクの流行はあると思いますが、基本的に変わらないことは何ですか。
小林「やはり皮膚、表情筋、筋肉、動きでしょうか。ただ、私たちがメーキャップをしているとさらに身体の奥、心に入っていくんです。だからメーキャップの基本も進化して身体の内側に近づいている。たとえば表情筋は頭のほうにつながっていて、ひっぱっている腱、筋がある、もっといい表情をするには、側頭部の筋肉をひっぱればいいとか、若く見せるには筋肉を鍛えればいいとか。そういうふうに技術も考え方もどんどん進化している。美容は美容だけで存在するのではなく、医学や薬学、栄養学などと一緒になって進化できる。今、一般の化粧品はインターナショナルに進化しています。それを仕事やパーティ、スポーツなど生活のなかにうまく取り入れているのはOLの人たちですね。彼女たちはメイクが自信をもたらすこともよく知っているんです。」

 
まだ舞台の人たちはついていけてないんですね。ところで先生はお顔も手もどうしてそんなにお若くておきれいなんですか。
小林「進化している部分を見ているからじゃないですか(笑)。」

 
よく、舞台の人たちはメイクで肌が荒れるということを言っていますけど。
小林「それはね、進化している部分を知らないから。メイクはよくないからどんどん落とさなきゃとか顔に対する接し方に愛情がないからなんです。今は、化粧品やメイキャップのものは肌によくないといわれた時代とは違います。素顔でいるほうがよくない。落とし方も、昔はこすって平気だったけれども、こするのはいけないということがわかってきた。紫外線浴びるの平気だったけど、その害がわかってきた。私たちはわかってきたことを普及させています。
 
あれだけ美容の本が一杯出ているのは、みんなが興味あるからなんですね。舞台の人たちはそこまでの情報も時間もないまま、一生懸命自分の技を磨いているように見えます。」


情報を得るためには、メーキャップアーティストとの交流が必要ですね。
小林「そうですね。プロは自分のことではなくて、メイクを一生懸命学ぶ人がもっとよくなるように考えている。プロの情報を自分たちも取り入れてみようと考えてくれるといいですね。私のやっていることは、自己演出をするにはどうするか、自分をどう生かすかということ。そのためにこういう道を選んできたんだと思っています。」

 

小林さんの思い出の品


 
最後に小林さんの夢についてお聞かせください

Q,
あなたが子供の頃に思い描いていた「夢」はなんでしたか?
『手に職(技術)を持ちたい!』『日本一(ニッポンイチ)になりたい!』と思っていました。(10才~15才位)
☆手に職は養父の教え《本をもつコジキはいるが、働く者にコジキはいない』という言葉がすりこまれた事と、時代の影響です。
☆母方の祖父が『日本一の畳職人だ!』と自己評価をしていたその手さばきの美しさに見とれた思い出があります。

Q,
あなたのこれからの「夢」は何ですか?
《ひとの健康と美》《ひとの環境と美》を表現と教育を通じてもっと社会にアピールすること!です。
歌舞伎が好きだった母は、着物を着こなすものすごくおしゃれな人。季節に合わせた着物の着方を私に教えようとしました。今になるともっと教わっておけば良かったと思います。母が亡くなった時、着物をもらっても自分では着る機会がないから、何かほしいものあるかと兄嫁に聞かれた時、母の帯留めを3つか4つもらえばいいわ、と。母は帯留めにすごく凝っていたので、そのなかから翡翠、アイボリー、鉄の獅子みたいなど5,6粒をもらいました。私の手がけっこう大きいから、指輪にしようと思ったんです。それをニューヨーク在住の和田たかしというデザイナーにニューヨークに持ち帰ってもらいました。彼はオリジナルを作るのが専門だから、その帯留めを包み込むようなデザインにしてくれたり、加工賃が高いので1年に1点ずつ、全部で3個作ってもらいました。何十年も前の私がまだコーセーの時代のことです。
 なぜそうしたかというと、たとえば先祖のものを自分が身につけているとその思いが伝わるような気がしますし、優れたアーティスト、天才的なアーティストの手に触れたものを身につけると天才が移りそうな気がするんです。それは大きなモニュメントをつくるような彫刻家が、手休めにちょこっと作ったようなブローチだったり。だから私はダイヤモンドって持っていない、ティファニーで何々を買ったということもない。私にとってはアーティストの思い、先祖の思いっていうのが大切なんです。