News & Column
ニュース & コラム
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
2023年11月
やっぱりボジョレーヌーボー~
コクがなくて美味しくはないと思いつつも、今年も買ったボジョレーヌーボー
結構美味しかった
11月は冬のバカンス気分の始まり~
11月は、1日と11日が祝日!
1日は諸聖人の日Toussaintで、11日は1918年の休戦記念日。学校休暇が10月中旬頃から11月初めで、学校休暇が終わったらすぐに11日の祝日だから、9月に新学期が始まったのに既にバカンス気分。子供を持つ家庭では、この間に有給休暇を取ることが多い。
有給休暇、企業に勤めるフランス人はほぼ全員100%で消化しています(農家はほとんど無理)。年に30日、つまり週末を含めると5週間の有給休暇を取れる。なんで?って、法律で決まっているから。
昔は働き詰めだったけれど、疲れが溜まったら効率が悪くなるから、リフレッシュして生産性を高めよう!という政府の指導のもとに有給休暇が定着。5週間まとめてとることはできないとか、企業や職種によっては休暇をとる時期が決められていたりするけれど、とにかく5週間。ただし、これはフルタイムで働く人で、そうでない人は労働時間数に応じた日数になる。
法律で決まっているから、休暇から戻ってきたら自分の机がないなんてことは、ない。
ないと言えば、産休も同じ。これも法律で決まっていて、産休後は同じ職場の同じ部署に戻ることが規定されているから、安心して子供を産んで育てることができるのだ。
そのほかにも、企業で3年間働けば6~11ヶ月の無給休暇を取れるコンジェ・サバティックCongé sabbatiqueというのもあって、オペラ座バレエ団のダンサーはこれを取って他のバレエ団で経験を積む人もいる。もちろん復帰後は、元の役職に戻れるから安心。
この点で、フランスの企業で働くメリットは大きいけれど、農家はそんなことはできないし、天候とか家畜や野菜の病気で収入が激減することもあって、すごく大変らしい。この不均衡を是正するデモは結構頻繁にあって、家畜の糞尿を省庁の建物にどっさり積み上げたり、果物や牛乳を道路にばら撒いたりと、かなり過激。泣き寝入りはしない、とにかく意思表示のフランス人なのだ。
とまあ、11月のバカンス気分が落ち着く頃、クリスマスの準備が始まる。
次の休暇が見えてくれば、それまで頑張ろう!という気持ちにもなる。
フランス人は働かないと言われているけれど、生産性は高い方でOECD加盟国の中では上位に食い込んでいる。一方日本は、1990年までは19位だったのが、2023年には29位と後退。ちょいとやばいんじゃあないかい?
フランス人は結婚しないって言われるけど…
結婚しないんじゃなくて、結婚という形にこだわらないのだ。
結婚は、契約。だから破棄するにはそれなりの手続きが必要という考え方。
結婚するには市役所や区役所に届出を出して、1ヶ月間掲示板に結婚する人の名前が張り出される。これは二重結婚を防ぐため。誰かが異議を申し立てれば、調査が入る。
結婚の日は届出を出した役所で市長や区長自らが立ち会って、立会人の下、署名して結婚成立となる。
市長の仕事の都合で土曜日となることがほとんど。だから土曜日に市や区役所に行くと新婚カップルが見られますよ。
でも、人生いろいろ~♪だから離婚することになれば、弁護士を雇っての手続きになる。今はだいぶ簡略化されて、協議離婚なら1~3ヶ月だそうだけれど、共同財産や子供がいれば、裁判所に出向かなくてはならない上に時間がかかる。
昔は協議離婚でも最短9ヶ月。でも、ほとんどの場合9ヶ月で終わることはなく、1年半が普通と言われていた。その間に2度裁判所に行って、離婚の意思の確認をしなくてはならなかった。中には15年争っていてまだ未解決という人がいて、気が遠くなる。弁護士代も馬鹿にならないと思うけれど、それぞれに引けない思いがあったのだと思う。日本式の「ハンコ一つで」というわけにはいかないのだ。
離婚は金も時間もかかって面倒、というわけで結婚しないで家庭を作る事実婚の人が多かったし、パートナーシップ制度のPACSができてからは、これを利用する人が増えた。税務上は結婚しているカップルと同等の税制優遇が受けられるし、別れたければ即刻別れられるし。でも、このところ私の周りでPACSから結婚に移行する人がちらほら。結婚の方が有利なこともあるらしい。また、60歳を過ぎてからの熟年結婚も多い。この歳ならもう別れることはないだろう、ということで。
今年になって出産率は下がったけれど、産めや増やせやのフランス。税金は高いけれど、社会保障や産休制度が安定しているし、結婚という形にとらわれないで家族を作ることが当たり前なのがいい。とはいえ、離婚・別居も当たり前だから、家族構成はややこしい。
母親が2回離婚しているから腹違いのきょうだいがいる上に、再婚相手に連れ子がいるから大家族で、、、まあ、みんな仲良くやってくださいということです。
ちょっとパリ~
バスティーユからオペラ座までぶらっと歩いて、最後はシャトレのレトロなフレンチで友人と会食。
装飾が素敵で、お食事も良し!
トリップ、洋風モツ煮込み鍋
いっただきま~す
