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山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2020年6月

6月2日にようやく100km超の移動が可能になった。「別荘に行かない?」知人の甘い言葉に乗せられて行ったら、実はお掃除要員なのだった。

背の高さにまで生えた雑草に覆われた家。まるで廃屋。空き巣に入られなかっただけマシだという。そんな中で見つけた枇杷の木。大好きな琵琶の実がタワワになっている!

掃除そっちのけで収穫。

皆に見せたが誰も見向きもしない。フランス人は枇杷を食べない。食べないと言うか、知らない人が多いように思う。アンズ(アプリコット)は店でよく見かける人気商品だけれど、枇杷は滅多に見かけない。「ネッフル(フランス語でビワのこと)だよ」と言ったら、「これはネッフルではない!」と言い張り、小さくて硬い実を指してこれがネッフルだと言う。
「まずい」と言う人の前で食べたら、「ああ、皮をむいて食べるのね」
皮は食べられません。皮ごと食べるからまずいのだ。

枇杷食べ放題と喜んで毎日食べていたら…下痢をした。私の人生の中でワースト3に入るほどのひどいヤツで、トイレから出られない。吐き気も伴い、丸二日ぐったり。症状が治った後もビワを食べると条件反射的にお腹が痛くなる。どうやらビワ拒否体質になってしまったようだ。好きなものが食べられないというのは悲しい。
教訓:前月に続き、ここでもほどほどが肝心なのだ

一気に開放感の音楽祭

夏至は音楽祭。国民の不満を察したのか、音楽祭の開催が許可された。「ソシアルディスタンスを守って」という条件だったけれど、

この状態…これまでの規制はなんだったのだろうか…
音楽を聴くというより、久々の飲み会を楽しむという感じ。マスクをつけているのは年配者だけだった。

ようやくパリ!

パリは感染危険地域だったので、6月22日から規制が緩和。久々にパリに行くぞ~!!!
ウキウキと駅に向かい、マスクをつけて乗車。座席は2席に一人の楽ちんな旅かと思ったら、満席。隣にでかい奴が来たので圧迫感がある。フランスの2等車は結構キチキチに作られているのだ。しかも途中からエアコン壊れて暑い車内。この状態でのマスク着用は厳しい。3時間半のぐったり旅であった。

パリではパン屋に10メートルの列ができ、

マルシェではビニールを張ってコロナ対策。のんびりした地方都市とは大違いだ。

2ヶ月の規制で公害が減ったからか、オペラ座バスティーユの外壁に植えられた植木はスクスクと伸びていた。がんばれ~

バスティーユ広場は大改装中で、憩いの広場ができていた。完成はもう少し先らしい。

バスティーユからシャトレに向かうリヴォリ通りも様変わり。道路中央の駐車帯を挟んで、手前が自転車レーン、その向こうが車専用。つまり車は1車線だけになってしまったのだ。

しかも、そこを騎馬警官が優雅に歩いているものだから、その後ろで車がどん詰まり。相手が相手だけに文句は言えない。自動車排除を目指すパリ市長の思惑は着実に進み、自転車天国のパリになる日は近いかも。
コロナの影響もあって、自転車がよく売れているそうだ。自転車修理は50ユーロまで保証してくれる。

しかし、盗難も相変わらずで、目立つところに駐輪しても盗まれる。
サドルも車輪も盗まれた悲惨な自転車。新品高級自転車は買わない方が良いかもです。

恒例の夏のソルドはまだ始まらないのに、プロモーションと称して半額の広告を出している店があちこちに。規制で受けた被害を少しでも取り戻したいのだろうなあ。それにしても、多くの店が閉店しているのには驚いた。コロナの影響は想像以上だった。

バレエ用品の老舗で、靴でも有名なレペットは、ガラガラ。じっくり時間をかけてショッピングするには良い環境かも。

マスク着用のカフェのギャルソン。一日中マスクつけて仕事するのは大変だろうなあ。
そうそう、ウエイターのことをギャルソンというけれど、実際に「ギャルソン!」と言ってはいけません。昔はOKでも今はNG。「ムッシュ」と言わないと注文取りに来てくれません。

人気のこだわりラーメンは、さすが、行列ができている。

ここも長い列ができているけれど、実は店内が超狭い。
とはいえパリのラーメン人気は高まる一方。

パリではようやくレストランの営業が許可された。3密を防ぐため、屋外飲食が奨励されて、駐車スペースを生かしたり、歩道にテーブルを出したり、

道路封鎖をしてテーブルを出しているところもあった。これは期間限定措置なので、この夏だけの特権。

でも、この狭い歩道で、排気ガスを吸い込みながら、目の前を人が通りゆく環境で食べる気にはならないけど…

バス停には消毒用ジェルが設置されていた
ある街ではバスの運転手がマスクをつけないで乗車してきた人を注意したところ、殴られて死亡したという事件があって、コロナを軽視する若者には腹が立つ。

メトロのホームのベンチ、シールが貼られている席には座ってはいけません。ソシアルディスタンス。

車内にもシールがペタペタ貼られていて、立ち位置まで指示されている。ホームにも1m間隔でシールが。
乗車したのが、平日の午後1時過ぎということもあって、メトロはガラガラだったけれど、通勤時間にはソシアルディスタンスなど守れないのだろうなあ。

国鉄駅のホームも、1m間隔、進行方向まで指示してあるけれど、誰も守ってない感じ。

今月の1枚

新聞販売所に貼ってあった広告。TEMPURAという日本専門の雑誌。私の知らない日本が見れそうで面白そう。実物を手にしたかったのだけれど、残念ながら置いてなかった。ネットで少しだけみられます。
https://www.tempuramag.com

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
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