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山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2020年4月

今月もコロナ

スーパーに入るのが厳しくなった。カートは一人につき一個、つまり家族での入場ができなくなったのだ。そして人数制限があるから、1m以上の間隔を取った長~い列ができている。監視をしているのは消防隊員で、なぜかいつも私だけ注意される。
入場は1家族一人とは知らなかったから、ツレと行って私は止められ、建物の中に入ることも許されない。薄着で行ったから、寒風の外で30分待ち、風邪をひきました。コロナではなく、風邪。
野菜は私、果物は相方とそれぞれの担当があるから、一人でちゃんと買えるかな~と心配なのでガラス越しに見ていたら、ツレが何度か走る姿が。不安。やっと出てきたツレの荷物を見て唖然。お買い物カート、スカスカじゃん!
この状況下、外出は控えたいから一度の買い物で1週間分を買い込みたいのに、いつも通りの3日分しか買ってない。
「何を買ったら良いのか分からなくて…」
「携帯で指示したでしょ。お買い物リストの紙を見なかったの?」
「そんなのない」
「入り口で渡したでしょ!」
「もらってない」
「ちゃんと渡したわよ!」
「記憶にない」
「・・・」
野菜の名前を間違えて計量したからやり直しに走り、割り引き特典をもらうために受付に戻ったとか、ぐったり疲れた様子がかわいそうで、それ以上は怒れなかった。

私の入場を阻止した消防隊員、次に行った時は見当たらなかったので気を緩めていたら、どこからともなく現れて、「レジを通るのは一人だけ!」とまた怒られた。どこで監視しているのだろう。ツレは商品を袋に入れるのが下手だから、私が手伝わないと濡れたものと乾き物を一緒に袋に入れてしまうので、ぐちゃぐちゃになるのよね。あ~コロナのせいでややこしい!

外出禁止令解除というけれど

4月末に首相が5月11日からの外出禁止令解除の詳細を発表。これで自由に外に出られると浮き立つ人々を「感染第2波がきたら、外出禁止令が再発令されます」と釘を打って。そして「ウイルスとともに生きるのだ」とも。

最優先は学校の授業開始。学年別、感染地域の低い場所から順次にと。1クラス15人までとか、食堂をどうするかとか、スクールバスはどうするのかとか、問題は山積み。

これ以上の経済破綻は許されないという理由から、全ての商店の営業再開、でも、レストランやカフェ、バーは6月2日以降の再開を目指す。目指すけれど、決定ではないという事だ。
そして肝心の劇場は?劇場、映画館、大型美術館は引き続き閉鎖で、今のところ再開の目処なし。スポーツイベントやフェスティバルは8月末まで禁止なので、劇場公演は9月の来シーズンから再開してもらいたいのだけれど、コメントなし…。

不特定多数の人が絶え間なく出入りする小中規模のデパートやショッピングセンター、美術館が営業できるのに、定員があって観劇中は移動がない劇場がなぜ再開できないのか。舞台芸術は2週間前に営業許可が出たって、スタジオや舞台でのリハーサルなしでは上演できない。
「経済破綻を防ぐために商店は営業できるのに、劇場が扉を開けられないのは経済効果が薄いという事なのか。劇場ではカフェもレストランもあるし、ショップもある!!!」とラジオで劇場主が怒りをぶつけていた。

確かにそうだと思う。商店のように店を開けてお客さんどうぞっていうわけにはいかないでしょ、舞台作品って。今はスタジオでのリハーサルもできない状態で、2ヶ月舞台に立ててないというのは厳しい。スポーツ選手もそうだし、演奏家も同じ。いくら自宅で練習したからと言って、いきなり本番を迎えるわけにはいかない。気力を失わずに、どこまで頑張れるだろうか。。。

多くの劇場はすでに今シーズンの上演を諦めて、9月からの新シーズンに期待していたのに、この演説で先が見えなくなってしまったという。モンペリエダンスは、6月開催のフェスティバルを9月に延期すると頑張っているし、リヨンのダンスビエンナーレは、4~5千人が踊りながら町を練り歩く恒例のデフィレを来年に延期した以外は、予定通りの日程で開催予定だけれど(追記;5月に来年春への延期を発表)、国外から参加のカンパニーは、その国の事情や出入国の問題があるので、日程や演目が変更になる可能性があると言っている。しかし、これもどうなることやら。

どの劇場もシーズン開幕の演目に目玉作品を持ってきたいのに、開場の予定すら立てられない現状では「どうしたら良いのかさっぱりわからない」とこれまた劇場主のコメント。

劇場のプログラムは2年前、あるいはそれ以上前からカンパニーと交渉して契約を交わしている。コロナだからといって契約が破棄できるとは限らないこともあるので、予算やその後の調整で頭が痛い。
パリ・オペラ座に至っては、年金改革のストで30億円の損失を出し、やっと再演したかと思ったら、コロナの波に飲まれた。東京公演が最後の舞台になったダンサーもいる。すでに来シーズンの演目を公表しているけれど、9月21日から始まるダンス演目の上演は可能なのかどうか、心配。

そして、エトワール、エレオノーラ・アバニャートはつくづく運が悪い。昨年12月のアデュー公演はストで中止になったので、5月に延期されるも、今度はコロナで中止。

遠くへ旅行に出るのはダメらしい。100キロ以内で県をまたがなければ良いらしい。つまり、私の場合、パリには行けないのだ。まあ、感染者が多いパリより地方の方が安全なのだろうけれど、寂しすぎる。短期出張中に外出禁止令になった人は、家族のもとにも帰れないそうで、さみし~!

とりあえず、5月11日から外出許可証なしで外に出られることを幸せだと思うしかない。

4月の苦笑い

コロナは思いもよらない事態を発生させる。

やっと予防マスクは効果があると政府が言い始めた。でもマスクは一般には手に入らないから、おうちで布マスクを作りましょうと。そして、60度以上のお湯で30分以上煮沸するようにと。
誰がフランス人がマスクを常用すると想像しただろうか。挨拶は日本式に相手に触れず、距離を置いて。マスクも日本式に予防と菌をばら撒かないため。

3月末までの検問数580万回。違反件数35万9千件。これを違反が少ないとみるかどうか、うむ、悩むなあ。
3月までの統計では、空き巣、強盗、スリが減った一方で、家庭内暴力が増加したと。
「せっかく一緒にいるのなら、楽しくなければ意味がない」というのがツレのモットー。イライラピリピリしていた私の目からウロコが落ちた。そうだ、その通り!もちろん口喧嘩をすることもあるけれど、話題を変えたり、一人になる時間を作って気分転換するようにしている。
そんな折に4月1日を迎えた。

恒例の4月1日の騙し合い。フランスでは悪いジョークを飛ばすのではなく、そっと背中に魚の絵を貼って笑い者にするのが習慣だ。これまで2年間、騙され続けてきた。一度は背中に魚の絵を貼ったまま、電車に乗り込み、車内爆笑となった苦い記憶がある。今年は騙されないぞ!
今朝も妙に馴れ馴れしく背中に手を回したツレ。ここは騙されたふりをしてやり過ごし、その後、それをそっとツレの背中に貼り付け返した。そうとは知らずに数時間のテレワーク。結局気がついて目を三角にして向かってきたから、大口開けて笑ってやった。今年はやり返して大満足!!あ~楽し

それにしても、毎年素敵な魚を作ってくれる。このセンスの良さを別の方面でも生かしてくれるとありがたいんだけどなあ。

安倍首相が「非常事態宣言」を出した翌日の4月8日から、パリでは10時から7時までの間、ジョギングなどのスポーツが禁止となった。日中にジョギングをする人が多いので、パリ市長がこれは危険だ!と言ったのだ。ところが、勤務の後、陽が暮れる前、夕食前と3条件が揃うのが7時なので、みんなが一斉に7時からジョギングを始めたものだから、歩道は渋滞。
「かえって危険じゃないか!」
ということになり、一日中禁止になりそうだったけれど、「間隔を取るように」とのことで、7時になるとワサワサ人が走っているらしい。「らしい」というのは、パリの情報はニュースで流れてくるだけで実際に見ていないから。地方都市でも、スポーツとしての自転車は禁止だとか、いや、1キロ以内なら大丈夫だとか、情報が混乱しているので、裏道小道を通って検問に合わないようにしている人が多いように思う。

●フランス国立管弦楽団がラヴェルのボレロを演奏。
 https://www.youtube.com/watch?time_continue=244&v=Sj4pE_bgRQI&feature=emb_logo

ロングランしていた「怪傑ゾロ」が終わってしまった

かなり昔から気になっていたテレビ番組「怪傑ゾロ」。土曜(確か)夜8時のゴールデンタイムに放送されていて、リメイク版かと思ったら、アニメでもなく、なんと昔のまんま流れてた。日本で子供の頃に見た記憶があって、チャンバラもどきに棒を振り回していた男の子がいた記憶がある。初放映は1957年だそうで、その当時のものかどうか知りませんが、とにかく、このフランスでは人気番組だったのだ。ちゃんと見たことはないけれど、夜7時半から3チャンネルのニュースを見て、そのままにしておくと「♪ゾ~ロ~ォ~ォ~ォ~ォ~ォ~♪」となってしまうので、おお8時かとばかりに慌ててチャンネルを変えていた。
それが、今月に入ってなくなってしまったのだ!別に見たいわけではないけれど、ず~~~~っと続いていたものがなくなるというのは妙に寂しい。

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
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