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山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2020年7月

カラカラ天気で洗濯物があっという間に乾くのはありがたいけれど、北側の庭面日陰で39度、南のアスファルトの照り返しで42度は勘弁してほしい。気力が沸かない。すると夕立がやってきて、もわ〜。これって、日本の夏と同じだよね。
救いは夜に気温が下がること。熱帯夜ではないから、どうにか寝られる。
朝は窓全開で涼しい空気を部屋に入れて、日差しが強くなる頃に雨戸を閉めて、熱気が入らないようにするのがフランス式。昼間から電気をつけるのは気に入らないけれど、エアコンはまだまだ普及していないから、自衛するしかないのだ。

火を吹くエッフェル塔

7月14日は建国記念日。なぜか日本では「パリ祭」と言われているけれど、パリだけではなくフランス全土お祭りです。しかし、コロナ禍で多くのイベントが中止になっている。それでもテレビ局フランス2はがんばりました。観客なしのイベント実況中継!

エッフェル塔をバックにしたステージで、歌あり踊りあり。ダンスはアンジュラン・プレルジョカージュ振付の「ル・パルク」からキスしながらグルグル回る有名なデュエットをカンパニーメンバーが踊りました。
そして最後はエッフェル塔から花火の打ち上げ。

「たま〜屋」などとのんびりした花火ではありません。これでもか、これでもかとの連発で、エッフェル塔が燃えてしまうのではないかと心配したほどです。

これなんか、怪獣映画を連想してしまいました。

あまりにも凄いので、実はCGだったんじゃないかと疑いましたが、「自宅からは出ず、テレビで鑑賞して下さい」の注意事項にもかかわらず、かなりの人出があったというから、本当にこのように花火が上がったのだと思います。

さすがフランス、芸術的な花火だと思いましたが、外に出られないお祭りって、なんか寂しいなあ。

GO TO バカンス!

フランス人に「GO TOトラベル」なんていう必要はないです。言わなくてもさっさと出かけるから。コロナ規制が解除されて、学校の夏休みに入った途端、いや、夏休み前でも授業無視して出かけてしまう家族がいますけど。。。それまでの鬱憤を晴らすかのようにバカンス移動が始まって、週末の高速道路は超渋滞。バカンスに出なければ、人生終わったようなものだと言わんばかり、フランス人の有給休暇消化率は100%!
この状況下で外国へ行くのはややこしいので、国内小旅行をする人が多く、地方の観光都市は例年の2倍の人出だそう。ディスカバーフランス!

スキー場に行ったら駐車場が満車。なんで夏なのに?
山は涼しいし、湖で泳ぐことも、ハイキングもできる人気のバカンススポットなのでした。多くの人はリフトで山の中腹まで行って、そこからハイキングやアトラクションを楽しむということらしい。冬だけ営業とのんびり構えている時代ではないのだ。

老化防止とコロナに打ち勝つ体力増強が目的のシビアなハイキングを目指す私たちは、リフトには乗らない。しかし…急斜面のをよっこらよっこら登る頭上からケラケラと笑い声が聞こえ、見上げれば涼しい顔の観光客がゴンドラに乗って通り過ぎていく。むか〜。挫けそうになったけれど、そこは我慢、アジア人の底力を見せてやれ!と意気込むも、チョットダメかも。。。

思ったより登山客は少ないなあと思ったら、リフト到着地点から混み出した。中腹までリフトで上るのが普通らしい。さらに登ると別のリフトからの人とも合流して、人のお尻を見ながら登ることになり、頂上の展望台は360度の景観を見る人でごった返していた。
スキー場では、夏用リュージュ、特にティロリエンヌ(日本語ではなんというのかな?)は超人気で、恐怖とスピード感を味わる叫び声が山に響いていた。

https://www.sancy.com/destination/ete/sports-nature/voler-dessus-volcans/

腹這い状態で1600mのところから麓の湖に向かって100キロのスピードで降下する。これはかなりスリリング。
その他、ターザン如くロープで谷を渡り、そこから10メートル下に降下するクイックジャンプもある。
どちらが良いかな。鳥人になったつもりで腹這い100キロ降下の方が面白そう。バンジージャンプとはまた違ったスリルが味わえるかも。
https://www.france-montagnes.com/webzine/activites/5-tyroliennes-geantes-en-montagne
この大型アトラクションは、フランスの山に5箇所あるので、興味のある方は是非。

国外に出るのはややこしいので、大西洋側のバスク地方、スペインとの故郷まで数キロのオンダイ(日本語表記ではアンダイエ/Hendaye)へ行ってきた。

やっぱり夏は海に限る。皮膚癌も白内障もお構いなく、日焼け止めクリーム塗って寝そべるのだ。ここはビーチが広いからソシアルディスタンスを守れるのがいい。

せっかくだからスペインに行こうということになった。国境での検問もなく、すんなり入れてちょっと拍子抜け。屋外でのマスク着用義務があるのか、みんな当たり前のようにマスクをつけて歩いていて、子供はマスクをしてサッカー遊びを楽しんでいる。めちゃ暑いのに、蒸れないのかなあとじろじろと見てしまった。ビーチではさすがにはずしていたけれど、道路に出れば即マスク。みんな真面目なのだ。
そして、フランス側に戻れば、マスクをつけているのはスペイン人、無防備はフランス人なのだった。
マスク着用の習慣がないフランス人、能天気なのか自分は感染しないと思っている人が多いからか、規制が解除された途端にマスクをはずし、店ではマスクが売れ残り、生産を停止する企業が続出。喉元過ぎればってやつですけれど、このままだと第2波がくるのでは、と思っていたら、このバカンスの後、1日1000人超えの感染者が出て、密室空間でのマスク着用義務となった。

暑さ除けに帽子を被り、紫外線防止でサングラス、コロナ予防でマスクをつけたら、ただの怪しい人。テロリストに間違えられないことを祈る。

どこもかしこも、床には1mのソシアルディスタンスマーク。見慣れればただの模様になってしまって、誰も守ってない気がする。

今月の1枚

こっちの魚屋は見応えがある

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
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