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山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2020年9月

暑い~寒い~暑い~寒い~
9月初めに山には雪が降りって冬に近づくのかと思ったら、異例の残暑。寒がりには助かる~と思っていたら、月末に再び寒波。1ヶ月でこれだけ気温差があるのは迷惑!と怒っても、異常気象は人類のせいでもあるのだ(涙)

人生を楽しまなくては!まだまだバカンスは続く

定年退職したら好きなことをしよう!というのは間違いだと思う。やりたいと思っても、体がついていかないことが多いからね。何をするにも身体が資本。家庭菜園も、旅行も。腰が、目が…ということもある。今から目標を定めて、準備を始めるのもいい。今のうちにコツを掴んでおけばあとが楽だ。思い立ったが吉日、時間は自分で作るものだし、フランス式に楽しみは後回しにしない。そして体力維持は日頃から鍛えておかないと、後になって「こんなはずじゃあ・・・ということになる。

健康を保つには、スポーツが一番というのがツレの考え。う~む、確かに。
手っ取り早いのがウオーキングだから、外出禁止令中は許可された家の周り1キロをぐるぐる回っていたけれど、さすがに飽きる。
自然に触れたい!
県外超えての外出許可が出たので、ピレネー山脈にあるカニグー山に登ろうということになった。
標高2785m。
目標ができると頑張れる。数ヶ月前からツレの指導で山や坂を登って体力づくりに励んできた。
富士山より低いから、まあどうにかなるだろう。
しかし、これは甘かった。。。

カタロニア人にとっては聖なる山だ。
地図上では簡単に登れそうに見えるけれど、実際はとんでもなくきつかった。出発地点から山小屋までの標高差は1300m 。運良く宿の主人のアドバイスで予定を変更。最も楽な行程を選んだけれど、それでも13キロを5時間半かけて休み休みの登山だった。途中の標識に目的地まで1時間半と書いてあったが、
嘘つけ~だったのだ。
急勾配、崖っぷちをスタスタと歩けるわけがないじゃないか!初心者には希望が見えない行程だった。へたりこむ私を必死で励ますツレのおかげで、頂上手前の山小屋(2150m)に到着した時にはボロボロ。はるか上にそびえる頂上を見上げて
無~理~
天候が怪しくなったし下山も考えなくてはならないので、ここで昼食を取って折り返した。下山は3時間半。あっという間だったけれど、朝7時に出発して、登山口に戻ったのが4時少し前。だいぶ薄暗くなっていた。それなのに、これから一人で登ろうとするマスクをした70歳くらいのおじさんに出会って驚いた。どう考えても山小屋到着は夜10時過ぎになるだろう。暗くなればヤバい動物も出てくる。

山を侮ってはいけない。山の天気は変わりやすいし、空気も薄い。地図に見るのと実際の行程はかなり違うことも頭に入れて、計画を立てなくてはいけない。ネットでは3時間半~4時間の行程と書いてあるけれど、それは体力のある若者対象で、山に不慣れなおばさんには無理なのだ。

その2日後、頂上は雪に覆われ、さらに数日後、スキーができるほどのドカ雪が降った。
もう冬かと思ったら記録的な残暑が始まって、短パンで走り回っていたら、下旬にいきなり雪。「温暖」という言葉はないのか!と天気に怒っても仕方がないのだけれど、恐ろし異常気象。

美味しいワインを見つけよう!

旅行の楽しみの一つが、そこでしか買えない食材を見つけること。
今回は、バニュルス/Banyulsというの甘みの強いワインが有名な、スペイン国境手前の地中海沿岸の街に行ってきた。この辺りは海と山が楽しめる人気のリゾート地。海沿いのハイキングコースは、絶景+断崖絶壁のスリリングが味わえる。

小高い山に登って見下ろせばブドウの段々畑。ここから美味しいワインができるのだ。
この辺りは太陽サンサンだから、スペインのワインみたいな甘みが強くてどっしりしたワインが多い。

沿岸のほとんどの集落には小さな漁港があって、そこで漁師直売の新鮮な魚が買えるので、是非とも調理可能な宿泊施設に泊まることをお勧め。
お土産は、コリウールのアンチョビ。

ツールドフランスが始まった

フランスでは自転車競技が盛んで、ツール・ド・フランスは世界的なイベント。コロナ禍で7月開催が延期されて9月になった。

室内の競輪と違って、ご覧の通りの密状態で一般道を走る。これ、結構危険。一人がこければドミノ倒し。しかも時速60キロは軽く出ているので怪我人続出。ママチャリ感覚ではないのだ。
途中休息日があるものの、21日間毎日200キロ近くを走る過酷な競技。

怪我などで棄権したら、「さようなら、また来年」ということになる。正しく走っていたのに、他人のせいで倒れて怪我をして棄権した選手はさぞかし悔しいだろうなあ。
私は自転車競技には全く関心がないけれど、旅行番組として見ている。これはディスカバーフランスなのだ。

選手を映す合間に、その地方の見どころなどを歴史を含めて紹介してくれるのがいい。

山の上に聳え立つシャトー、
湖の脇のシャトーの美しいこと!

ベルギーの国王はいくつかのシャトーの持ち主だということも知った。やはり一般人とは桁が違う。

眼下を見下ろすマリア像。まあ、日本の観音様みたいなものですね。

これを見て旅行先を決める人も多いと聞いた。日本の駅伝テレビ中継も、近隣の観光スポットを紹介してくれるともっと面白くなるのになあと思う。

観光の宣伝にもなるから、アピール合戦にも力が入る。
人文字を作ったり、

グライダーが伴走する事も

おお?!画面右上に数分おきに現れるNTTの文字とロゴ。なんで?
今年からNTTが仲間入りしたのだ。日本がんばれ~!!

NTTのゴグル選手が第二グループになり、その後トップに踊り出した!
以前に荒城選手が最終日のシャンゼリゼでトップに踊り出して以来の日本だ。残念ながら日本人選手の参加はないけれど、日本企業がんばれ!なのだ。
あいにくこの後力尽きてしまったけれど、日本のNTTも頑張っているのだということは十分にアピールできたと思う。来年はぜひ、日本人選手に参加してもらいたい。

これは火山博物館。私が住む地方にあるけれど、行ったことがない。だって、ここで地震体験ができると言われても、すでに嫌と言うほど実体験してるもん。

おらが街にツールドフランスがやってきた!

ツールドフランスは、いかに過酷な道のりを走り切るかが課題で、1日に4000mの高低差を走るとか、2000m級の山の頂上がゴールだったりと、山間地方は必ず行程に入る。私が住む地方にも来るけれど、街の中心地が出発点となることは滅多にないから、コロナは怖いが見に行こうということになった。
これが我が街クレルモン=フェランの観光名所のカテドラル。黒い教会は珍しい。

カテドラルの中

街はお祭り騒ぎで、スタート地点の広場は人で溢れていた。

スタート2時間くらい前に行けばTシャツなどをゲットできたのだけれど、この暑さと人混みに混じる元気はおばさんにはない。広場に向かう途中で、Tシャツをゲットしてすぐに自宅に戻るセコイおじさんとすれ違った。

出発前の選手紹介セレモニー。でも、マスクをつけているから選手の顔がよく見えないなあ。

いよいよスタート

選手に続くNTTチームのバス。がんばれ~
ロードレースは個人競技ではなくて、グループ競技だったのだ。行程と他のチームを分析して勝負に出る。チームで固まって走ってスピードをコントロールすることで体力維持、そしてラストスパートで追い抜くのだ。
また、見ての通り一般道を走るので、見物人との事故も多い。

選手と一緒に走ったり、選手の肩を叩いたりすることは禁止されているけれど、興奮したらなんでもありなのだ。仮装している人もいて、他人事で見る分にはガハハと笑える。

でも、選手にしてみたら人が飛び出て前が見えないし、

ちょっと触れただけで転倒することもあるし、子犬が興奮して飛び出して大事故になった映像にはたまげた。自転車といえど時速80キロを出すこともあるから、危険なレースなのだ。
と、家でのんびり観戦でした。来年はどこを走るのかな。

劇場で野菜が買える!

このコロナ禍の中、新しい劇場がオープンした。場所はクレルモン・フェラン市のコメディ劇場。2月にオープンするはずが、外出禁止令のため延期になって、ようやく9月に。そして最初に足を踏み入れたのは、なんと劇場で開催された市場。劇場で生産者直売の食材が買える!

この日のレストランのディナーには有機栽培の食材を使った特別料理が用意されている。劇場は公演を見るだけの場所ではないのだ。

通常のメニューも日替わりで季節ごとに変わる。地方色豊かなメニューに生唾ごっくん。あ、鳩の丸焼き25ユーロ!。今度行ってみようっと。

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
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