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山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2021年2月

コロナ禍、日本とフランス、なんでこんなに違う?

のどかだ~
梅の花にほっこりする。日本は平和だなあ。そりゃそうだ、帰国後14日間の自宅待機だったから世間を知らない。一人で勝手に平和です。

ところが自粛解禁後に外に出て驚いた。ほとんどの店は開いているし、スーパーはごった返していてソーシャルディスタンスを保つことは不可能だし、電車も普通に混んでいる。フランスの閑散とした街を見慣れた目には驚きの連続。これが緊急事態宣言下の日本?
緊張感が全く感じられない。罰金や刑罰があるかないかの違いだろうか。

日本ではコロナの新規感染者が約千人。対するフランス3万人。この差は何?
フランスの人口は日本の約半分で、国土は日本の倍近くあるから人口密度は日本に比べてゆるゆるのはず。ワクチン接種が始まったと言っても、まだ医療関係者だけで高齢者まで行き渡ってない。夜6時から朝6時まで外出禁止だし、生活必需品を売る店以外は営業禁止で、飲食店はテイクアウトしか許されていないし、映画館も劇場も、美術館も開いていないのに、なんでこんなに感染者が多いのかしら?パン屋とか薬局などの小規模店舗では人数制限があって、2~3人しか入れないから寒風の中、屋外でじっと待つのが当たり前。コロナより風邪を引く確率の方が高いんじゃないかと思う。

それとも意識の問題かなあ
アルコール消毒をすれば手を洗わなくても大丈夫とか、エアゾルなんてあり得ないという人もいるし、黙食なんてとんでもない。口から生まれたようなフランス人に、喋るなという方が間違っている。三人寄れば文殊の知恵じゃなくてただの世間話に花が咲く。頭と口が直結して、頭に浮かんだことが瞬間的に口から出ている人をよく見かけるし、空気は読まずに喋り続ける人もいる。黙食したらストレスでぶっちぎれるのではないかと思う。
うがいをする習慣はなくて、私がしていると「こいつアホか?」「うがい?オエ~ッ」と言われるのがオチだ。
「トイレでは使用後に水を流すときは便器の蓋を閉めてください」という注意書きを日本で見たけれど、そんな事を考える人は一人もいないと思う。だいたい公衆便所には蓋どころか便座もない…

そうこうしているうちに、フランスは国境を閉鎖してしまった。え~~~~!私、帰れるんかいな?
大丈夫、国境閉鎖前に出国しているから問題ないと。ほっ
でも感染したら飛行機にも乗れないから、結局どこにも出かけず、友達にも会わず、レストランにも行かず、近所で買い物をするだけの日本滞在となってしまった。

盛り上がりにかける滞在だったけれど、スーパーで生きた白魚が売られているのに驚き、気配りのおかげでなんでも手軽に手に入る日本はやっぱりすごいなあと感動すら覚えたのでした。

コロナ検査料、なんでこんなに高い?
飛行機に乗るために必要なPCR検査。陰性証明書英語版を発行してくれる医療機関は多くないし、しかも病気じゃないから正規の値段で4万円弱かかりますって。フランスなら理由はなんであれ、フランス健康保険に加入していれば無料なのになあ。実費を払ったとしてもワクチン代と人件費で7000円くらいなのに、なんで日本では4万円するのだろう? フランスの税金の高さにはむかつくけれど、それなりの恩恵はあるという事なのかな。

空港はもちろん閑散としていて、

荷物の入れ替えは、場所を選ばずにどこでもできる。

航空便はほとんど欠航

ウイ・アー・トーキョーの顔ハメボードも虚しく、

店が閉まっているから客がいない、あ、違うか、客がいないから店が閉まっているのだ。

免税店で冷やかしに香水でもつけようかと思ったら、

触っちゃダメ!
な~んにもできないじゃん。

ここで再び思う日本人と外国人の違い。
客がいなければ店員どうしてぺちゃくちゃおしゃべりするのが外国人、黙々と商品を整理整頓するのが日本人。

パリの空港もガラガラで、職員同士で話に花が咲いている。

パリ到着後は陰性証明書を見せただけで検査もなく、あっという間に入国。驚いたことに日本到着時と同様、スーツケースが係員によってちゃんと保管されていたこと。ベルトコンベアーの上をぐるぐる回っているうちに盗まれるのではないかと心配していたのだけれど、手書きの手紙も付いていた。日本の航空会社だからなのかなぁ。予想外のサービスにほっこり。

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
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