News & Column
ニュース & コラム
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
2021年6月
今のところまだコロナ規制はない!ホッ
6月9日から飲食店の店内での飲食ができるようになって、あちこちでワイワイガヤガヤが始まった。もちろんマスクなし。
道路脇の駐車場をつぶしたテラスで盛り上がるのはいいけれど、すぐ横を人は通るし、車は通るし。排気ガスや埃を吸いながらの食事。それでも、家に閉じこもっているよりはマシ!
リヨンのダンスビエンナーレが始まった~!
昨年秋に行われるはずだったリヨンダンスビエンナーレは、延期されて5月26日から無事に行われている。そこで行くことにしたのだけれど、会場によってはワクチン2度接種してから14日経過しているか、72時間以内の陰性証明書がないと入場できないことに気がついて、慌てて薬局に予約を入れた。
陰性証明書を持って行ったのが古代劇場で、入り口で厳重にチェックしてから入場。
これから見るのはジョセフ・ナジの新作「OMMA」
アフリカ大陸6カ国のダンサー8人が、歌って踊ってそれぞれのお国柄を見せてくれる。ヒップホップ、アフリカンにコンテンポラリーダンス。アフリカと一言で言っても国によって文化が違うのだなあと実感。盛り上がりのカーテンコールです。
女性4人が歌って踊る「ミュイット・メーカー」
振り付けはカンパニー・PLIのフローラ・デトラ
歌手と3人のダンサーによる歌と演技。声の百変化に聞き惚れるやら驚くやら。前評判も高く、今年の話題作と評判上々
https://www.youtube.com/watch?v=7pgdYlKVgNg
(追記;2021年11月に行こなわれた振付コンクール・ポディウムで、グループ部門の審査員賞受賞!)
注目の新鋭振付家マレーネ・モンテイロ・フレイタスの「Mal-Embriaguez Divina」
社会に蔓延する「悪」、暴力とか悪事とか、不正などを人形ぶりやジェスチャーを交えて痛烈に描いている。ここまでやるかの辛辣な社会風刺や、わ~こんな人いるいるの人間観察力の鋭さには恐れ入った。笑えるけれど笑えない事実がそこにある。
リヨンのビエンナーレは現代アートとダンスが隔年で行われている。
今回初めて現代アートが展示される巨大なビエンナーレの本拠地ユージーン・ファゴールでも公演があった。エクスペリエンス・ファゴールというタイトルのもと、若い世代による新たな流れを体験するのがテーマ。入場無料で展示を含む11の作品が見られる。太っ腹のビエンナーレに感謝!気軽にダンス、だからダンスが身近にある
中に入って最初に目にしたのが、この巨大なオブジェの「マミ・ワタ」。日本人の名前みたいだけれど、アフリカでは強い女性の象徴だそうで、それは母であり、海でもあると。
昔は工場だっただけあって、とにかく広い、でかい。想像はしていたけれど、実際に見てその大きさに圧倒された。
入ってすぐのホールには、パフォーマンス会場の他に2つのブースでビデオ作品の上映と、驚きの3Dダンス
こりゃ驚いた、ダンスもここまできたか!
このブースに入って自分の体の3Dを取って、しばらくしたら、わ~、自分のアバターが踊ってる!
基本的にネット配信で、パスワードでアクセス。人に見られたくなければ密かにネットで見て、盛り上がりたければネット配信もできる。何人もの有名振付家に依頼した動きを入力してあるので、自分で振り付けを選んで、あらまあ、到底できないアクロバットをサクッとする自分の姿にびっくり。ピエール・ジネの「I-ダンス」
I-ダンスのスクリーン手前の二つの部屋の中では、高校生や若者たちが今思っていることを自撮りで語るビデオ作品が興味深かった。ふ~ん、そんなことを考えているのねって。そしてその夢を持ち続けてね!
次のホールに入ると、
巨大なビニールテントの下には何台ものスクリーンが若者たちの姿を映し出し
それをバックにリヨンの高校生たちのパフォーマンスが始まった。
クリストフ・アレブの「ENTROPIC NOW」
床には素敵な写真がたくさん並べてあった。「ENTROPIC NOW」写真版
その隣のホールはパフォーマンス専門の場所
強烈だったのが、エジプトのカイロのダンサーのエネルギー。ただ暴れてめちゃくちゃに見えるけれど、実は綿密に計算されていて、どんどん引き込まれていった。
カイロに惚れ込んだオリヴィエ・デュボアの力作「ITMAHRAG」
アンジェの国立コンテンポラリーダンスセンターを仕切るノエ・スーリエは、アンジェとリヨンの国立コンセルバトワールの生徒による「リムービング・リセット」。これからフランスのコンテンポラリーダンスはこの方向性で流れていくのかな、と予感させた。
フォーサイスのクリエーションで出会った二人のダンサー、ブリゲル・ジョカとラフ・ヤシットの
「Neighbours (part1)」。コンテンポラリーとヒップホップの掛け合いが面白い。特にジョカの羽毛が舞うごとく、するするふわふわと音もなく踊る姿に目が釘付け。
このホールの出口が建物の入り口ホールにつながる構造
前回のビエンナーレで行われた、ダンスがITによってどこまで拡大されるかがテーマのコンクール第1回「ダンサトン」。優勝したエリック・ミン・クォン・カスタンとスタジオ・オーブが企画した「Vibes」がついに実現!
これは、携帯電話とイヤホンをつけて、聞こえてくる指示に従って動くというもの。この日指示を出したのがクランプダンスのナッシュ。
ダンスは誰もが気軽に楽しめるものなのだ。みな自由で個性があって面白い
お散歩 リヨンの街編
リヨン市内には2つの川が流れている。ローヌ川とソーヌ川。
遠くからノートルダム大聖堂を拝む。上まで登るの大変なので、遠くから拝む。
あ~リヨンに来た~と感じる瞬間
エコロな街を目指すリヨン市内は、自転車レーンが充実している
川沿いの遊歩道はリヨン市民の憩いのスポット
5月なのに暑い!TNP劇場前の広場のミストで暑さをぶっ飛ばせ~
駅に設置されたアマゾンロッカー。そうよね、コロナでネット販売激増したから
猫カフェもあるよ~
今回泊まったホテル、ママ・シェルターが気に入った。流行りのモダンですっきりデザインで、部屋が広い!シャワーだけれどボディクリーム付き。フランスの3つ星以下のホテルでは、石鹸とタオルがついているだけのところがほとんど。4つ星となるとボディローションやスリッパがついてきて、5つ星以上は…知らん。泊まったことがないから…。歯ブラシセットは見たことがないなあ。日本のアニメティを期待してはいけないのです。しかもレンジとミニ冷蔵庫付き。これで2つ星!まあ、お値段ちょっと高めですけど
朝食のバイキングは充実。公演のハシゴで夕食を逃し、空腹で目が覚めた身にはありがたい。ここでバッチリ栄養補給
セクシーな絵柄のオリーブオイル「ヴァージン・ママ」。裏を返せば
!!!
夜はレストランバーとして人気のスポット。週末はホテル主催のパーティもあるみたい。チェーンホテルなので別の都市のもチェックしてみよう
パリ・オペラ座~
バスティーユのオペラ座で「ロミオとジュリエット」
セウン・パクさんがエトワールに任命されて最初の舞台!初々しいのなんのって、素敵でした。
藤井美穂さんは乳母役で、新たな域に挑戦
コロナ禍で売店閉鎖、人数制限で客入りも少なく、いつになく閑散とした寂しい休憩時間
オペラ座から見たバスティーユ広場。昔とずいぶん変わったなあ
外に出れば、レストランは客で埋まってる。少しずつ日常を取り戻している
オペラ座ガルニエ宮では「ローラン・プティへのオマージュ」ローラン・プティの3作品が上演された
「ランデヴー」
青年マチュー・ガニオ、世界一の美女にアリス・ルナヴァン、こぶがある男にユーゴ・ヴィリオッティ
ノスタルジー感たっぷりのパリの町での殺人事件
マチュー・ガニオのナイーブさと対照的なアリス・ルナヴァンの強さ、そしてユーゴ・ヴィリオッティの小気味良い踊りが印象的
「若者と死」
ユーゴ・マルシャンもよかったけれど、ローラ・エケが素晴らしかった
「カルメン」のアマンディーヌ・アルビッソンとステファン・ビュリヨンが素敵
ローラン・プティって天才!
休憩中は館内お散歩
何回来ても感動する美しさ
石川勇太さん~
シンディ・ヴァン・アッカー振り付けの「ウイズアウト・レファランス」に出演していた石川勇太さん(ランコントル・コレグラフィック、ボビニー93劇場にて)
今はスイスで活躍中
お散歩 パリ編
道ゆく人が必ずと言っても良いほど足を止めるバー。歌舞伎町一番街、マジか?
「ムジ」として人気の無印良品。お世話になってます。
食品は日本からの輸入ではなくてメイドイン欧州。レトルトカレーはイギリス製だった。日本ではOKでも、フランスでは禁止の食品添加物があるからね。
バスティーユ駅の地下鉄を出ると、目にするのがカフェでくつろぐ人たちの姿というのが定番だけど、塔の方も見てみよう
バスティーユ広場は大改装されて、憩いの広場に変わりつつある。まだ工事完了していないみたい
シンボルタワーの下の広場にはベンチがあるし、その横ではスケボーをしている人も。
その奥、運河に続く小道の横には歴史紹介コーナーなどを展示して、飲食だけではない街をアピール
運河沿いの遊歩道はおすすめです
♪6月21日は音楽祭♫
音楽祭は禁止と言っていたのに、前日になって条件付きで解禁になった。前日に言われてもなあ。しかも、レストランなどでのミニコンサートはダメとなれば、アマチュアバンドが演奏できる場所はなく、バスティーユ界隈はいつもと変わらずごちゃごちゃ、ワイワイ
ラップ通りは相変わらず歩くのも困難な状況で、いくつかの店が音楽をガンガンにかけていただけだった。
マクロン大統領は大統領官の庭で行われたエレクトロミュージックのコンサートに参加したそうな。
夜23時の外出禁止令が解除されても、ミュージシャンが街のあちこちで演奏する風景が見られなければ、ただの飲み会
7月9日からはディスコの営業が許可されるけれど、人数制限やコロナ検査など条件付き。これでは赤字なので、9月まで店を開けないと決めた店も多いらしい。
今月の1枚
高速道路脇で豪雨による土砂崩れ。これも異常気象のせい?
今朝から開通したけれど、作業はまだ続いている。ご苦労様、気をつけて~二次災害が起こりませんようにと祈りながら通り過ぎた。
これからモンペリエに行ってきま~す。もちろんダンスフェスティバル!来月ご紹介しま~す