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山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2022年10月

なんだか寒い。朝は8度、日中は16度。この前までの暑さは何処へやら。と思っていたら、下旬に暖かくなった。25度。でも、毎年10月下旬は暖かい日が多いような気がするので、例年通りかな。

でも、確実なのは夜がどんどん早くなっていること。10月27日の日の出は8時34分、日の入りは午後6時34分。前日の日の出が8時32分、日の入りが6時36分だったから、1日で4分陽が短くなっていることになる。4分は結構でかいですよ。1日4分、2日で8分、3日で12分…まあ、毎日4分規則正しく短くなるわけでは無いらしいけれど、冬至に向かってどんどん日が短くなっているのだ。寒いのも暗いのも嫌いだから憂鬱になる

ガソリンが、ない!

製油所のストライキがずーっと続いている。それでガソリンがない。製油所がストップすれば、供給できないから、あちこちのガソリンスタンドは売り切れ状態。
会社の利益が上がっているのだから、それを還元しろと言うのが労働組合の要求。
コロナ禍でリモートが日常化したツレは、ガソリンがないから仕事に行けないと、また家で仕事。まあいいけど。。。
物価は上がるけれど、給料は上がらず。で、ストが勃発しています。18日は公共交通機関のスト。ぶちぶち文句を言ったら、ツレが「もうすぐ万聖節だからストは終わるよ」。心配性の私には、楽天的なツレのおかげでパニくらなくてすんでいる。ありがたい。
11月1日の万聖節のあたりは学校休暇になるので、多くの人がバカンスを取って旅行に出かけるので、この間にストライキをする人はほとんどいない。ストよりバカンス優先です。
万聖節とは、日本のお盆のようなもので、死者の霊が戻ってくる日。田舎に戻って親戚が集まったり、お墓参りをする人が多い。もちろん墓参りもせずに旅行を楽しむ人も多いけどね。

パリ・オペラ座バレエ団のディレクター、ようやく決定!

10月28日、パリ・オペラ座バレエ団のディレクターが、ジョゼ・マルティネズに決まったと発表された。ようやく、ですね。8月から空席になっていましたからね。23人の候補者の中から選ばれたとのこと。正式に就任するのは来月らしい。
コンテンポラリーに比重をおく現在、ネオクラシックの彼がどこまで154名のダンサーを仕切れるかというのが話題になっている。でもとにかくこれで一安心。マルティネズもバレエ団を知り尽くした人だから、きっと良い方向に持っていくことでしょう。

フランスのトイレ事情

今やフランスのトイレ事情はかなり改善して、日本に近づいてきた。これは大改善なのだ!
日本では当たり前でも、こちらでは違う。

これがパリ市のトイレ。並んでますね。
パリ市を始め、公共のトイレが無料になった。これでおしっこ臭い町とはおさらばだ。
壊れていることもあるけれど、大抵は問題なく使える。
トイレットペーパーもあれば、石鹸もあって水も出るから手が洗え、しかもハンドドライヤー付き!ただしゆるゆると風が出てくるので、乾くまでにちょいと時間がかかるのが難点。しかし、これはまことに画期的なことなのだ。

特に高速道路のSAは素晴らしい。掃除が行き届いている。1日に何度も掃除するらしい。時々掃除中で使えないこともあるけれど、大抵はお掃除人に遠慮しながら使わせてもらえる。ジェット式のハンドドライヤー完備のところがほとんどで、感動していたら、「高速代に含まれているんだよ」とツレが。そっかー
ドイツの高速道路のトイレが有料だったのは、高速料金無料だからだったのね、きっと。

清潔だ。しかし、便座はない…。便座がなくなったのは、盗まれる、壊される、汚れるからだと思う。
ウオッシュレットなどとんでもない。ウオッシュレットはフランスでは今のところ一般家庭でもほとんど普及していない。便座が暖かくなるのは気持ちが悪い、人のお尻を洗ったチューブは不衛生だ、というのが一般的な考え方みたい。

これはビーチにあったトイレ。立派な建物でございます。Urinoirとは男性の小便用の場所。
おしっこは「ピピ」、うんちは「カカ」。可愛い響きなので、赤ちゃん言葉だけれど、大人も使ってます。
旅行に行って、小さな村を訪れても、大抵は1個の公共トイレがある。WCあるいはToilettesと書いてあって、一軒の家の延長みたいに素敵な外観のところもある。場所は市役所・町役場(Mairieと書かれた国旗が立っている建物)の近くが多い感じ。無料だし、綺麗なところが多くて、最近は安心して旅行ができるようになった。時々トイレットペーパーが切れていることがあるので、念のために持参することをお勧め。
それから、フランス語ではトイレは複数表示です。1個しかなくても複数で、トワレット 。「トイレはどこですか?」は、「Ou sont les Toilettes ? ウ・ソン・レ・トワレット?

街のトイレは内部を自動洗浄するところが多いので、前の人が出てきたら、一旦ドアを閉めて緑のランプ(OKマーク)が点灯しているかどうかを確認すること!そうしないと中で全身シャワーを浴びることになるかもです。気をつけてね。

日本のお酒は人気があるようで、スーパーでも見かけるようになった。

空港の免税店には日本語表示。日本人は高級酒を買ってくれるということらしい。

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
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