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山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2022年11月

うつくし~!!!エゲルモンの美的センスに惚れ惚れ

ライムント・ホーゲの下で長年ダンサーとして踊っていたエマニュエル・エゲルモンの公演を見に行って、すっかり惚れ込んでしまった。美しい。こんなに洗練された舞台を見たのは久しぶりだった。
まず、エゲルモン振り付けの「オール・オーヴァー・ナンフェア」。
モネの「睡蓮」がテーマというけれど、睡蓮を直接感じさせる要素はない。白のリノリウムとメタルの装置の中で、彼を含めた5人のダンサーが歩き、ポーズをする。それだけなのに引き込まれてしまうのは、エゲルモンの独特な手の使い方と動きに見惚れてしまうからだろうか。
ライムント・ホーゲを思い起こさせるシーンが多いなあと思ったら、ホーゲへのオマージュ作品だった。この作品の創作中にホーゲは天に旅立ったのだった。

公演後のトークにて、右がエマニュエル・エゲルモン、左はコメディ劇場のディレクター

エゲルモンワールドにすっかり惚れ込んで、その後に上演されたソロ「アベラシオン」を見に行って、また感動。美しい。真っ白な舞台に注ぐ光が刻々と変わっていく。まるでそこに太陽があって影が移動していくように。

エゲルモンは、ライムント・ホーゲの影響を受けていることがよくわかる。でもだからといって真似をしているわけではなくて、ホーゲとはまた一味違うセンスなのだ。ホーゲが追求した「美」を彼なりにさらに深めているのだと思う。

フランスあれこれ

寒くなりました。山では雪が降ったらしい。今年の冬は寒くなるのかなあ。

落ち葉を踏みしめながらのハイキング。きれいな空気を吸って森林浴~などとのんびり歩いているわけにはいかないのだった。動物のフンがあちこちに。
そういえばパリは犬のふんに気をつけろだった。糞を拾わないおばさんに注意したら、「そんなことをしたら道路清掃員の仕事がなくなっちゃうでしょ」

「川の水力発電は、環境には良くないんだよ。川の流れを堰き止めるコンクリートの堤防のせいで、上から流れてきた土が堆積して川底を浅くしてしまう。ここに大雨が降ったら上流地域に川の水が逆流して浸水の原因になるんだよ。今や電気は誰でも売れるから、あちこちにこうした小さな水力発電所を作って儲けている人がいるけれど、環境には良くないんだよ。ほら、川の真ん中まで土が堆積して川幅が狭くなっているでしょ」
「ほんとだ」

秋のハイキングは食欲も満たしてくれる。
今回はくるみ拾い。

この通りが胡桃だらけなのだ。
さて、この写真の中にくるみがいくつあるでしょうか?

正解は3つ。2個はすぐに見つかると思うけれど、3個目はどこかな?
上の方にころんとした茶色いものがあるのがわかりますか?胡桃は皮に包まれていて、それが熟すと落ちて、ころりと中身の硬い殻が飛び出すのもあれば、皮付きのままのものもある。お店で売っている状態で木になっているわけではないのですよ。拾ってきたら皮はすぐに取り除いて、空気にさらして乾燥させれば保存食。
常に殻付きを2個ポケットに入れている友達がいる。理由を聞いたら「手の中でコロコロ回せば手と指の運動にもなるし、小腹が空いたら食べればいい。2個あると簡単に割れるよ」と。
コレステロールを下げるという話もあって、胡桃は超優れものなのだ。

鳥に外出禁止令がでた。

鳥インフルエンザが猛威を振るっていて、今年もたくさんの家禽類がお陀仏になった。
このせいで、フォアグラは品不足の上に高くなるらしい。我が家は先月買ったので、今年のクリスマスは無事に過ごせそう。
それにしても、鳥に外に出るなと言ってもなあ、無理だよねぇ。
ああ、これは養殖の家禽類のことで、鶏とカモやガチョウは庭を駆け回っちゃいけなくて、お家にこもれという事か。運動不足の鶏は美味しくないんだけどなあ、仕方がない。無事に生き延びてくれ。

燃料不足はいつまで続く?

11月15日で政府のガソリン補助が終了するとあって、ガソリンスタンドはどこも列をなしている。場所によっては売り切れのところも。

値段が変わるとあって、今日の表示は無し。ガソリンを入れにきたのに、値段がわからん。
そして翌日の16日、マジで値上がりしていた。20パーセントの値上げはきついっす。

ロシアとウクライナ戦争の影響で、冬場の電力不足が心配な政府。室内温度は19度にしてね、夜間の就寝中はWIFI切ってね、という政府広告が流れている。真面目な我が家は暖房を19度に設定。夜はWIFI切ってます。(追記;このおかげで半年で千円節約できた!)寒がりの私には結構きつくて、家でも薄手のダウンを着て過ごしている。これから本格的な冬。寒さが増したらどうなるのか心配。こたつが欲しい。

我が街も節電で、夜中12時には街灯が消える。マジで真っ暗。知人が住む街では夜10時だって。10時は早いよ~とブツブツ。夜中に出歩くときには懐中電灯必須。
メリットは星が綺麗に見えるこどだけれど、闇夜に紛れた犯罪が増えなければ良いけれど。
そして朝6時にパッとつく。
こちらの6時はまだ真っ暗。日の出は8時少し前。日没は17時。これからさらに日は短くなる。
燃料費の高騰で、物価上昇が止まらない。買い物に行くたびに目が飛び出しそうになる。そうか、農家はトラクターが必要だから、燃料費が上がれば当然野菜や肉製品にも影響が出るわけだ。

日本では、今年のボージョレ・ヌーボーは昨年よりかなり高くなる。輸送費の高騰の影響らしい。こうなったらワイン風呂になんか浸かってられませんね。(この光景がテレビで放映されて、フランス人はぶっ飛んでた。風呂に浸かるより飲んだ方が良いと思うけど…)
売れなかったボジョレーヌーボーは商戦がヒットして、世界的に有名になった。これにあやかろうと、あちこちのワイン地方がヌーボーワインを出し始めている。コート・ド・ローヌ・ヌーボーとか、カオー・ヌーボーとか。二匹目のドジョウは釣れるのだろうか。。。

ノエルの準備が始まった

恒例の高さ27メートルのクリスマスツリーがやってきた!
節電しなくてはならないけれど、やっぱりノエルにはツリーが欲しい。

早くもクリスマス市まがいの店が出た。

その横ではブラックフライデー。商戦合戦が始まってる。

あ、倒産したカマイウ。手頃な値段で種類が豊富な服を取り揃えていた人気の店だったのに、倒産してしまった。コロナのせいで。
でもその後ずっと店は売られずに残っている。売りたくても売れないのは、裁判上の問題なのかな。ノエルで盛り上がる中、寂れた店を見るのは辛いものがある。(追記;Celioブランドが買い取って、2024年9月に再オープンする予定)

来年のパリオリンピックのマスコット人形やグッズがもう売り出されている。
でも全然可愛くないと、超不評

今月の!!!!!

四角い切り餅をテーブルの上に置いておいたら、「石鹸を食卓におきっぱなしにするな」と言われた。貴重な切り餅なのに、、、

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
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