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山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2022年12月

猫も杓子もW杯

ボイコット運動は何処へやらのサッカーワールドカップ
カタールのサッカー場建設時の極悪な労働環境に批判が出て、ボイコットする運動が広がったものの、いざ試合が始まれば、テレビ中継は見逃さない。ナンジャラホイ
フランスVSアルゼンチンの決勝試合は2千4百万人がテレビにかじりついたとの報道で、これまでの視聴率の最高値。準決勝は2千万人。

「ボイコットしたんじゃなかったの?」
「うん、少しね。フランス以外の試合は見なかったから」
結局見たのならボイコットじゃないと思うのだけれどなあ。
マクロン大統領も、準決勝に続き決勝戦にわざわざカタールまで観戦に行っている。ナンジャラホイ
試合を見るためにテレビを新調した人が多かったから、W杯を行なってよかったのだという結論らしい。ナンジャラホイのホイホイ

熱い試合だった。2対0でアルゼンチンが余裕の優勝かと思っていたら、後半終了間際に同点に追いついたフランス。2回の延長戦ののちにPK戦。これでフランスは負けた。

以前のW杯で早々とフランスチームが退廃したら、テレビはさっさと中継をやめてしまって、代わりに全く関係のない映画とか、ドラマの再放送が流れていた。フランスチームが負けたら、もう興味がないと言わんばかりのフランスファースト。フランスにはたくさんの人種が住んでいるのにね。他の国のチームが熱い戦いをしているのに完全無視していて、ムッとしたのを思い出した。
今回は優勝を逃したからシャンゼリゼでの凱旋行進は無し。

フランスチームのことを「エキップ・ド・ブルー」という。ブルーはフランスを象徴する色なのだ。

ところで日本チームが大きな話題を残したことを忘れてはいけない。
サッカーのW杯開幕直前に行われたラグビーの試合で、日本チームはフランスに惨敗。日本チームの背の高い選手がフランスの選手にタックルされて吹っ飛んでいた。フランスの選手は強いっす。
そんなこともあってサッカーの日本チームには期待していなかったのに、強豪ドイツに勝ってびっくり。これなら楽勝だろうと思ったコスタリカに負けてまたびっくり。強豪スペインが当然16強に入るだろうという誰もの予想を覆す日本チームの逆転勝ち。びっくりの連続。頑張れニッポン!
しかし、ペナルティーキックで強豪クロアチアに負けて8強入りならず。これは悔しい。試合自体は五分五分だったのになあ。でも、これで日本のサッカーチームは強いという印象を残したことは、すごいことだと思う。

寒い~あったかい~のフランス

おお!今朝の気温マイナス5度!とのけぞっていたら翌々日はマイナス7度になった。日中も0度で、世の中凍ってる。
ストラスブールなどではマイナス14度!それでも屋外市場は営業していて、野菜が凍らないようにカバーをかけてた。この寒さでも買い物客はちゃんといろところがすごい。スーパーマーケットより、市場で新鮮な食料品を求める人は多いのだ。

と思いきや、3日後には日中の温度が14度。今日は18度だったよとツレが汗をかいていた。

スキー場もオープン前にドカ雪が降って、さあ、週末からのオープンに向けて張り切って準備していたら、いきなり暖かくなって雪が溶けてしまった。オープン日に合わせて暖冬がやってくるとは、運が悪い。そのままずっと暖かい日が続いているから、当然雪はない。

北アメリカではマイナス50度近くを記録し、日本でも豪雪なのに、南仏では海水浴ができる20度越え。サンタクロースは半ズボンでやってくる感じだ。電力不足に光熱費の高騰という打撃を受けている身には、暖房代が節約できて助かるけれど、こんなに無茶苦茶な気候に将来の不安を感じずにはいられない。

正月よりクリスマス!のフランス

日本はなんといっても「正月!」だけれど、こっちは「ノエル!」。12月25日の数日前から2週間の学校休暇が始まって、これに合わせて家族でバカンスに出かける。冬はスキーをする人が多いかな。大人はスキー、子供はリュージュで雪を楽しむのだ。が、ここ数年地球温暖化で雪不足。
明日の仕事の予定は立てられないけれど、半年先のバカンスの予定は組めるフランス人。バカンス計画を練る集中力は目を見張るものがある。この人にこんな集中力があったのか!と驚くほどだ。「良い仕事をするにはバカンスは必須、元気の素だし、早割を利用すれば安いし。」とフランス人談。
ところが、いざ行ってみたら雪がなかったということも。しかしそこはさすがのフランス人。発想の転換が早い。雪がなければそこでできることを最大限に楽しむわけで、ハイキングをしたり、アトラクションをしたり、ロードサイクリングをしたり、趣向を変えて楽しんでいる。
恨めしいが、地球温暖化に怒っても仕方がない。

年末年始は今年も雪を見に

我が家も1週間前まで待って宿を予約。多くを望まなければ、リーズナブルな値段の宿泊施設はあるものだ。希望の日程は取れなかったけれど、雪がある!これが第一条件。
私たちはノルディックスキーなのでなんとかなったけれど、アルペンスキー場の多くは雪不足で大変らしい。

あちこちに雪崩の跡が見える。この時期に雪崩はちょっと早すぎないか?

午前11時20分、雪の温度マイナス9度
いい感じだ

しかし、質は悪い。ここはフランスの東の端、イタリアとの国境に近いサヴォワ県のベッサン。雪が降らずにマイナス気温になっているだけなので、日中に少し溶けた雪が夜間に凍ってツルツル。毎シーズンスキー場で医者の世話になっている私は要注意。今年も目標は医者に行かずに無事に家に戻ることだ。

スキーで前に進むより、歩いた方が早い私は散歩に出た。散歩といっても、スノーシューズ(カンジキ)履いて、5キロは歩く。

向こうの山に向かって、広大な谷を歩く。この爽快感!
いい気になって歩き続けると戻れなくなるので要注意。雪の上を歩くのって、結構疲れるんです。

わっ、犬のふん!ここはパリか?!
狭い小道のど真ん中に、どっさりと。それがあちこちに。飼い主はそれが当たり前かのように、道のど真ん中で踏ん張る犬を微笑ましく見つめ、糞を拾う事もなく、そんまま去っていく。
カンジキは結構大きいので、糞を跨ぐのは大変なんだよ~

ここにもあった、変わり十字架。確か去年セイラックで見たのと同じような十字架だ。(2022年2月のコラムに記載)
「鶏の十字架」とか「パッションの十字架Croix de la passion」と言われるもので、キリストの福音書にまつわるものを描いているとか。これは10世紀に作られたもので、このような十字架はサヴォワ地方独特のものらしい

犬ぞり!

節電!!!

ロシア-ウクライナ戦争のせいなのか、冬の電力不足が深刻になってきた。パリでは節電を呼びかけて、店の広告灯を夜間に消さないと罰金がかかるとのニュース。オペラ界隈の街頭もだいぶ暗くなったらしい。

我が家でも節電しているのに、ガス会社から「規定以上に使ってますよ」の警告を受けた。ガス暖房は日中19度夜間18度に設定、お風呂もさっとシャワーで我慢しているのに、これ以上の節約は無理~

そして間も無く計画停電が行われる。今朝の気温マイナス7度。。。。
電力不足の時は暖冬になって欲しい。
いやいや、ウクライナの人たちはマイナス10度で電気のない生活を強いられている。それに比べたらここは天国だ。文句を言わず、頑張ろう。日本入国時の強制隔離体験が役に立っている!ネガティブになってはいけない、希望を持ってポジティブに!だ。

なんでそんなことするの?

ヴェルサイユの病院がやられた。サイバー攻撃。なんでこんな意地の悪いことをするのだろう。病人の命を人質にとって金を要求する。戦争や内戦、詐欺だのテロだのどんどん凶悪化している感じがする。世の中がどんどん便利に張る一方で、嫌な事件がどんどん増えているような気がする。なんで平和に暮らそうとしないのだろう。私にはさっぱりわからない。

コロナ第9波到来!

毎日5万人が感染していると。
ブラックフライデーの時も、クリスマス商戦真っ只中の今も、デパートやショッピングセンターはごった返しているのに、マスクをつけている人はほとんどいない。目に見えないものは信じないフランス人。
マスク着用義務復活の兆し。
今年の冬は、コロナ、インフルエンザ、気管支炎の3つのウイルスが猛威を振るうらしく、政府は3つのワクチン接種を奨励。もう、ワクチン漬け

それでもやっぱりノエル~!!!

シンデレラ気分になれる~

クリスマスマーケットで、

食う!
チーズがたっぷりかかったポテトにソーセージの定番郷土料理。

そしてノエルのパーティでは、アペリティフに始まってフルコースの料理。締めはもちろんケーキ

この時期にダイエットなど考えられない

24日と25日の二日間に、家族、親、親戚、友達とのパーティをこなさなくてはならない。スケジュール調整も大変だし、胃袋も大変

フランスの家族構成は離婚などで複雑なことが多くて、6つのパーティの梯子をしていた人がいた。
なんで6つも?
1.恋人と二人で食事
2.実父の家族との食事
3.実母の家族との食事
4.義父の家族との食事
5.義母の家族との食事
6.友達とのパーティ

2日間6つのパーティを、やりくりして全てに参加していた。
「それで、食事はどうしたの?」
「全部参加で、全部食べた」
「2日間で6回の食事?!」
「うん、全部フルコースでフォアグラ食べまくり!」

そして、大晦日の31日も新年を迎えるための豪華な食事とパーティ。

海鮮盛り合わせは人気のメニュー。我が家もカニとエビ、生牡蠣で今年を締める。

そして、飲みすぎ食べ過ぎでグッタリと元旦を過ごし、2日から仕事というのがフランスの年末年始。
長年住んでいても、いまだに1月2日から仕事をするというのは受け入れ難いっす。日本の正月が恋しい~

パーティはまだ続く。年が明けた1月6日はお菓子の日、(ガレット・デ・ロワ)でまた食べる。コレステロール上がりっぱなしの時期なのだ。

ベイビー・ブローカー

是枝監督が韓国で撮影した「ベイビー・ブローカー」を見に行った。フランス語でのタイトルは「Les bonnes etoile」。
タイトルの意訳は困る。ポスターを見なければ見逃すところだった。

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
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