ダンスの動画・コラム・コンクール情報専門サイト

舞台撮影・映像制作を手がける株式会社ビデオ。
HOME > ニュース & コラム > 山田マミのやっぱり、パリが好き 2023年2月

News & Column
ニュース & コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2023年2月

日本とフランスってこんなに違う

一時帰国して、日本を満喫!そしてギャップに気づく

まずは目で楽しむのが日本料理。フランスではこんなに色とりどりな盛り付けは滅多にないなあ。白いポテトにオレンジ色のニンジンと焼いた肉の茶色。それに野菜の緑色が加わるくらいかなあ。

徳利が氷に浸って、お花が添えてある!こんな心遣いはフランスには全くと言って良いほどない。ドーンとワイン1本。ロゼや白なら透明のアイスバッグに氷と共に入って出てくるのをおしゃれと思うくらいで、花などが添えられていたのを見たことはない。
日本の心遣いに感動の瞬間

日本のガソリンって安い。1 リットル152円。このガソリンスタンドは特に安いらしいけど、フランスは今や250円の時代。

スパゲッティが高い。バリラの500gが340円(税込375.84円)、フランスは140円くらい。輸入品だから高いの当たり前か。

フランスにも花粉症はある。もうずーっと昔から。なのに誰もマスクをしていない。なんで?
薬を飲んでいるから。
小さな錠剤を一日一錠飲むだけなのに、くしゃみも鼻水も涙もいっぺんに止まる。症状が出たらすぐに飲むとぴたりと止まる優れもの。
日本で薬局に行ったら、鼻水にはこれ、くしゃみにはこれ、って2箱買うことになった。でも、あまり効果はなくて、フランスから薬を持ってこなかったことを後悔。

雪だるまは同じだった。フランス語ではBonhomme de neige

大寒波でマイナス気温というけれど、太陽が出ていれば日中は暖かく感じる。日が短い上に、どんよりしたパリにいるよりは、冬は東京で過ごすのがいい。

敬虔な仏教徒ではないけれど、近くのお寺にお参りに行って、おみくじを引く。
おみくじはフランスにはないからね。

出た~凶!
でも思い当たる節はある。暮れから思うようにいかないことが重なってたし、年が明けた途端に結膜炎の初体験。主治医には「数日で自然に治りますよ」と言われたのに悪化の一途をたどり、週末に救急病院に駆け込んだ。「マスカラなどの化粧品は捨ててください」と言われて、泣く泣く新品の化粧品を捨て、「感染力が強いから人と接触しないように」と言われて、予定をキャンセル(涙)
引きこもりがさらに引きこもることになった。
ここで気がついた。
フランスには眼帯がない!
マスク同様、人に感染させないための気遣いグッズはないのだ。
そして、一時帰国のスーツケースの半分は目薬となった。保存料が入っていない1回ごとの使い捨てで、洗眼用のは大きいサイズ。そんなのが4種類もあって重い。そう、水は重いのだ。使い捨てはエコロではないけれど、衛生的で気に入っている。6時間ごとの点眼というのがいくつかあるので、時差を考えながらの点眼はややこしい。

などと、年が明けてまだ3週間も経っていないのに、様々な困難が降りかかってきているから、今年はあまり良い年ではないような気がしていたけれど、おみくじでだめ押しされた感じだ。
そういえば大学受験の年に3つの寺でおみくじを引いたら、全て凶だったことを思い出した。見事に当たって、志望校は全て落ちて、絵馬に書かなかった滑り止めの大学に行くことに。学業に興味が持てないから、踊ってばかりの4年間だった。
こんなこともあったなあ。舞踊コンクールの前日に見た夢が歯が抜ける夢で、大当たりの予選落ち。翌年も歯が抜ける夢を見て、また落ちた。
今年は困難続きの一年になるのかなあ。

友達が言った。「凶よりは悪くならないということだよ」
「大凶が出たら?」
「そこまで行ったらあとは這い上がるだけ。落ち込んだ時も同じ。もがかずに流れに任せて落ちるところまで落ちる。そうしたら、あとは這い上がるしかないでしょ」

高校の出入口は1箇所のみで厳重になった。そう簡単には入れない。
学校は教育の場で、教育を求める人は誰でも入れる安全な場所という認識は、今や通用しなくなったということだろうか。なんでこんな世の中になっちゃったんだろう…

色とりどりの野菜が並ぶ市場。フランスに戻ってきた~と実感する瞬間

オリーブってこんなに種類があるんだ。緑と黒が基本で、それにどんな味をつけるか。レモン風味、にんにく風味、唐辛子入りなど。私はオリーブそのものの味を楽しみたいのでナチュラル派

牡蠣の立ち食い

靴から服から下着まで、格安値段で全てが揃う

フランスでは春を告げるのが黄水仙。これを売る花売りを見かけたら春の到来だ~。

モップセット
これが超使いにくい。バケツにモップの水切りがついているもので、洗ったモップを写真のようにザル状になったところに入れてぐるぐる回すと水が絞れるというもの。

便利そうに見えるけど、モップの水が絞りきれなくてびちょびちょ。結局手で絞るから意味がない。しかもモップは取っ手の周りに太い糸が付いた丸型なので、これまた使いにくい。

切手はゆくゆく消滅するらしい。
切手が欲しい人はネットで注文すると翌日配達人が届けてくれると。郵便局に行かなくても切手が買えるということだけれど、つまりは郵便局に来るなということなのかな。
そして郵便の配達は毎日でなくなる。投函した翌日に配達するという制度もなくなるそうで、最短で3日くらいかかるらしい。メールの普及で手紙を出す人が少なくなったからというけれど、なんか寂しいなあ

お知らせ

パリ・オペラ座のガルニエ宮の外壁工事を今年10月から27ヶ月かけて行うと発表。まず正面からだそうで、写真を撮るなら今のうちですよ~。

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
TOPへ