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山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

2023年7月

オラが街にもやってきた!ツールドフランス

フランスで人気のスポーツは、サッカー、ラグビー、そして自転車だと思う。
野球は見向きもされてない感じ。
で、7月となれば3週間にわたってフランス各地を周る自転車ロード競技のツールドフランスに盛り上がる。その理由は、
1.自転車競技が好き
2.沿道で応援したい
3.自転車競技には興味ないけれど、キャラバン隊が投げるお土産をゲットしたい
4.テレビ中継を見て、旅行気分を味わう
というところかな。

私は3と4です。

で、テレビをつけて、町の名前や観光の説明が始まるとテレビを見て、旅行気分を味わっている。
広大な森の中を走る選手が豆粒みたいに見える光景に「おお!自然は広大で美しい」と感動し、町の歴史やモニュメントの説明に「ほー」とうなずき、旅した気分を味わっている。

毎年思うのは、日本の駅伝も、沿道の観光名所を紹介しながら中継すれば、もっと面白くなるのではないかと思う。

でも今年は我が県のシンボルのピュイ・ド・ドーム(標高1465m)に登るという。
滅多にないチャンスなので、選手を見に行こうということになった。

ただ、この山はユネスコの世界遺産の一部なので自家用車で登るのは禁止されていて、今回は徒歩でも登山電車でも登れませんとのお触れ。つまり選手以外は山に登っちゃダメなので、ゴール付近には観客がいないという珍しい光景。
ということは、一般人はふもとで応援するしかないのだ。
https://www.letour.fr/fr/
しかし、あとでネットで見たら、ゴール付近に人がいる。なんで?関係者らしい。
その中に知人を見つけたツレは激怒。関係者とお友達なら頂上に行けるということらしい。どこにでもある話だけれど、コネは重要です。

先頭集団。あっという間に走り去り、誰が誰だかわからん

ヘリコプター!上から撮影しているのかな。
なんでこんなにたくさんの車が?選手の予備の自転車を乗せた車の他は、スポンサー。これも宣伝ね

先頭集団から遅れること少し、やってきましただんご状の選手たち。このスピードで、こんなにくっついてよく走れるものだといつも感心する。風を避けるためだそうで、鳥と同じです。
「アレ!アレ~!」の声援。「行け!それ行け~」ってなところですかね

選手の出発前にキャラバン隊が音楽をガンガン鳴らしながら走り回るのは、試合を盛り上げる演出だと思っていたら、車から商品や景品を投げるのだった。知らなかった…
翌日は市内がスタートだったので、ゲット目的で行って驚いた。
レースには全く感心ないけれど、商品は欲しいという人多数。何時にどこを通るか、ゲットしやすい場所はどこかをきっちり調べて、その時だけわさわさと人が出てくるのだ。
そして、キャラバン隊が過ぎ去ればさっさと家に戻り、その後のレースには見向きもしない。

ゲットしたいのなら一人で行っちゃダメ!ということもわかった。
場所取り組と、拾う組。
拾うのは特に子供がいい。子供はすばしっこいからね。取ろうとすると横からサッと手が伸びて、素早く走り去って行く。

スポンサーや提携企業のおもちゃみたいな車から、美男美女たちが商品をばら撒く。
手を大きく降ってアピールして投げてもらう。これが結構大変。
背が高くて運動神経が良い人は空中の高いところでキャッチ。それがダメなら落ちたものを拾う。
あ、落ちた、と思った時にはすでに子供が走り寄っている。
子供と取り合いになれば、おばさんは手を引っ込めざるを得ない。
ふと見れば子供3人が商品をかき集め、乳母車の横のお母さんにせっせと手渡している。乳母車は商品を持ち運ぶためだったようだ。

何も取れない私は、バリボのキャンディをゲットしたお兄さんをじっと見つめ、お情けで譲ってもらった(笑)

場所を移動して、なんとかゲット。買い物バッグ、えんぴつに割引券、キーホルダー。自転車型の栓抜きは可愛い。
大したのもはなかったけれど、初心者にしては良い方だと自分を納得させた。
レースのシンボルの水玉模様のTシャツや帽子をゲットするのは至難の業であった。

フランスあれこれ

パンダが、国宝並みの取り扱いの厳重体制のもと、中国にお戻りになり、パリオリンピックを盛り上げるべく、グッズが売り出され始めた。

地中海沿岸の多くの国では熱波の嵐。45度は当たり前のカラカラ天気。
スペインでは気温38度で湿度14%。湿度14%ってどんな感じなのか想像がつかない。
あちこちで山火事。でも、原因はバーベキューやタバコの投げ捨てと、人の仕業。
森はあっという間に燃えてしまうけれど、再生にはものすごい年月がかかることを忘れてはならない

日本も相当暑いと聞いた。
湿度90%で37度と、湿度20%で45度とどちらが良いのか…
地球温暖化、この先どうなるのだろう。
これに加えて台風並みの嵐もあって、あちこちで自然災害。
地球、大丈夫かぁ?

私がいたフランス南西部では25度くらいで時に肌寒いくらい。ラッキー
でも、蚊が大量発生。フランスにも蚊取り線香があって助かった

煙でモクモクの部屋にいたら「肺がんになるぞ!」と怒られた。
「部屋を煙で充満させて、蚊を殺すんだよ」
「そんなことしたら人も死んじゃうよ。タバコの煙と同じじゃん」
屋外や窓辺で炊いて蚊が寄ってこないようにするものなのだと。

今月の1枚

昔は沼地をこうやって歩いたそうな

山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!
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