News & Column
ニュース & コラム
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、フレンチ生活を山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
2023年9月
涼しかった北部にも残暑がやってきた
ちょいと寒くて夜中に毛布をかけた翌日、31度。あのね~
雨は降らず、、、カラカラ
9月の最初の月曜日から新学期が始まり、
大きなリュックを背負った子供たちが元気に歩いている
登下校は保護者の付き添い必須。防犯なのでしょう
リヨンのダンスビエンナーレに行ってきた
昨年ディレクターが変わったので、ドミニク・エルヴュ前監督と新監督のティアゴ・ゲデスによる混合プログラム。若いディレクターが新たな風を送り込んで心機一転。
30日間の会期なのでいろいろ見たかったけれど、たった2日間の滞在だったので見逃しもたくさんあって悔しい。それでも、大いに楽しみました。
これ演技?それともまじ?
と、完璧にはめられたのがピーピング・トムの「S62°58′, W60°39’」
南極で破船して氷の海に閉じ込められた一行。天気は大荒れで食料も尽き、極寒の中釣りをする船員。生死をかけた脱出劇を固唾を飲んで見る。と、甲板に座った男が呟く「ここに俺は必要なのだろうか。こんなことは続けられない。ダンサーとしてのキャリアに傷がつく」
は?どういうこと?
そして彼は舞台から出ていってしまった。
それを呆然と見送る出演者。唖然としたのは私たち観客も同じ。何がどうなってるのかって、つまり、本番直前の演劇の練習風景だったんですね。
その後、舞台から客席後方のブースにいる演出家とのやりとりが始まって、それが突拍子もなくて会場は笑いの渦。出演者の私生活とごちゃ混ぜの言い訳や、頼りない演出家への鬱憤など、こんなのあるある感の裏話が続いて爆笑。しかも演出家の声を、この作品の振付家フランク・シャルティエ自身が演じているから実感こもってるし。
演劇寄りの作品だけれど、出演者の身体能力は半端じゃなくて、真に迫る演技にハラハラドキドキの場面も。さすがピーピング・トム!
ローザスのアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルは、4人のアーティストとのコラボ作品「Exit Abobe – After the tempest」。若いダンサーたちのエネルギーが新鮮だったし、何よりそれぞれの個性を引き出して融合させたケースマイケルの演出力に敬服
リヨンの国立振り付けセンターCCNリリュー=ラ=パプを率いるユヴァル・ピックの新作「Silver Rosa」。スピリチュエルな儀式を思わせる輪になった動きの連続がトランスを導き、昇華する。若いダンサーに混じった年配のダンサーの奥行きの深さに、経験とはこれか!と見入った。ここでも小林円香さん、大活躍!!
造形美術がいつも素敵なヴァンサン・デュポンは、シャルル・アヤトと組んでバーチャル作品。ゴーグルをつけてあっと驚く不思議な世界を見て楽しむもよし、ゴーグルを外して目の前の舞台で起こっていることを見るのもよしで、両方を比較するとめちゃ面白かった。テクノロジーはどんどん進んでいるのだ。
フィア・メナールの「アート13」の、ガキンチョが公園の立像をぶち壊すのにはたまげたが、子供にはゲイジュツよりぬいぐるみの方が良いということなのかな。ちょっとメルヘン
売れっ子のマルコ・ダ・シウヴァ・フェレイラ。会期中、街のあちこちで無料公演をしてくれた。ジャン・ムーラン大学の校内での「Fantasie minor」には圧倒されましたね。
シューベルトのピアノ曲と屈伸とジャンプがメインのボクシング風の動きがこんなにマッチするとは!それにしても残暑の炎天下で、30分間休みなく激しい動きをし続けるのは大変だろうなあと、おばさんは心配してしまうのだけれど、「練習しているうちに平気になりました」って、若さ爆発です。
パリより進んでるリヨン
2年ぶりに訪れたリヨンはかなり進化していて、オロオロしてしまった
リヨンのメトロやバスは無人化が進んでいて、メトロは自動運転で、駅員なし。紙のチケットを携帯電話の横に置いてしまったからか、磁気が壊れて改札口でストップくらっても、誰も助けてくれず、文句も言えず、新たにチケットを購入する羽目になった。人が恋しい~
あちこちにあったバスとメトロの案内所もグッと減って、やっと見つけた窓口は外まで長蛇の列。切符を買うのは自動販売機。
切符を持たずにバスに乗ったらどうするか。なんと、クレジットカード決済専用の機械があるのだ。赤い枠の小さな機械で、「クレジットカードをかざしてください」との表示。ピッとかざした次の瞬間、すぐにまた「クレジットカードをかざしてください」と出たから、うまく機能しなかったのかと思って再度かざしたら、なんと2度払いになってしまった。領収書も何も出てこない。検察が入ったらどうするのだろうと思っていたら、検察員の機械ではそのクレジットカードで払ったかどうかがわかるのだそうで、すごいなあ~。
それはいいけど、2度払いした分、返してくれるのかなあ。いまだに連絡ないけど。
ラグビーワールドカップW杯
ビエンナーレとラグビーW杯が重なって、リヨンの街にはごっつい男どもがうじゃうじゃ。そのデカさに唖然とする私。
お気に入りのリヨンの散歩
街のシンボルはやっぱりフルヴィエールのノートルダム大聖堂でしょ。
ここに行くにはいくつかの道があるのだが、絶対に勧めないのがヴューリヨンVieux Lyonのサンポール駅Gare Saint-Paulに向かってすぐ左側の道。おそらく一番距離が短いのかもしれないけれど、ひたすら石の壁に囲まれた狭い道を登るだけで、景色を楽しんだり、ほっと一息つく場所もない道。途中で後悔したけれど、戻るのも悔しいからゼーゼー言いながら登り切りました。
おすすめはやっぱりVieux Lyonの街から階段を登って、Mnt.Saint-Barthélémyから公園を通る道。登りきれば大聖堂が目の前に!
ちょっと変わったコレージュホテル
Vieux Lyonにあるコレージュホテル。コレージュとは中学校のことで、雰囲気が学校なのだ。外壁の黒い点々は…
なんと懐かしの学校椅子
部屋のドアもエレベーターの壁も学校での集合写真
1階の奥には応接室、いや校長室かな
食堂も学校の食堂風の長テーブル
部屋に入れば懐かしの机と椅子、洋服はロッカーへ
これはホテルのものではないけれど、近くの学校の前の通りにあったベンチ。しっかりコンクリートの地面に嵌め込まれていて、盗難防止対策万全。
歩道でくつろげるっていいなぁ
公共交通機関がどんどん無料になっている!
いくつかの町では、バスやトラムウエイ(路面電車)が無料になってきている。
リヨンは低所得者、モンペリエは18才未満と65才以上のモンペリエ在住の人には無料パスが配られ、2023年12月からは年齢制限なしで無料パスが支給される予定。
パリは、パリ在住の低所得者は無料パスをもらえるので、問い合わせてみる価値あり。
残念ながら、旅行者は無料にはなりません。
しかし、わが町クレルモン=フェラン市は誰でも週末無料!試しに乗ってみたら、あらまあ、たくさんの人が利用していて、結構混み合っていた。こうなると一駅でも乗ってしまう怠惰な私。
店舗が開いている土曜日は、中心地はかなりの人出で、経済活性化の役に立っているように思う。街に出たらついつい財布を出す機会が多くなりますものね。いつか全線行けるところまで乗って見ようと思う。
ちょっと小旅行
ロックブリュン-シュール-アルジャン(Roquebrune-sur-Argens)
ここは南仏、地中海岸のサントロペからちょいと内陸に入ったところ。サントロペはスノッブで成金がお高くとまっていて気分が悪かった記憶があるのでやめて、内陸のハイキングができそうな場所を選んだ。
この山がロックブリュンと呼ばれる岩山。すぐ近くに見えるけれど、ハードルは高かった(汗)
巨大な岩がゴロゴロ、落ちてきたらどうするんや~!
こんな急なところを登るわけ?
などと文句を言いながら頂上に辿り着けばこの景色!
ここにはこの3つの十字架があって、年代によって形が違うと言うことを初めて知った
ハイキングの後はランチ!子牛のカツレツを頼んだら、この大きさ!完食しました
翌日は海~!
この辺りの海は、急に深くなるのでちょっと怖い
山に海、エキサイティングなロックブリュンでした
