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幕あいラウンジ バックナンバー

うらわまこと
 
Vol.24 「舞踊と社会 
  -その活性化と障害者の支援を-」
2001年 2月13日
 

 バレエ、ダンスなどの舞踊に限らず、芸術というのは、まずなによりも芸術家、芸術団体の、創造性、表現性、そして思想性が重要で、それが作品という形で結実したとき、それに触れたものは、多大の感動を受けるわけです。ただし、芸術家といえども一人の市民であって、個人、団体とも社会とのかかわりなしに存在することはできません。
 少しややこしいこといいましたが、要は芸術、芸術家、そして芸術活動も社会の状況を意識しなければいけないということです。それで、舞踊と社会のかかわりについて少し考えてみたいと思います。これについてもさまざまな形がありますが、ここでは2つの視点をとりあげます。ひとつは地域の活性化と舞踊、もうひとつは障害者と舞踊です。
 地域の活性化というと、まず頭に浮かぶのは経済効果ということになるのですが、それはたしかに必要でその効果 も当然ありますが、同時に地域の人々に舞踊の素晴らしさ、面白さを知ってもらい、生活を心の面 から豊かにすることも大事です。これはいいかえれば舞踊ファンを増やすことにもつながるのです。
 この点を舞踊の各分野から具体例を取り上げながら考えようというシンポジウム『地域と<舞踊>の結びつきを考える』が(社)全国公立文化施設協会(公文協)で行われます。これは2月21日から23日まで、代々木のオリンピック記念青少年総合センターで開催される、公文協と文化庁が主催、芸団協が協力する『舞台芸術フェア・アートマネジメントセミナー』の一環として企画されたもので、21日の3時半からです。
 フィールドバレエを核として地域ぐるみで活性化を実現しているケース、地域性に立脚して伝統文化の継承発展のためにホールと芸術団体と協力しているケース、学校教育と連動させて地域に舞踊を定着させようというケースなどが紹介されます。もし興味がおありでしたら全国公文協(Tel.03-5353-0320~1)にお問い合わせください。
 障害者と舞踊については、2つのイベントを紹介します。
 1つは岡本るみ子バレエスタジオと障害者支援組織アン・リミテッドが主催する『アン・リミテッド チャリティー・コンサート』です。これは知的障害者入所施設「瑞(みずき)学園」支援を主たる目的にしていますが、コンサート会場には、身体障害者、視聴覚障害者のためのバリア・フリーの装置、用具なども、いろいろな団体の協力をえて準備されることになっています。プログラムは、『白鳥の湖・2幕』と『パキータ』、そして障害をもつこどもたちも元気に成果 を発表します。  2月18日(日)、3時30分からアミュー立川(立川市民会館)で行われます。連絡先は「事務局」Tel.0422-46-6649てす。
 また、MUSE COMPANY(Tel.03-3479-8535)では、障害のある人も含めてのダンス・ワークショップを開いています。3月にもありますので、関心のある方はご連絡下さい。
 知的障害者のためのバレエ教室としては、横須賀の伊予田あさ子バレエスタジオ(Tel.0468-65-8070)。さらに今年の8月に開催される『北九州&アジア全国洋舞コンクール』でも障害者のための「バリア・フリー部門」が設けられており、これまでにも感動的な演技が数多く見られました。(Tel.093-571-6718)
 舞踊と障害者の関係は、海外ではいろいろと研究され、実施されていますが、わが国ではようやくスタートしたところです。ぜひ、作品やダンサーだけでなく、社会とのかかわりについても関心をもっていただきたいと思います。




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