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幕あいラウンジ バックナンバー

うらわまこと
 
Vol.28  「1~3月回顧
  ~元気のない世の中で頑張る舞踊界」 
2001年4月10日
 

21世紀に入って早くも3か月が過ぎました。実際には世紀が変わっても世の中はほとんど変化せず、政界、経済界は依然としてぱっとしません。こういったなかで舞踊は昨年にも増して活発に公演が行われ、話題も豊富です。
 この1~3月の舞踊界について、傍観、回顧してみたいと思います。
 昨年は江口隆哉の生誕百年の記念事業が大々的に行われましたが、1月は通 常谷桃子、貝谷八百子などベテランのバレエ団、そして日本バレエ協会関西支部の定期公演、その上一昨年からNBAバレエ団の全国バレエ・コンクールが加わり、月末にはローザンヌ・コンクールも行われるなど、バレエ公演中心の月です。さらに東京バレエ団公演は「くるみ割り人形」、今年はさらに、正月早々に名古屋の松本道子バレエ団が上海の若いダンサーをゲストに上京公演を行いました。月末には、太刀川瑠璃子のスターダンサーズバレエ、小川亜矢子の青山ダンシング・スクェア、笠原千珂子のマンナバレエがそろってこの月には初の姿を見せました。また、3月からスタートする松山バレエ団の森下洋子舞踊歴50年記念のプレ公演ともいえる「ロミオとジュリエット」が埼玉 で上演されています。モダンダンス系では、隔年の埼玉国際創作舞踊コンクールの年。アフロ・アメリカンダンスの第一人者森嘉子の芸術祭大賞受賞記念、若松美黄・津田郁子、竹屋啓子、菊地純子も公演を開いています。また毎年実施される都民芸術フェスティバルの第一弾として現代舞踊協会の公演が行われ、神奈川芸術舞踊協会も團伊玖磨の音楽で合同公演を。フラメンコの小松原庸子も1月には珍しい登場、名古屋では舞踊ゆきこま会。パルコで石井潤が振り付けた「兵士の物語」も話題を呼びました。
 2月は都民芸術フェスの日本バレエ協会の「眠れる森の美女」、新国立劇場の「シンデレラ」で多くのエトワールが登場、さらに熊川哲也のKバレエが東京を含む全国公演を、すでに本欄でとりあげた栃木、多摩、杉並、練馬、松戸、中部、そして仙台が地区単位 の合同公演を行っています。
 この月はどちらかというとモダン、コンテンポラリー系が目立ちます。横浜でバニョレ関連の公演が数多く行われ、ほぼ同じ時期に吉沢恵、岩名雅記、パパ・タラフマラ、アグァ・ガラ、後半には日玉 浩史、江原朋子、コンドルズ、さらに新宿のネクストダンスで多くの若手が、埼玉 で中堅3人が、またアートスフィアでレニパッソが公演を行っています。全国でも名古屋でジャズの三代真史、そして神戸の藤田佳代が団員の作品を含めて独自の世界を現出しました。舞踊作家協会も毎月初の公演をこの月からスタート。
 3月はさらに活発、バレエでは都民フェスの四大バレエがA,B2つのプロ、松山が森下洋子舞踊歴50年を「新・白鳥の湖」で正式スタート、牧阿佐美バレエ団でも創立45周年記念公演の第1弾を「三銃士」で。日本バレエ協会は恒例の「ヤングバレエ・フェスティバル」。名古屋でも盛ん、新発足のバレエ・スタジオ・デュオ、大御所の越智實のインターナショナルは「眠れる森の美女」、中堅の市川せつ子、さらに4月1日には名古屋を代表する松岡伶子バレエ団ジュニアのための会。京都では檜垣バレエ団の意欲的な「はながたみ」、大阪貝塚では「白鳥の湖」が上演されました。モダン、コンテンポラリーも注目公演がいろいろ、新国立が伊藤キムと山崎広太のジョイント、H・アール・カオス、勅使川原三郎、野間彩 が加わったアンサンブル・ゾネ、佐藤一哉も亡父本田重春をしのぶリサイタル、さらにカンパニー・レゾナンスが男性だけの舞台、池宮中夫のノマド、佐多達枝も参加したひねもすダンスなど。現代舞踊協会のアンデパンダン、埼玉 県舞踊協会、杉並、ひたち(茨城)、兵庫が合同公演を。東京新聞の全国舞踊コンクールも予選が行われました。
駆け足になりましたが、これからも時々回顧、展望してみたいと思います。




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