フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
9月2日 あ~お花がきれい!
9月7日 ストライキ
定年退職年齢が、2018年から62歳になり(今までは60歳)、満額年金の支給年齢も、65歳から67歳になるという政府の方針に、これでは68年のストライキ以前のレベルになってしまうという国民の怒りが爆発して、大々的なストライキがおこなわれました。今日は公務員だけでなく、民間も参加してよいストライキらしいけれど、社内で歩調を合わせなくてはあとで大変なことになるので、私はおとなしく普通に労働。
62歳までストレスためながらがんばっても、67歳までは年金がもらえないわけでしょ?健康で長生きするのが難しくなっている今日、せっかく年金を貯めても、その恩恵に預かれる前にあの世に行っちゃったら何のために高い税金払っていたのだかわからなくなってしまう。サルコジ政権は、こうして国民が年金をもらう希望をなくし、いずれはアメリカのように、政府補助の年金や健康保険をなくして民間に委託するのが目的だという噂もある。
サルコジさん、あなたは大統領になってそれまで慣例の大統領の給料を一気に倍に値上げしたし、労働相はベタンクール(ロレアルの大株主)関係でがっぽり儲けていたみたいだから、老後は安泰だろうけど、一般市民の生活をどう思っているのですか?物価はどんどん上がるのに、お給料はちっとも上がらない。そんな生活をもっと続けろってことですか?
一般市民の多くは最低労働賃金(2010年7月現在で1343.77ユーロ/税引き前)で生活しているのよ!!!ここから毎月社会保障料を天引きされると、だいたい1000ユーロが手元に残るだけ。しかも、所得税はまた別に請求が来るのだ。働けど働けど、、、じっと手を見る暇があったらストで闘おう!
でもね、結局迷惑を被るのはストに参加しない一般市民だったりして。20mimutes新聞によるとフランス人の73%は今回のストライキに賛成だとはいうけれど、通勤通学の足がなくては、現実問題困るのだ。
まあ、ストライキをする側も一応気を使っているみたいで、こうして新聞に運行状況を掲載している。もちろんインターネットや携帯でも情報を取れる。話によると、平常運行の時よりもずっと正確に情報を教えてくれるそうで、ストをやってくれた方が情報は正確かつ迅速に入るということ。なんか変だけど。。。
9月16日 話題の人 村上隆
このところ、新聞を賑わしているのが、村上隆。そうなのです、あのヴェルサイユ宮殿で村上氏のエクスポジションが行なわれるのです。昨年来ヴェルサイユ宮殿ではポップアートが展示されて賛否を交わしていますが、今回はなんと我らが日本の芸術家村上隆氏であります。
ルイ14世の肖像画の横に、村上氏の作品がでんと置かれている。しかもカッパ!有名な鏡の間には球形の花のモチーフで有名な「お花」が展示されるらしい。
METRO誌での特集。これじゃあまるでコメディアン。
そして今回もまた抗議運動が起こった。皆さんはどう思います?ベル薔薇のイメージに、HIROPON。ちょっときついなあ。
これはA NOUS PARISBの記事なんですけど、タイトルを見てくれます?KAWAI!と書いてありますよね。最近日本語の「かわいい」という言葉がフランス語化しているのです。「ツナミ」「マンガ」に引き続いています。それだけ日本の観光客が連発するわけで、という事は、日本ではかわいいものがもてはやされているという事ですかね。
そして、さらに日本流行のフランスでは、今週末の18、19日に日本のマンガサロンが開催されるそうで、コスプレコンクールもあるらしい。
9月20日 CNDで一緒に踊ろう!
CNDパリ(パリ・国立ダンス・センター)がパリの無料新聞に広告を出していた。ダンス専門誌でもなく、ル・モンドでもなくフィガロでもなく、一般の人に一番読まれやすい新聞に広告を出していたというところがいいなあ。ダンスは身近にあるのだよという感じがして。そしてこれは、一般の人たちにダンスを体験してもらおうという企画で、オペラ座のマリー=アニエス・ジロを始め、バロックダンスの大御所ベアトリス・マッサンや、中堅コンテンポラリーダンサー達によるワークショップがある。プロ、アマチュア、未経験者誰でも歓迎というのがいい。CNDはいろいろな企画をしているし、図書室も充実しているので、パリに来たら是非一度は足を運んでほしい。www.cnd.fr
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。