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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

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11月1日 フランス版お盆トゥッサン(万聖節)

今日はフランス版お盆の日。田舎に帰ったり、お墓参りをする日です。11月11日も祝日(1918年の休戦記念日)なので、この頃に休暇を取る人が多いです。私もフランス人に付いて田舎に行ってきました。

紅葉が始まっていますね。

ここはボルドーから150キロほど内陸に入ったところです。車窓からなので少しぶれていますが、全てブドウ畑です。さすがワインの産地。

11月9日 秋の山歩き

これだけ晴れたら自然を楽しまないわけにはいきません。グループでの山歩きに参加しました。

摘み終わったブドウ畑は寂しい感じもしますが、紅葉がきれいです。

葡萄の実はもうほとんど残っていませんが、それでも少し残っていたのを拝借。おっいし~い!貴腐状態のものがあって、それはそれは甘くておいしかったです。

畑がうっすら緑色。これは雑草ではなく、麦だそうです。パンのもとになる麦はフランス人には大切なものです。

鶏がこんなにいっぱい!

これ何だかわかります?岩ではないんですよ。道ばたの木なんですが、なんと、コルクの木。この木からコルクを作るのです。

木屑を集めるとかではなく、この写真の中央部分、少し掘られた部分を見てください。このように木肌を掘るだけで、あのコルクになるのです。私はてっきり木のくずをくっつけて固めているのか、そうでなければ発砲スチロールのように膨らましているのかと思っていました。ちゃんとしたコルクが取れるまで30年ほどもかかるのだそうです。実が落ちていたので拾いましたが、今から30年後ということは・・・・・何歳だ?

通りがかりにあった教会。なんとローマ時代以前に造られたそうです。

この地方の屋根は、植木鉢と同じで、土を焼いた瓦を使用します。だから南仏の家の屋根は赤いのだ。

驚くほど古くて崩れそうだけれど、この教会は現在も使われているようです。ミサの時間が貼り出されていましたもの。

そしてこれ、教会でのお葬式の後に、馬で墓地まで遺体を運ぶお棺です。これだけまともな状態で残っているのは珍しいそうで、フランス人のおじさんおばさん達が子供の頃を懐かしんでいました。多分この写真のものは、未だに使用されているものだろうと言っていました。

説明によると、この教会はサント・キテリーをご神体とするそうです。サント・キテリーの伝説は、ウィキペディアによると、「トゥールーズの王の娘だったキテリーは、ジェルマン司教との結婚を拒否し、怒った父に首を切られました。彼女は落ちた首を拾って土の上に置き、そこから湧きでた泉で自分の首を洗い、現在サント・キテリー教会のあるところに置きました。この泉の水は、頭痛を治し、怒りをも沈めると言われている」のだそうです。

ほー、ここはそんな言い伝えのある地方なんだ、と感心していると、ゴーという爆音が。見上げれば軍事訓練の飛行機が飛んでいる。

よーく見ると、真ん中に大きい飛行機がいて、その横にコバンザメのように2機の小型がいる。写真では小さく見えますが、中央の飛行機はすっごく大きかったです。それ以外にも戦闘機らしきものが数回旋回していました。カメラが追いつけないほどのスピードだったので、写真が撮れませんでした。せっかくロマンに浸っていたのに、このやろう。

その後出発地の村、FOURCESに戻り、

ラレサングル(LARRESSINGLE)という中世のお城に行きました。11世紀に建てられたもので、要塞に囲まれた村としてはフランスで最も美しい村の一つといわれています。しかも最も小さいことでも有名。城壁に囲まれた中で人々は暮らしていたようです。

これがお城の入り口

お城の中庭。

ドアが厳ついです。

これじゃあ壁をよじ登るのは大変だ。

お城となると、井戸にまで瓦葺きの屋根がある!

今は観光名所となっていて、中世の騎士が出てくるようなアニメーションもあるようです。ジェール/GERS県、アルマニャックの産地で、ここの売店でも買えます。

11月9日 パリオペラ座の昇進試験結果

パリオペラ座の昇進試験が行われました。空きのあるポストが、プルミエール・ダンスーズ女性一人、スジェが女性三人男性一人、コリフェが女性四人に男性二人という狭き門。結果は、プルミエール・ダンスーズにアリス・ルナヴァンド、スジェにシルヴィア・サンマルタン、ルーシー・クレモン、カロリン・ロベール、男性がピエール・アーテュー・ラヴォー、コリフェの女性がマリーヌ・ガニオ、ジュリエット・イレール、リディ・ヴァレイエス、レティジア・ガロニー、男性がフランソワ・アリュ、マキシム・トマでした。
プルミエール・ダンスーズに昇進したアリス・ルナヴァンドは、イリ・キリアンのかぐや姫の主役を踊るなど、ぐんぐんと実力をつけているダンサーですので、これは当然と言えるでしょう。2012年1月1日より昇級です。

11月13日 カオーのワインカーブ

有名ワインもいいけれど、いかに安くておいしいワインを見つけるかがフランス人の腕の見せ所。車で通りかかったカオーのワイン畑。カオーのワインは初挑戦。CAUSEというドメーヌを訪れてみました。見知らぬワインカーブに入るのには勇気がいりますが、気さくなご夫人が説明してくれました。

これがワインの貯蔵庫。

このブドウ畑で取れたワインを買いました。少し高めだったけれど、ワインコンクールで賞を取っていたし、味見もしてばっちり。このような小さなドメーヌはスーパーマーケットでお目にかかることはほとんどないので、私はホクホク。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
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