フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
やっぱりパリが好き12月
今月の話題は何といってもクリスマスと俳優のジェラール・ドパルデューがロシア人になっちゃった事でしょう。
高収入者には75%の所得税をかけると言うオランド大統領の政策に反対して、フランスとの国境からたった1キロ離れたベルギーの田舎の村に引っ越しました。これがマスコミに騒がれ、続々と国籍を取得しようとするフランス人の対応にベルギー政府も尻込み。そんな折にロシア政府が手招きを始めました。
パリ郊外の高級住宅街サンジェルマン・アン・レイに豪邸を持ち、フランス国内にいくつかのお城とワイン畑を持つ大富豪の税金逃れの引っ越しに、話題は持ち切り。 フランスは映画に力を注ぎ、そのおかげで有名になり、サルコジ大統領時代の金持ち優遇税制の恩恵に甘んじ、いざ税金が上がるとなるとお引っ越し〜とは!一方、パリマッチ誌には「大好きなフランスを去らなくてはならないのは大変につらい。これは苦渋の決断だった」を見出しに特集記事。自分の能力で稼いだ金に高額の税金をかける政府は泥棒だと言わんばかり。この騒ぎの最中に手を挙げたのがプーチン大統領。ロシアでは税率が一律13%ということは、これからもさらにお金を溜め込むのでしょうね。一部ではフランスの俳優のギャラが高すぎるという評価もありますが。。。
2003年の芸術関係受給者の失業保険制度変更に反対したデモの一団が、ドパルデュー家を占領した時の彼の高慢な態度が思い起こされました。確かに素晴らしい役者ではあるけれど、こういうメンタリティーを持っているとは・・・。がっかりしました。
(追記:2013年1月5日にドパルデューはロシア国籍を取得しました。ロシアとフランス間では二重国籍を認めないという条約のために、フランス国籍を返還してロシア人となりました。ちなみにフランス国籍を再取得するには、書類申請してから18ヶ月の後に55ユーロを払えば再取得できるそうです。という事は、政権が代わって富裕税がなくなったらフランスに戻ってくるのかしら?オランド大統領の富裕税75%というのは、成立しない可能性が出てきたようですけど・・・。彼は「ロシアは偉大なるデモクラシーの国だ!」と喜びの声を上げているそうですが、後悔しない事を祈ります。)
オランド政府の高所得者への課税制度で、高級ブランド会社LVMHの社長のベルナール・アルノーもベルギー国籍を申請。金持ちでいるためにはケチでなくてはならないと言った人がいるけれど、そんなにお金を持っているのに、税金を払いたくないから他の国の国籍取得ですか?ちなみにこの方、フランス一番の金持ち、世界でも9番目だそうです。金の魅力は何ものにも変えられないですかねえ・・・。2011年はベルギーへの国籍申請者が60人ほどだったのが、2012年は倍の120人だそうです。税金逃れの引っ越しと国籍取得。貧乏人には関係ない話ですが・・・
パリのイルミネーションはやっぱり素敵!
ノエルのイルミネーション特集です。
*プランタン・オスマンデパート
ハデ〜、でもポップでかわいい〜。今年はディオール
では、名物のウインドーを!
ウインドーだけではありません。ちょっと見上げれば天井もきれい!あ、飾りがついてる、と思って近づいたら手から離れてしまった風船でした。
下を見ればアートが。上も下も横も見なくてはなりませんね。
その中間では怪しい屋台がわさわさ。
*ギャラリーラファイエット
ギャラリーラファイエットの照明が変わりましたね。
ショーウインドーはルイ・ヴィトン。
お顔はレトロしてる
ヴィトンの鞄を支えるのはカエル。
デパート内部の巨大なクリスマスツリーは、スワロフスキー
プランタンデパートの前にあるベネトンもがんばってます。
*BHV
建物にリボンがついてるぅ〜、BHVをそのままプレゼントしてくれると嬉しいんだけど。
ギャラリーラファイエットの傘下になってから、ウインドーが楽しくなりました。
*シャンゼリゼ大通り
クリスマス前なのにすでに謹賀新年になってた銀行のイルミネーション
来年は銀行にとってぼろ儲けの年でありますように、という下心が見えるのは私だけでしょうか・・・
それにしてもキンキラキンのオブジェです。金、金、金!!!!!
ルイ・ヴィトン
フーケッツ
トヨタもがんばる
ラ・デュレは青かった
ルノーは赤い
ほこり一つない展示車。営業時間内に堂々と掃除のおばさん登場。
歩行者を引きつけるルノーの高級車。背もたれはみなぎる熱いマグマのような情熱をイメージさせる赤いライトが光ります。私にはスパイダーマンの衣装にも見えましたが・・・。運転席と助手席の間には小型テーブルが。リビング感覚で運転できるという事なのか、家賃が払えなくてアパートを追い出されても、この車さえあれば自宅気分で過ごせるという事なのか・・・不況に強い車???
シャンパン色に輝くモンテーニュ通り
あら、この前は暇そうにしていたサンタさん、クリスマス前となると大忙しですね。
サンタと一緒に写真を撮ろう!は15ユーロ!!
*パリ市庁舎前
街のあちこちがノエルのイルミネーションで飾られています。
ライオンの口から光の噴水。
昼間はちょっと情けないです・・・
町には巨大なクリスマスツリーが。
お店のウインドーもクリスマス一色
サーカス小屋、手がこんでますね。
光の道も素敵だなあ
*クレルモン・フェランのクリスマス市
不況のせいかお店の数が去年より少ないような気がする。今年はいつもの陶器屋さんがいなかった・・・
クリスマスマーケットに来たら、飲まなくちゃいけないのがホットワイン。そしてここオーヴェルニュ地方の名物料理アリゴも一緒に。
アリゴはジャガイモとチーズだけなのでソーセージも付けましたが、緑の野菜が全くありませんね。本物のアリゴはチーズがびろ〜んと伸びて糸を引くそうですが、この屋台は粉末に水を加えたインスタント製品なので糸が引かないのです・・・商業目的の屋台で本物を求めてはいけないという事ですかね。雰囲気、そう雰囲気を楽しもう!ですね。。。
*窓を飾る家もあってきれい。
パリ市内では窓の単位ですが
これが地方に行くと窓どころか家単位のイルミネーションになるので驚きです。
ここのお宅には小さなお子さんがいらっしゃるのでしょう。
家の壁には雪だるまさん。
庭は道路から目隠ししてあったのですが、それを通して見える光り輝くそりを引くトナカイ!
電気代がかさむなどとケチな事を言っていられません。もう庭中飾っちゃいますし、朝までチカチカさせちゃいます。これも原発のおかげなのかもしれませんけど・・・
クリスマス前ともなると花屋さんの前はツリーでいっぱい。
我が家もクリスマスツリーを出しました。毎年同じのプラスティックのツリーだけれど、ちかちか光ってくれるとやっぱり嬉しい!
そして郵便受けに入る広告もノエル一色。プレゼントだ、シャンペンだ、フォアグラだ、とにぎやかです。2本目のシャンペンは無料という売り出し文句につい釣られてしまう・・・
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。