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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。
富士山の代わりにモンブランの写真でございます。今年もよろしくお願いいたします。

眼下に見えるは、エックス・レ・バンの街とブルジェ湖。バンと名前のつくところはたいていが温泉地。水着を持ってくればよかった~
(注)こちらの温泉は日本の銭湯感覚で気軽に行けないのが難。療養目的の温泉もあるので医者の処方箋がないと入れないところもある。最近はスパ感覚の温泉も増えて行きやすくなったけれど、問題は温度。温水プールより少し暖かいくらいの水温で、27度から高くても35度くらいだから、泳いでいないと寒くなる。 しかしほとんどの人はじっとしているので一人浮いた存在になって、「変なアジア人」と見られることもある。

これは「猫の歯」と呼ばれる奇岩

山で正月を過ごすと言うのもなかなかよいですね。昨夜はスキー場でイベントがありました。

ノルディックスキーのデモンストレーション
日本では「歩くスキー」と言われてマイナーなイメージですが、こちらではマイナーながらも結構盛んです。

子供達も参加。私よりずっとうまいじゃん!ちょっとショックかも・・・

暗くてよく見えませんが、犬のソリに馬のソリ

ライトを持ったスキーヤー達が滑り降りてきたのは幻想的

冬の花火も悪くない。あっ!花火を背負ったスキーヤーが降りてきた!ジェットスキーヤーか、カチカチ山の狸か?!

楽しかったけど、さぶい~!!

早速隣のカフェに飛び込んで、ホットワイン。おいしかった~
2ユーロでこれしか入っていないという商売上手なカフェでした。

街で見かけた犬のソリ競技のポスター。へ~こんなのがあるんだ、知らなかった。

新年最初のお年玉、痛いっ!!!

きゃい~ん、1月1日から消費税が20%に!楽しいバカンスの思い出も一気に吹き飛ぶ帰り道・・・

ソルドが始まった~のにお店はガラガラ?

1月8日からソルドが始まりました。不況のせいでしょうか、オペラ界隈のお店はどこもガラガラ。

昔は戦場のようだったのに、こんな静かなソルドの初日は珍しい。これも不況+消費税の値上げのせいでしょうか。

とりあえずデパートは混んでいるけれど、それでも昔のような殺気は感じられない。
これだけ売れなきゃすぐに70%引きになるな、とソルドの終わり近くに行ってお気に入りを超格安でゲットした友人はホクホク顏。残り物には福がある~♪

例年ソルドは水曜日から始まります。なんでかな???

7月9日に引退するニコラ・ル・リッシュにインタビュー

別に私がインタビューしたわけではないんですけど、大晦日特別番組のラジオ放送でのこと。パリ・オペラ座は大晦日の31日はスペシャルバージョンを組んでいます。行ったことがないので何がスペシャルか知りませんが、昔はダンサーがいたずらして、作品に関係ない魔女が飛んだり、飛び入りがあったりと何が飛び出すかわからない楽しい舞台だったらしいのですが、今はフツーらしいです。今年の大晦日は、ガルニエ宮でアンジュラン・プレルジョカージュの「ル・パルク」、バスティーユ・オペラでは「眠れる森の美女」でした。今年引退するエトワールのニコラ・ル・リッシュは、大晦日を飾って踊るのかと思ったら、なんとオフ。で、自分の出演した「ル・パルク」ではなく、バスティーユ劇場の「眠りの森の美女」を見に行っていました。そこでラジオに生出演。
オペラ座を引退することを寂しく思うかという質問に、あっさりノン!何でも4月と11月にプロジェクトが決まっているので、その準備で忙しいらしい。特に11月はシャンゼリゼ劇場での公演なので力が入っているみたいです。アニエス・ルテステュもそうだけれど、オペラ座を引退しても踊り続けるエトワールが増えてきました。そういえば、ジョゼ・マルティネズもマニュエル・ルグリも引退後にオペラ座で踊っているのを見たことありますもの。アニエス・ルテステュも、2月に引退予定のイザベル・シアラヴォラも今年3月の日本公演には参加する予定。あ、そういえば暮れにエトワールに任命されたアリス・ルナヴァンが3月の日本公演でドンキホーテのキトリを踊るそうです。こんな豪華メンバーの公演が見られるなんてうらやましいっ!入場料は結構しますけどね・・・
もう一人インタビューされていたのが、フランスで超売れっ子のブランカ・リー。

若い頃にニューヨークでクラブを経営して話題になったり、世界を股に活躍する振付家。2013年に発表した「ロボット」がめちゃ受けです。これは「明和電気」とのコラボでもありますが、小型ロボットとダンサーのパ・ド・ドウがある楽しい作品。これはおすすめ作品です。日本公演の予定はまだ聞いていないけれど、どこかで見られるようなら是非!
http://www.blancali.com/fr/event/99/Robot

何で正月休みがないんだ~!(怒)

毎年むっとすることなんですけど、こちらは正月休みというのはなくて、1月2日から仕事なんです。もちろんクリスマスから新年にかけて休暇を取る人もいますが、日本のように全国総出で正月休みというのはありません。大晦日の食べ過ぎ飲み過ぎで疲れた胃をちょっと休めたら、2日から仕事。これは何年経っても気に食わない。これも文化の違い。キリスト教の国だから、クリスマスが一年の最大のお祭りなのだと考えれば、それはそれでいいっか。クリスマスの飾り付けが今月いっぱいまで続いて、夜の星の代わりにイルミネーションを見上げるのも悪くない。

モンテーニュ通り。遠くにエッフェル塔が見えるのがかわいい。

クリスマスの残骸

のど元過ぎれば・・・で捨てられる運命のクリスマスツリー。パリでは回収が根付いたみたいで、道路のあちこちに置かれている。

これはこのあと市が回収してリサイクルされるそうな。

でもまだまだ町にはクリスマスツリーが残ってる。

伊藤郁女さん、お疲れさま~

1月4日から17日までアベス劇場で上演された「PLEXUS」。これは、売れっ子オーレリアン・ボリーが伊藤さんのために演出した作品。目の前の舞台で起こっている事なのに、重力がなくなったみたいな演出で、驚きの連続の1時間でした。その伊藤さんをテアトル・ド・ラ・ヴィルでお見かけしました。

パリの冬を楽しむ方法

恒例のパリ市庁舎前のスケート場は入場無料、靴のレンタルは5ユーロ。開設以来値上げしていないのが嬉しい。それに、3月初めまでやっているので一番人気。 今年はエッフェル塔やモンパルナスのスケートリンクはなくなってしまって、他にはシャンゼリゼとトロカデロだけだった。いずれも1月5日までと営業期間が短い。シャンゼリゼのスケート場は入場料を取るけれど、場所が良いから人気スポットになりそう。

フランス人って・・・!?△×●◇★∀♂♀♨

他人への思いやりは、ないんですかね・・・

スキー編
スキーで尻餅ついたら突き上げるような痛み。やばい・・・。いつまでも起き上がれない私を見て、夫もさすがに心配したのか手を差し出してくれたが、その手をつかむことすらできない。起こしてくれたものの、あまりの痛さに動けない。「痛い、動けない」と言っているのに、「あ、あそこはソリをするところで平らだから、ここを一周すれば治るよ、じゃあ僕は行くね」
歩けないのにどうやって滑るんだっつーの!
いつまでも動かない私に、今度は「一人でホテルまで帰れる?」歩けないのにどうやって?と思ったけれど、夫はスキーをしたくてうずうずしているのが見え見えだし、乱暴な介護はごめん被りたかったので「一人で帰る」といったら、あっさり「じゃああとでね」と言ってさっさと滑っていってしまった。自分のことしか考えてないのかね、こいつは!!ちなみに私は全治8週間の怪我。医者に行ったら、「あー、尾骶骨を打ったのね。ひびが入っていても安静以外どうすることもできないからレントゲンを撮るだけ無駄。痛み止めを処方しますね」で5分の診察で終わってしまった。そしてその痛み止めのせいで体調を崩したことを付け加えておこう・・・・・。

ノロウイルス編
この話を友人にしたら、「私も大変だったのよ~。フランス人ってケチ~!」
冬休みをストラスブールで過ごす計画で、ホテルは全額払込済。夫の両親はわざわざスペインから来ている。さて、出発の前夜。彼女(日本人)は膀胱炎とウイルス性急性胃腸炎を併発。上と下からゲーとピー。ベッドとトイレの往復で一夜を明かした。それなのに、家族の誰もが何も言わない。前日キャンセルだから払い込んだ金は一切戻ってこないし、完全にバカンスモードになっているから、たった一人の病気のために旅行を中止するなんてとんでもない!という雰囲気がぷんぷん。夫と子供と、夫の両親と姉夫婦もいるから7対1で妻の負け。で、覚悟を決めて車に乗り込んだ。ひたすら一刻も早くストラスブールのホテルにつくことだけを祈って。ところがストラスブール手前で「あ、せっかくだからコルマールに寄っていこう!」「へ???」車の中でぐったりしているのが見えないのかね?パリから見ればコルマールとストラスブールは同じ方向だけれど、結構離れてるよ!という心の叫びもむなしく、車はコルマールへ。どうにか観光を終えて一安心と思ったのは甘かった。ストラスブールに入るなり、「せっかくだから市内観光してからホテルに行こう!」「?!?」道ばたでうずくまっているのに、誰もいたわりの声さえかけてくれないんだよ・・・

頼れるのは自分だけ。こうして強くなっていくんだよね・・・と二人で納得し合ったのでありました。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。