フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
夏に向かう!
3月の最終日曜日に夏時間になって、1時間睡眠時間を減らされたけれど、これからどんどん日が長くなると思うとうれしくなる。
でもまだまだ寒くてジャンバーは必要。
花屋の店先はきれいだし、
春の到来を告げる黄水仙を売る人も。
八百屋の野菜も輝いて見えるけれど、この時期にこれだけの野菜が実るわけはなく、温室栽培か輸入物か・・・
カキもまだまだ大丈夫
おおっ、タコだ!タコ酢食べたい~
その向こうに「特売!いわし2キロで10ユーロ」と書いてあるけれど、2キロはちょっと多すぎる・・・
よく見かける鶏の丸焼き。売れ残ったらどうするのだろう・・・
肉屋もどーんと
瓶専用のリサイクル箱の前に空き瓶がずらり。丸い穴から瓶を捨てなくてはならないのに外に放置してあるということは、入りきらないのかな。それにしてもよく飲んだもんだ。これを見るとパリジャンは酒飲みだ~と思われそうだけれど、こんな光景は滅多にないですよ。多分近所で宴会が重なっただけだと思うけど。
パリでは緑と言えばゴミのシンボルカラー。ゴミ収集車も収集用のゴミ箱もみんな緑。この瓶専用のゴミ箱も緑のピーマンみたいな形だったけれど、新型はグレーのボックスになってちょっとシックになった。
引っ越しかな。フランス人、何でも自分でやっちゃいます。
フランスでは3月と10月の最終日曜日に夏時間と冬時間に切り替わるのだけれど、これが結構面倒くさくて、今年はブレストの先にある204人の島民が住むモレーヌ島では夏時間を取らない事を決定。ただし、これは島民だけで、本土からの船の時間は夏時間、とややこしい。健康保険省によると、この夏時間制度は少しでも長く太陽の日を浴びて健康を保つ事が目的なのだそう。確かに冬は日照時間が少ないもの。勤務時間と場所によっては太陽にあたることなく一日を過ごしている人もいますから・・・。
今年もEXIT!
毎年楽しみにしているクレテイユでの現代アートフェスティバルEXIT。テーマはミクロ/マクロ。
http://www.maccreteil.com/fr/mac/event/259/Exposition-Micro-Macro
最初に見たのがこの神秘的な色を放つ大きな壁。
近寄ってみたら、こんな感じ。
Bio City Map of 11 Billionといって、世界中の都市の100年後の人口の移り変わりを立体図にしたそうで、バクテリアを醗酵させたものに強い光を当てるとこの神秘的な色合いになる。
きれいな模様は花のようだけれど、これ全部バクテリア。きれいだけれど、バクテリア。東京の100年後は・・・と探したけれど、なかった。
http://www.maccreteil.com/fr/mac/work/224/Bio-City-Map-of-11-Billion
もしやして、これはフィリップ・ドゥクフレさんじゃあごぜいやせんか! 舞台で使った装置で、なつかし~、
あ~、千手観音が踊ってる~♪
http://www.maccreteil.com/fr/studio/work/210/l-hexaboite
ベニヤの机にヘッドホーン。目の前に広がるは宝石のような不思議な物体。鉱石を虫眼鏡で拡大して見ると別世界が広がるミクロ・イベント
http://www.maccreteil.com/fr/studio/work/216/micro-events
掃除機やドライヤーやらの電気製品がわんさか。自分の部屋を見ているようで親近感を持ってマイクに向かってしゃべったら、電気製品達がブービーゴーと答えてくれた。
http://www.maccreteil.com/fr/studio/work/225/das-vergerat-quel-vocabulaire
レンズのモビールかと思ったら、「このレンズで後ろの壁の細かい点を見てください」だって。一人でじっとのぞく姿は他人から見ればちょっと怖い。ミクロの世界はオタクの世界?
http://www.maccreteil.com/fr/studio/work/227/makromikro
フィギュアにプラモに漫画のキャラ。絶対日本人アーティストだと思ったら、池内啓人さんだった。
http://www.maccreteil.com/fr/studio/work/215/desk-turned-diorama
十時のマウスを動かすと光と音が出るオブジェ。本来ならもっとたくさんの音が出るらしい。毎日朝から晩までいじられて、機械はちょっと疲れ気味だったみたい。
http://www.maccreteil.com/fr/studio/work/220/solar-helix---ceremonial-chamber
バーチャルな部屋を歩くには、腕を動かせばいい。これも上と同じMSHRの作品。
これはベルリン在住の黒川良一さんの作品、あいにく係員がいなくて良くわからなかったのが残念。
http://www.maccreteil.com/fr/studio/work/218/oscillating-continuum
劇場がアートしているこの空間が好きだぁ~!
階下に見える万華鏡のようなオブジェ、これもドゥクフレだな!
万華鏡の中に自分がいる感じ。中央の軸をまわすと色が変わるのだ。
これだけたくさんの犬のおもちゃに吠えられてはかなわん。
http://www.maccreteil.com/fr/studio/work/229/monster
地下のブースではミュージシャンの録音が。
これはちょっと感動しましたね。眼鏡なしで3D体験!はまるぅ~
http://www.maccreteil.com/fr/mac/work/209/Onion-Skin
これと同時に上演されたエディヴァルド・アーネストと ハウシュカの音楽とダンスの即興的パフォーマンスは二人の駆け引きが見えて面白かったし、アレクサンダー・ホワイトレイ「The Measures taken」も照明とダンスが絡まって、照明技術の進歩に顎然。ダンサーも良かったし~、興奮の一夜だった。
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。