フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
スズランの悲しい運命
フランスもゴールデンウイーク
怨みのサントロペ
さて、私たちもどんより曇った空には飽き飽きしたので、青い海を見に地中海を目指した。行き先はコートダジュール!セレブのリゾート地サントロペを夢見て!!しかし、サントロペに着くや否やある事件に巻き込まれ、私はサントロペが嫌いになった。
サントロペ有料トイレ事件
紺碧の海を求めて~♬セレブのリゾート地サントロペへ!海沿いのカーブの多い道を車で走る。わおっ!対向車は高級車ばかり。フォードにBMWにベンツにレンジローバー、ポルシェもいる。もうみんなピッカピカ。われらがオンボロプジョーが情けなく見える。まあ、反対に車上強盗にあう可能性は限りなくゼロに近いから安全と言えば安全だけれど・・・。
サントロペに入るなり渋滞が始まった。さすが観光客の町だ。夏は車がほとんど動かないらしいから、今日の渋滞はたいした事ないと言う。ふ~む。
町の入り口付近で駐車スペースを見つけてラッキー!駐車料金を見てびえ~!1時間3.5ユーロ。路上駐車のくせにこの値段?2.5ユーロのビールが10ユーロに跳ね上がるサントロペならではだ。何でも高いサントロペ。あ、トイレに行きたい。。。当然無料の公衆トイレはないからカフェに行こうと言ったら、カフェのコーヒーは既に高いから有料トイレにしろと言うツレ。早速港の駐車場に有料トイレを見つけて一目散。あ、50サンチーム。高い・・・しかし拒んでいる場合ではない。お金を入れてドアを開けて第一声「ひえ~!」有料トイレのくせに汚い。汚物は流れているものの便器に土なのか葉っぱなのか茶色いものがこびりついてる。「50サンチームも払って汚いトイレですか?」しかしためらっている場合ではない、もう限界だ。急いで鍵を閉めたのに、ピンッといってロックが外れてしまった。げっ、この手の有料トイレは使用後に上から水がシャワーのように出て洗い流すタイプ。もし機械が一度閉まったロックが外れたと感知したら、数秒後に上から大量の水が出てくる・・・。どうすべ?そこでドアを少し開けた状態で用を足すことにした。ふ~間に合った、とほっとするのもつかの間に「マダム」という男性の声が。「?」「マダム」少し口調が強くなる。でも用を足してる最中に「はい、なんでございましょう?」と出て行く訳にはいかない。「マダム!ドアを閉めてください!!」「え~、でも~」「ドアを閉めろ!」と言って無理矢理ドアを閉めるものだから、指が挟まって「ぎゃー!」「ふざけんな、ばかやろう!」とむりやり指を押し込まれてドアを閉められてしまった。
なんで汚れたトイレに50サンチームも払い、その上怒鳴られなきゃならないんだか・・・。始まり悪けりゃで、こうなってしまったら紺碧の海もへったくれもない。何を見てもむかつく。
メインストリートは観光客でごった返し、人々の穏やかな微笑みも面白くない。
ライダーの集会があるのか町はバイクだらけ。イージーライダー達に占領されている。
狭い道を我が物顔で走るバイクの音に工事の音。あ~耳が痛い、
ヨット祭りなのかな、お揃いの服を着た人たちがにこやかに出発準備をしている。お人形さんみたいでかわいかったけれど、トイレのドアに挟まれた指がまだじんじんしていて、なんで私だけこんな目に遭わなきゃ行けないんだ!と無性に悲しい。
観光客相手に絵を売り、
雰囲気のある小道にはレストランと高級ブティックが立ち並び、これじゃあどこにでもあるただの観光地じゃん!なにがサントロペだ、ばかやろう、とわけもわからず八つ当たり。全ては有料トイレのせいだ~!!!
今初めて気がついたのだけれど、サントロペって、サン・トロペなんですね、サント・ロペではなく。聖トロペです。聖ロペかと思ってました。あはは・・・
市内にはブリジット・バルドーの銅像があるという噂を聞きいたけれど、本当でしょうか? 何しろトイレ事件を引きずっていたので、ゆったり観光する気分になれず。え?ブリジット・バルドーって誰かって?60年代に売れまくったフランスの女優で、今はサン・トロペに住んで人間より動物の方が大事みたいな剣幕で動物愛護運動をしているけれど、超人気のレペットの赤のバレリーナは、ブリジット・バルドーが映画出演の時に「町を歩けて踊れる靴を」とレペットに注文したのが始まりなのだ。
パリの劇場とフェスティバル
CNDに行ったら
先月シャイヨー劇場で見たビアリッツ・マランダン・バレエ団のシンデレラはすごく良かった。そうしたら本まで出てた!
主役のシンデレラを踊ったのは兼井美由季さん。誰に聞いても評判が良くて、日本人の私としてはすっごくうれしい。
それにしても、継母と意地悪姉妹はすごい迫力だったなあ。
今日はなんだか雰囲気がいつもと違う、と思ったらD’DAYSというデザインフェスティバルをやっていた。パリのあちこちのギャラリーやアートスペースで展示されているらしい。http://www.ddays.net/expositions
自分でも作れそうな椅子。ワークショップもしているらしいので、参加すればこんな椅子が作れるのかも。*Mazinor
エアーのかまくらみたいな家の中では、はしごも椅子もブルーで覆われていて、椅子の背中は顔にも見える。*Dutch move
ベニヤでできたシンプルな箱を組み合わせた収納やレトロっぽいライトがいいなあ。でもまずこれが置けるだけの家が欲しい・・・。オブジェは驚くほど軽くてびっくり。*Dutch move
これはCNDの天井の高さを利用したアイディアもの。普段使わないものは空中にしまう。必要なら好きな高さに引き下ろす。舞台美術に使えるなあ。*collectif dito
これは収納箱にもなる机。
現実に使うのは無理かもしれないけれど、夢があって面白い。
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。