フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
ボジョレーヌーヴォー解禁!
11月の第3木曜日はボジョレーヌーヴォーの解禁日。カフェやバーではわいわいやっていたけれど、一人で参加する勇気がなくて家に直行。
昼間に幾つかのスーパーのワインコーナーを覗いたけれど、数種類しか置いていないところが多かったのは、売れ残るのを避けるために仕入れを減らしたからかな?食品コンクールで賞を取ったというワインを見つけたけれど、500mlの小瓶のくせに上げ底で大きく見せてたのが気に入らなくて、普通大きさの750ml入りの2種類を買ってみた。味はまあまあ。若いワインだからこんなものかな。ボジョレーヌーヴォーも高くなって、昔は5ユーロ以下で買えたのに、今年は7ユーロは軽くしてた。まあ、日本で買うより安いけれど、この値段出したら別の地方のもっとおいしいワインが買えるんだけどなぁ…ってことは言わずに、お祭りなのだからこれでいいのだ。でもやっぱり、ボジョレーヌーヴォーを楽しむには、カフェバーをはしごして、味比べをしながらうんちくを言い合うのが楽しいな。
秋の味覚
秋といえばジビエの季節。ジビエって何って?野生の動物のことで、秋になって狩猟が解禁になると街に出回るお肉のこと。イノシシ、シカ、うさぎに鳩。
市場に行ったらうさぎが丸ごとぶら下がってた・・・。ちょっとキツイかも…
もう一つの楽しみはキノコ。養殖なのか山で採ってくるのだか、今年は暖かい上に雨が多かったのでキノコが豊作。
ツレの機嫌が妙にいい。聞いたら山でキノコを見つけたと。で、これ。
この真っ黒いキノコは「死のトランペット」というキノコだけれど、食べても死なない。見てくれは悪いけれど、香りが強くて美味しかった。後日山登りした時に、これらしきを見つけて叫んだら、そっくりの毒キノコだと。素人のキノコ狩りは危険なのだ。
フランス人って・・・・・!?🔼△X⚪↑
ツレが肉を買ってきたら、フォークが2本並ぶほどの大きさ!これをガッツリ食べて、ワインがぶがぶ飲んで、超甘のデザートを食べて。だからフランス人のおじさんにお腹のぽっこり出た人が多いのかしら。
この体型になるためのガイドが新聞に載っていたけど、そう簡単になれるものではありませんよ~
傘がなくなった!と探していたら、見るも無残、こんな姿になっていた。
つまりですね、多くのフランス人は傘をたためないんです。マジで。長い傘もダメだけれど、折りたたみ傘なんてとーんでもない。「たたんでいるうちに壊れちゃうから、傘は持たないんだ」と一言。ならたたむなよ!と思わず言いたくなった。
流しに三角コーナーが欲しいと思っているフランス在住の日本人は多いと思う。こちらには三角コーナーは存在しません。じゃあ、野菜くずはどうするのかって?流しに突っ込むんです。そんなことしたら、管が詰まってしまうって?その時はその時。ポンプで無理やり押し流すか、パイプクリーナーをどっさり流し込むんです。
フランス人は洗剤が大好きで、洗剤なしでは掃除できないと思ってるみたい。一番ムッとするのはレストランで。隣のテーブルの客が帰ったら、皿を片付けると同時にクリーナーをシュッシュッ。すぐ横で人が食事しているのもおかまいなしでシュッシュッ。洗剤を振りかけられたものを食べてる気がして食欲減退。
数年前までほとんど一般に浸透していなかったラップ。最近はスーパーでも容易に見つけられるようになったけれど、ヘナヘナの薄い箱に入っているので、ラップが上手く切れない。ラップ自体も薄いので力任せに引きちぎって使っている。力任せといっても結構簡単に引きちぎれる。でも、すぐにラップ同士でくっついてしまうから、目的の食品に辿り着く頃にはグチャグチャ&ヨレヨレ。これだけ使いにくかったら普及しないのは当たり前。だから私はラップを日本で買ってくる。じゃあフランス人は何を使うかって?その答えはアルミホイル。お弁当の手作りサンドイッチは大抵ホイルで包まれている。あるいは食品保存用や冷凍庫用のビニール袋。冷蔵庫にしまうときには、そのままホイッ、鍋ごとホイッ、皿ごとホイッ、蓋もしないでホイッ。ラップをかけないから、翌日は表面がカサカサになっている…。ふぅ~。
トイレットペーパーもキッチンペーパーも、日本とは逆の方向に入れるのが一般的。つまり、紙が手前から出てくるのではなくて、壁側から出てくる。なんでだろう?
警察の車。POLICEの文字が裏文字になってる。ガス屋も同じ。なんでだろう?噂によると、注文時の間違いだとか・・・
昔の機械ってよくできてる!
11月は毎年1日と11日が祝日。1日が万聖節で11日が第一次世界大戦の休戦記念日と祝日が続くので、この辺りに田舎へバカンス。そこで催されたとうもろこし祭り。私は勝手にトウモロコシ祭りと言っているのだけれど、フランス語ではFête de despanouille。 Despanouilleという言葉は辞書にはない地方の言葉なので、訳せないのです。
つまり、トウモロコシを収穫して乾燥させたものの皮を剥いで、
それを昔ながらの機械で実を取るお祭りで、収穫祭みたいなものです。
トウモロコシの実が機関銃のように飛び出してくるのには驚いた。
これが私のお気に入りで、突っ込んだトウモロコシが、きれいにむけて、芯だけが上に上がってくる。動画では子供が力任せにやっているのでよく見えませんが、とても楽にトウモロコシの実が取れました。昔の機械には優れものがあるのだなあと感心。
ちなみにこのトウモロコシは、家畜の餌になるらしい。
フランスの田舎はのんびりしていて好きだけれど、
振り向くと原子力発電所の煙がもうもうと立っていて、ゾッとする。
タテガミの白い馬。かっこいい!
走る姿も勇ましい♥
惚れ惚れして見ていたら、気持ちが通じたのか、走るのをやめて振り返った!しかし、ちらりと私を見て、ふんってな感じで行ってしまった。馬に馬鹿にされたんか、私?
パリあれこれ
日本ほどではないけれど、パリのメトロにもラッシュはある。特にすごいのがスタッド・ド・フランスで試合がある日の13番線。もともとラッシュ時には超混雑する線なのに、さらに試合があるともう大変。2~3分ごとにメトロは来るけれど、どれも超満員。日本のラッシュ経験者には懐かしい。ただ、日本と違うのは、みんな明るいこと。この混雑を茶化す人がいて、あちこちからジョークが飛んで笑いが起こる。日本の無言の車内とは大違い。
と、閉まりかけたドアから叫びながら人が飛び出してきた。女性が髪を引っ張られてホームに叩きつけられ、カバンから物が散乱し、今度はその女性が立ち上がって男性につかみかかっている。乱闘にも驚いたが、周りにいた乗客の反応にも驚いた。何人もの人が仲介に入るのだ。
言いがかりをつけられても怖いので、カメラのシャッターを押したのは少し一段落してからなのでわかりにくいけれど、女性一人と男性二人の喧嘩だった。痴話喧嘩なのか、スリなのか、痴漢なのかわからないけれど、突然の乱闘にびっくり。
けんか仲裁に入る人、散乱した荷物を拾う人、万が一のために少しでも多くの目撃者を作るためなのか、ドアを閉めようとした運転士に注意を促す人、駅員に連絡する人。それぞれがとっさの判断で役割を果たしている。見事な連携プレー。
トロカデロ広場はいつも観光客で賑わっているけれど、物売りも多数出没して風呂敷に小物を広げて売っている。なぜ風呂敷かって?お巡りさんが来たらすぐに逃げられるように、です。
パリのCND国立ダンスセンターに行ったら、こんなアートがゴロンとしていた。スタジオと反対側のスペースに飾ってあったので、危うく見逃すところだった。ここも地味にアートが展示してあるので、館内をサクッと散歩してみるのが良いかも。
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。