D×D

舞台撮影・映像制作を手がける株式会社ビデオが運営するダンス専門サイト

 

ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

map1-2

がんばれニッポン!

今月の話題は何と言ってもラグビーW杯でしょう。

まさかの日本の勝利!あの強豪南アフリカを破ると誰が予想したでしょうか。以前は一人をタックルするのに、日本人は3人でかからないと捕まえられないと言われていたのに、一体いつからこんなに強くなったのかしら。もちろんフランスでも大きな話題となって世間を騒がせていました。

「日出ずる国、日本が目を覚ました」の見出し。五郎丸さんはスターですね。

シルビー・ギエムのファイナルツアーパリ公演

素晴らしい踊りと、拍手が完全に止むまで、何度もカーテンコールに応えたギエムにさらに感動。舞台で踊ることが本当に好きなんだなと思った。

公演当日のシャンゼリゼ劇場

一番前の席を予約したのに、行ってみたら前にもう一列あった・・・。後から付け足したんだろうなあ。悔しい・・・

ショック!ラララ・ヒューマンステップスが活動停止!

ラララ・ヒューマンステップスの創設者エドワード・ロックが今年6月をもって活動を停止したというニュースが9月30日になって入ってきた。1980年代にMTVで見たルイーズ・ルカヴァリエの衝撃的なソロが忘れられない。トウシューズを履き、金髪のソバージュを振り乱してものすごい勢いで飛んで回る姿に、世界にはこんなすごいダンスがあるのかと画面に釘付けになった。彩の国さいたま芸術劇場でレジデンスをしたし、パリ・オペラ座にも新作を提供して、多くの観客を魅了し続けたロックの引退。ちょっとショックかも。
http://www.lalalahumansteps.org

韓国パワーがエフェル塔に!

2015~16年はフランスにおける韓国年。多くのイベントが来年6月まで続く。ダンス専門の国立シャイヨー劇場のシーズン開幕は韓国の国楽(クガク/フランスではGUGAKと表示)で、多くの劇場が韓国特集を組んでいるのに感心していたら、もっとすごいことが起こってしまった。エッフェル塔が韓国とコラボした。韓国パワーはすごい!
これはシャイヨー宮で行われた開幕パーティー時に撮影したもの。全部見たい方はこちらへどうぞ。
http://www.dailymotion.com/video/x37ezxw

リーズナブルな料金で旅をする方法

旅行はしたいが、できることなら少しでも安く、でも質の良いものを!とは誰もが思うこと。日本のガイドブックに載っていない街に辿り着いたらどうしよう。こんな時に役立つのがこのマーク。

ミシュランガイドは有名だけれど、ちょっとお高くとまっているから好きじゃないというフランス人は結構いて、一番人気はルータールガイド(Le Routard)。フランス語だし、写真はほとんどなくて文字ばかりなので外国人には辛いものがあるけれど、これはなかなか信用のおけるガイドブックで、毎年内容を更新している。読めないものを買う必要はないわけだけれど、便利なのは、そこで紹介されたホテルやレストランはルータールのマークを店頭に貼れること。だから街を歩きながらこのマークを見つけたら、早速店頭に貼ってある料金表をチェックするべし。バックパッカー向けのガイドブックと思われがちだけれど、格安から高級まで紹介しているので、あとはお財布との相談ということになる。世界のほとんどの国を網羅しているので、どの国に行ってもこのマークは見つかるはず。これはイタリアで見つけてパシャリ。毎年連続してお墨付きをもらっているということは、安心して入れるレストランなのだと思う。そして、ここに行けばフランス人に会えるということにもなる。日本版ではどんなお店が紹介されているのかな。興味津々。

歴史をタダで楽しむ週末

毎年9月中旬の週末は歴史的建造物の日。今年は19と20日。晴れて気持ちの良い日だったので、人がわさわさ出てました。大統領官邸のエリゼ宮などの人気の高いところは長蛇の列なので避けて、並ばずに入れるマイナーなところを狙って、下水道博物館。「臭い」という感想がほとんどなので、まあ、普通の観光客はいかないところです。
アルママルソー駅を出て、セーヌ川の橋を渡る手前、

アメリカの自由の女神が持っている松明の炎の像、今ではダイアナ妃慰霊モニュメントになっていて、写真を撮ったり花を供える人が絶えない。

橋を渡ると、ありました、パリ下水道博物館、

待ち時間ゼロで入れるのがいい。しかし、地下に降りるに従って、湿気と流れのない空気の中に入っていくことを体感する。もわ~

天井を走る太い管が水道管かな。

街で見かけるゴミ袋が設置されている。観光客用なのか、従業員用なのか。普通の博物館では見かけないものがあるのが妙に新鮮。

パネル表示で水の再生方法とか、きれいな水の利点とか、水に関する説明がずらり。これをきっちり子供に説明しているお母さんがいて感心したし、多くの人たちが時間をかけて読んでいる。

構内にも通りの名前があるとは知らなかった。どの通路も似たような感じだから、迷子になるのかも。ゴミ袋もあるし、通り名のパネルもあるし、地下も地上と同じなのね、などと思いながら進んでいったら、きましたきました、臭いが濃厚になってきた。

淀んだ水がゆったりと流れております。スカーフしてきてよかった。これがマスク代わり。

ガロ・ロマン時代から現代に至るまでのパリの歴史と様子が写真と文章で 説明されている。昔はシテ島が中心だったからね。美術館とは違う視点からの説明で、当時の生活がわかる解説に興味があったけれど、あまりの臭さに思考能力停止状態。パリの臭さには慣れていたつもりだったけれど、耐えられない臭さというのを久々に味わった。

なんで臭い水が流れる上にこれを展示するんだ~!

しかし、展示はさらに続き、今度は道具類の展示。

横を見れば、どでかい水道管がにょっきり

下水道管理に必要な道具もある。展示はいいけれど、そろそろ限界…

キャイ~ン、とどめはこれ、ゴミとともに流れる汚水。もう吐きそう‥とは言ってられない、これが私たちが毎日無意識に流している水の成れの果てなのだ。汚水を流し、道に捨てたゴミがこうしてどんどん流れてくるのかと思ったら、この臭さは自業自得。いや、日本だったらもう少しマシかも。

クラクラしながら進めば、そこはいきなりオアシス!
一枚壁をはさんだだけで、こんなにも違うものか!匂いも音もなく、カラフルで綺麗に飾られたグッズ。そう、ここはお土産売り場なのだ。パリ水道局の水差しが気になったけれど、10ユーロはちょっと高いかな‥
パリの水は安全だけれど、問題は建物の水道管。水道管が古かったり、鉛菅だと体に悪いのは世界共通。宿泊所では水をしばらく流した後に味見してみることを勧めます。

ぐったりした気分を変えるべく、イヴ・サンローランへと向かった。人気の場所は、長蛇の列。

列の最後尾に並んだ途端、スーツをシャキッときた美男子がささっときて、「今からだと45分待ちになりますがよろしいでしょうか」ときた。はいはい、ボーギャルソン(美男子の意)にこんなに丁寧に案内してくれるのならいくらでも待ちまっせ~と心で叫び、「ウイ、パ・ド・プロブレム」と微笑む私。こんな扱いされたのは久々だ。さすがにきっちり教育されている。

入り口のセキュリティーのおじさんたちは、黒のスーツに黄色のネクタイ。おっしゃれ~。でもちょっとマフィアっぽかったし、ペラペラおしゃべりしていたのにはがっかり。
内部は撮影禁止なので紹介できないけれど、すべての部屋の入り口のドアがしっくりしたダークブラウンの革張りなのには驚いた。革張りのドアというのを初めて見た。サンローランの仕事部屋はほぼ当時のまま。映画のシーンが蘇る。彼は奥の大きな鏡を通してしか部屋に入って来た来客を見なかったとか。直接見ると一部しか見えないけれど、鏡を通すと空間が広がるからなのだと。サンローランは空間意識を大切にしていた芸術家だったのだ。

車の排気ガスを吸いながらの演奏、ご苦労様でした。

凱旋門の上を見れば、豆粒のような人たちが、

おーっと、下を見れば馬の糞。いろんなものがあって楽しいパリ。

最近はやりの自転車タクシー。

高級車の貸し出しもありますよ~

ここにも列が!歴史的建造物?いやいや、これはルイ・ヴィトンのお買い物が目的の人たち。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
map1-2