D×D

舞台撮影・映像制作を手がける株式会社ビデオが運営するダンス専門サイト

 

ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

セレブの国、モナコ公国モンテカルロバレエ団で踊る小池ミモザさんと加藤三希央さん

セレブの国モナコで年を明ける!そして大好きなジャン=クリストフ・マイヨーの作品を現地で見る!しかも憧れの小池ミモザさんと、若手ホープの加藤三希央さんに会える!ワクワクのモナコ行きでしたが、挫折もいろいろ。。

バレエ団は誕生30周年を記念しての年末年始公演「くるみ割り人形-カンパニー」。この作品にはバレエ団とジャン=クリストフ・マイヨーの歴史がちりばめられていて、あ~これは「ラ・ベル」、これは「ロミオとジュリエット」、「ル・ラック」だ~とマイヨーの作品が走馬灯のように流れるから、ファンとしては楽しい、懐かしい。「ル・ラック」では、息子かわいさあまりのバカママ王女ぶりに大いに笑わせてもらって以来、小池ミモザさんの踊りは見逃せない。この作品でも七変化してくれたし、いつも通りのダイナミックな踊りに惚れ惚れ~!

最後は大砲から紙吹雪の嵐が飛び出して、リドのレビュー顔負けの盛り上がり。始まり良ければ終わりよし!今年は良い年になりそうだ。

というわけで、素敵な新年を迎えたのだけれど、ここに行くまでが大変だった。まあ、早い話が自分の身分を身にしみて感じた滞在だったということになります、はい。
人間みなコスモポリタン、みな平等、それに夢は誰でも持てるわけだから、年末年始を世界の金持ちが集まるモナコで過ごしてみるのも悪くない。せっかくなら1週間滞在しよう、と軽く言ってみたものの、安宿探しのエキスパートのツレが固まっている。マズイ。モナコ国内の物価は桁が違うのであっさり諦め、フランス側に自炊可能な宿を見つけるも、年末年始は通常の倍!ぼったくり丸出しじゃんと、大家に値段交渉したけれど、あっさり「ノン」。嫌なら他を探せとさ。それにしても道を一本隔てただけで、これだけ値段が違うものか・・・。大晦日のディナーは、最低で300ユーロ。ふざけんな!と言いたいが、セレブにとっては紙切れみたいな金額なのだろうなあ。
セレブに対抗できる服がないことに気がついて、さらなる挫折感を感じながらも、払い込んだ宿泊代が惜しいから、近くのスーパーで食料を買い込んで、いざ出発!

モナコは近代建築のビルが立ち並ぶ街。土地が狭いから上に伸びるしかないというのは日本と同じか。赤と白の旗がモナコの国旗で、手前の青い旗はグレース王妃劇場の旗。気がつけば、今私は劇場の屋根にあたる歩道にいる。つまり、岩盤を掘って建物を建設しているのだ。モナコ駅の駐車場はなんと地下14階まである。エレベーターに乗ったら下に降りるボタンしかない。上りはないのだ。地震国日本出身者としては、驚き桃の木山椒の木だった。

あちこちにプランセス・グレースの文字。やっぱり行かなくちゃいけませんね、と、グレース王妃が眠る聖ニコラス大聖堂へ。
これがお墓。観光客がわんさか押し寄せていて、これじゃあ静かに眠れないだろうに。

極楽鳥花が公園でフツーに咲き、街路樹がオレンジの木、さすがセレブの国だ。それにしても美味しそうなオレンジだこと!一つ失敬したかったけれど、公共物破損で捕まるのも嫌だから眺めるだけ。熟して落ちたらどうするのだろう。

安全な国=監視がきっちり。公園内は犬をつないで散歩しましょう、ゴミはゴミ箱に捨てましょう。そして禁止事項がずらり。

惚れ惚れするほど美しい高級船が並び、道路では展示会場でしか見たこともないような車が平気で走っている。さすがだ。

モナコのポストは赤かった。
ちなみに隣のフランスは黄色。

モナコは坂の国でもあったのだ。いや、モナコ国内ならさほど坂はない。フランス側の我が宿に戻るには、この階段を上りきらなくてはならない。あ~ここでまたセレブとの格差を嫌という程思い知らされる。金をケチれば体力で補うしかない。ダンスで体を鍛えておいてよかった。あ、エレベーター発見。しかも無料!助かるぅ。

モナコ公国に隣接するのが、フランスのボーソレイユという町。ボーソレイユ(Beausoleil)、美しい太陽という意味が、風景と懐に優しい。でも、坂を登らなくてはならない(汗)。

モナコとフランスに国境の壁はないけれど、歩道の敷石や植木の柵が太陽マークになったらフランス側に入ったということ。わかりやすい。身分の違いを暗に感じていたからか、太陽マークの敷石を踏んだとたんにホッとする私。太陽マーク、大好き!

谷間のシャペルが可愛いけれど、肩身が狭そう。

モナコbyナイト

かの有名なカジノ前の広場。電気代などお構いなし~!の煌々たる広場。さすがだ。

今年はモナコにおけるロシア年だそうで、光り輝くマトリョーシカ人形がドーンと。

広場近くの観光局は、ミュージックホールかと勘違いするほど光っていたけれど、少し離れるとイルミネーションは結構地味。

カジノ前にあるデラックス・ショッピングモール。高級店しか入っていない。

シャネルのウインドウ。パリとは全然違う。モナコのセレブはこんな格好でパーティーに出かけるのかしら。さすがだ…。

写真中央少し上の赤く光る窓があるのが王宮。王宮はモナコの港を見下ろす高台にあるのだ。今夜は晩餐会かな。セレブがいっぱい来ているのだろうなあ、などと思っていたら、年末のカウントダウンが終わるやいなや、ドドーンと花火!

これがモナコの年明け花火大会!セレブは自家用船でプライベートパーティしながら汽笛を鳴らす。

花火の後のカジノ前はものすごい人。まあ、ここにしか人が集まっていないのだけれど。コニャック一杯17ユーロに思わず後ずさり。

カジノの中もマトリョーシカ人形がずらり。

内部の装飾も豪華。タダで入れるのはここまで。貧乏旅行は辛いのう。

王宮は冬季閉鎖で閑散としていたけれど、博物館や美術館はほぼ年中無休。クリスマスも元旦も開いている。モナコ人は働き者なのだ。

元旦に入ったモナコの水族館。水槽の中にもクレッシュが。魚たちもキリスト教徒なのかしら。

パリ、あれこれ

カロリン・カールソンの新作「SEEDS(retour à la terre)/シーズ 」に出演の小坂谷知夏さんとイスマエラさん。アニメとダンスが上手くコラボしていて子供から大人まで他の秘める作品。小坂谷さんはダンスが上手いし、イスマエラさんはヒップホップと舞踏という対極を見事に演じていたし、もう一人の出演者アレクシスはマンガチックな容姿でコミカルに演技して、とっても素敵な1時間を過ごしました。6月のJUNE EVENTSでも再演されるので、ぜひ!

マッツ・エックの引退公演のポスター。もうエックの作品は見られなくなる…。

パリのフリーペーパー・ニュースダイジェストでもギエム特集

オータケさんだけれど、日本人ではない。フランスの漫才コンビ。

地下鉄オテル・ド・ヴィル(パリ市庁舎駅)のホームはちょっとした美術館。フィリップ・ハルスマンの写真展。ジュ・ド・ポームで開催中。
パリの美術館の多くはノクチューンをしている。つまり、曜日によって夜9時10時まで開いていて、この時間帯は混んでいないのでオススメ。ただし、全館開いているわけではないので、要チェック。

まだ日本には店舗がないパトリック・ロジェのマドレーヌ店。

ウインドウを飾るのは、考える人の像チョコレート版。あんまり美味しそうに見えないけれど、試食したラムレーズンのチョコレートがとびきり美味しかった!でもなんで支払い後にしか食べさせてもらえないのだろう。知らなかったから他のチョコレートを買ってしまったし、店員がお高くとまっていて感じ悪かったので、修正不可能だった。

クスミティーの自動販売機。味気ないなあ。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。