フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
地震が起こっても、騙されても、粋なジョークに救われる。 健康維持、健康維持にジョギングをして、北京に負けない公害都市パリで深呼吸。目指すはパリマラソン!
え?パリにアルプス駅ってあったっけ?
フランスでは4月1日はエイプリルフールではなくて、ポワソン・ダブリル。ちょっとしたいたずらをするのが常。で、今年はパリの地下鉄会社RATPがなかなかオシャレなことをしてくれた。
http://www.ratp.fr/fr/ratp/v_149039/metro-rer-la-ratp-renomme-13-stations/
ピレネー駅に降りたら、え?ここはアルプス?
いまどき「電信」なんて古いよ~、ツイッターだよね。
アレクサンドル・デュマと言ったら三銃士でしょ。
水じゃなくて砂の城駅?
聖ジャックは帆立貝になっちゃった~
というわけで、13の駅の名前が変えられていた。始発前に駅員が変えたのかなあ。楽しいことには労力を惜しまないフランス人、いいね!
フランスでも地震!
確かにフランスでも地震は起こる。ピレネー地方にアルザス地方の山方面。ヴォルヴィックがある中央部の火山は休火山なので、いつか目をさますかも、と言われているけれど、まさか大西洋岸で地震が起こるとは想像もしなかった。4月28日の朝、震度5!結構でかい。これは火山ではなくて地盤が動いたからだそう。幸運にも大きな被害はなく、友人は棚の上のものがガタガタいうので、洗濯機の脱水が回っているのかと思ったと言っていた。震度5でそんな程度かぁ。地盤が固いのかしら。
4月14日熊本地震、4月16日熊本本震、4月17日エクアドル地震、4月28日フランス西部。あちこちで断層が動いてる・・・!
木がかわいそう
正直者は馬鹿を見る
テレビが地上波になった時もそうだった。メディアが騒いで、テレビが見られなくなると思って買い換えた人多数。私も家に帰って驚いた。テレビがない!「粗大ゴミに出しておいたわよ~」と笑顔の家族。フランスの場合、インターネット契約をしていれば、自動的に切り替わるから買い換える必要はないのだ。そうでなければアダプターを買えば済むこと。
地上波騒ぎが過ぎてホッとしていたら、今度はハイビジョン~!?またまたメディアが騒いで、今度こそ買い換えないと真っ黒な画面になってしまう。ツレもそれを信じて「テレビを買うんだ」と、お金を払って大型店との会員契約を結んだ。なんで地上波変換と同時にハイビジョンにしないんだ!と怒ってみたものの、なんか怪しい。プロバイダー各社は顧客獲得にしのぎを削っているのだから、そのくらいのサービスはするはずだと確信した私。やっぱり。切り替わる2日前になって「インターネット契約をしていればテレビを買い替える必要はありません。」という情報を初めて見つけた。
切り替わった翌日にテレビをつけたら、ちゃんと映る。ほ~らみろ。つまりこれはテレビを買わせようとするための罠だったのだ。馬鹿を見た正直者はどのくらいいたのだろう。
携帯だって、ちょっとWi-Fiを多めに使ったら「容量を増やしますか?」のお知らせ。イエスと答えたら即刻請求書が来るところだった。そういえばこの前、インターネットもうまく使えないおじいさんが、10万円近くするiPhoneを買わされていたっけ。
結構地味だったパリマラソン
昨夜の雨が嘘のような快晴の4月3日のパリマラソン。パパがんばれ~、ママ頑張れ~の即興合唱をバックに、4万3千人が参加したそうな。でも、今年は地味だったなあ。何がって、仮装。これが楽しみで見に行ったのに、際立った人は見つからなかった。応援楽団も見当たらなかったなあ。不況で財布の紐が固かったからか、テロのせいなのかしら。
私も乳母車に乗って参加したい。もちろん走る方ではなくて、乗るほうで^0^
延々と続くランナーの間を縫って道路を横切るのも一苦労。強行突破する人もいて、なかなかエキサイティング。
80歳くらいのお婆さんが、「あら~困ったわ。どうやって向こう側に渡ったらいいのかしら。もう私若くないし・・・」って、真っ赤な帽子に真っ赤なコートの素敵なおばあさん。カワイイ。
優勝はケニヤ人で1か月前のセミマラソンでも優勝した24歳のシブリアン・コトゥトさん。フルマラソンは2回目で優勝したというから、今後の新記録が期待できるかも。首位から4位までケニヤ人、5位がエチオピアで、10位までケニヤとエチオピア人ばかり。女性も1位がケニア人、2位から5位までがエチオピア人とケニア人が続く中、6位がなんと日本人! 大坪まり(旧姓小崎まり)さん40歳。すご~い
マラソンはパリだけではないですぞ。ワインの産地メドックでのマラソン大会は、超フレンチ。世界一享楽的とも言われている。今年は9月10日に41.195キロで行われるけれど、フォアグラ、ステーキ、牡蠣にワイン付きの豪華な食事も付いてくる。もちろんそれなりの物を払って参加するわけだけれど。
ホームページを見ているだけでワクワクしちゃいます。マラソン大会というより、仮装大会という感じで、お城の運河に飛び込むわ、コース休憩所の飲み物はワインと、東京マラソンとは大違い。ちなみに運営局は「アルコールの多量摂取は危険です」と言っている…
とにかくこのホームページに入って、Entrezをクリックして!
http://www.marathondumedoc.com
3か月ほど前から始まったサンマルタン運河の大掃除
パリのダンス、あれこれかれこれ
パリ市所有の劇場は、市立劇場のテアトル・ド・ラ・ヴィルだけではありません。104(ソン・キャトル)という、昔は墓石工場だった広大な建物をイベントホールに改装した場所があります。治安が良くないと言われるスタリンガール駅の次、メトロ7号線のリケ(Riquet)駅が最寄りの駅なので、躊躇する人もいるようだけれど、週末の昼間に行ったら、熱気ムンムンですよ。
劇場もあるけれど、無料の展示もあるし、
親切にも黒のボードを立ててくれて、これを鏡代わりに若者たちが元気に踊っているし
その横で大人はタンゴしてる。
屋内に入れば、ご覧の通り。
体を動かすことならなんでもオーケー。観客も適度にいるから、ちょっとしたパフォーマンス気分で踊れるのがいい。
ショップや子供スペースもあって、なかなか楽しい場所なのです。
元オペラ座のエトワール、マリー=クロード・ピエトラガラとご主人ジュリアン・ドルオーとの新作上演ポスター。メトロの通路にどどーんと広告を出している。コンサートホールとして有名なサル・プレイエルでの上演とは、今回もダンス通の劇場でないのは、なぜかしら?
オペラ座のロミオとジュリエット。エトワールのドロテ・ジルベールを相手に、堂々と踊りきったユーゴ・マルシャン。エトワール任命はいつだろう。
オペラ座からヴッパタール舞踊団に移籍して、今ではフリーとなったラファエル・ドローネイも頑張っている。物書きとコラボするのが趣旨のフェスティバル・コンコールダンスでは、しゃべりっぱなしのシルヴァン・プリュドムをかなり手厳しく仕留めていた。
盛り上がる若者の発言「 夜に立ち上がれ」
このところいい意味でも悪い意味でも毎日ニュースで流れるのが、「ニュイ・ドゥブー/夜に立ち上がれ」という動き。政治家だけに自分たちの国を任せていられないと、レプビュリック広場で若者の集会が日に日に勢いを増している。公共の広場を占領してはいけないと警察が出たことが火に油を注ぐことになった感じ。
行った日が雨の昼間とあって、盛り上がりに欠けたけれど、夜はここに数千人の人が集まるらしい。何をするのかって?黄色い垂れ幕の下の台の上からマイクで意見を述べるわけ。国民全員に最低賃金を出せば、失業者も盗人もいなくなるとか、学生連盟を国会に出席させようとか、根拠もなく、実際にはありえないことかもしれないけれど、そんなことは御構い無し、意見を発表することに意義があるのだという。今の政府じゃあ信用できないから、若者も立ち上がろう!ということらしい。
医療テントがあるのには驚いた。抜け目なくオーガナイズしていますよということらしい。
明日もここで!
警察に排除されようが、諦めない、一般市民よ、若者よ、立ち上がれ!ということのようだけれど、これに便乗した壊し屋が暴れるのは困ったもんだ。
その集会の横のモニュメントは、テロで犠牲になった人への献花が絶えず、
17人の仲間が殺された、というポスターを見ると、ぐぐっと胸が痛くなってしまう。
そんな折に発表された、バタクラン劇場に最初に突入した警官の話。
http://www.franceinfo.fr/actu/societe/article/heros-du-bataclan-le-commissaire-qui-tue-un-terroriste-temoigne-751913
最初に突入したのは、いわゆる町のおまわりさんで、現場に直行しろという指示のもとに、状況もわからないまま劇場に突入してびっくり、銃で装備したテロリストが数人、落ち着き払ってカラシニコフを客に向けている。この警官たちはテロリストに対抗するべき訓練も受けていないし、重装備もないけれど、どうにかしてこの状況を打破しなくては!その瞬間に二人の警官は、家族に「もう会えないかもしれない」と電話をして、決死の思いでテロに立ち向かったそうだ。そしてその警官は、のちのインタビューで 「僕はヒーローじゃない。ヒーローは死体に混じって死んだふりをして生き延びた人たちだ」と。
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。