フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
バカンスは続いております
フランスのサラリーマンは、通常年間30日の有給休暇がある。これに週末を加えると5週間。基本的に5週間をまとめて取るとペナルティーがあったり拒否されたりするのだけれど、色々と抜け道はあるもので、ツレは念願の5週間バカンスを取得!あっちに行きたいこっちに行きたいで計画を練るのは楽しいけれど、実はストレスたまりまくりで超疲れた。だって場所を変えるたびに荷物の入れ替えがあって、あちこちに移動しているうちにどこに何があるのか分からなくなるし、行った先でお土産を買えば荷物はどんどん増えて行くし、嫌な奴にも出会うし…。と贅沢なことを言う私。
フランス人は有給休暇の消化率は世界一で100%だそうな。そんなの当たり前で、貰えるものは貰わにゃ損!タダほど怖いものはないと言うけれど、もらっちゃえ!というのがフランス人のモットーだからね。
皮膚ガンもなんのその、夏しか楽しめないことは楽しまなくっちゃ人生意味がない。波の荒い大西洋岸は人気スポットで、芋洗状態にも見えるけれど、実はほとんどの人が波打ち際に立っている。だって波が荒くて怖いんだもの。長期滞在の人は人が帰る頃の夕方に来て、短期滞在型は朝から一気に肌を焼く。もちろん日焼け止めクリームをたっぷり塗ってね。
バイヨンヌのお祭りに行って来た
大西洋側のスペインとの国境近くのバイヨンヌで開かれるお祭り。今年は7月27日から31日までだったけれど、8月1日の朝まで盛り上がっていたから、8月分で紹介です
バスク地方最大のお祭りで、朝から朝まで大変な騒ぎ。この期間にバイヨンヌに宿を取るのは大変だから、近郊の町に宿をとって、そこから出る送迎バスで繰り出すことにした。朝からたくさんのイベントがあるけれど、夜の方が盛り上がるからと聞いて行ったら、街はアルコール漬けで
どこのカフェバーもいっぱい。
ここに来るには白地に赤の服装で来なくてはいけなかったことをすっかり忘れていた私たちは、見事に浮いている。よそ者丸出し。着ぐるみももちろん赤と白。
ニースのテロの後だったから、「超厳戒体制で」とメディア入っていたけれど、おまわりさん達もリラックスした感じで、一緒に楽しんでいる感じだった。雰囲気を壊さないことも大切かも。
それにしても臭い。道路が雨で濡れているのか、おしっこで濡れているのかわかりゃしない。ふと見れば男が珍しくおとなしく壁に向かっている。よく見たら、男性用の公衆便所だった。失礼。
こういうところで用を足してくれれば良いのだけれど、壁さえあればどこにでも立ちションをしてしまう男ばかり。女性は簡易トイレに長蛇の列。男って便利ね。
今度はルルド
キリスト教信者ではないけれど、一度は行って見たかったルルド。出会った人に誘われて、急遽行くことに。これも旅の面白さ。
勝手な想像で、ルルドはこじんまりした質素な教会だと思っていたら、とーんでもない。川が流れる広大な敷地にいくつもの建物が建つ巨大空間で、まるで観光地。
ルルドといえば奇跡の水。そうだ、これを飲んで健康になろう!と期待していたら、これ。水道の蛇口からジャー。これってただの水道水?リットル単位で持って行く人が多いし、列をなしているし、奇跡の水がそんなにたくさんあるとは思えず、ありがたみが薄れて行く…。飲むだけではなく、入浴する施設もあって、ここでは水かキーワードなのだ。
キンキラキンの教会の入り口
内装も豪華。イメージとはかなり違ったなあ。ミサには治療目的できている人がたくさんいる。
聖女ベルナデットの部屋もあるけれど、遺体はここではなくヌヴェールにある。こちらの教会は超地味
十字架の道というのがあって、小高い丘へ登る小道にキリストの歴史を語る像がある。
おお!あったあった、ルルドの泉。今ミサ中です。
ミサが終われば長蛇の列。ぜひお恵みにあやかりたい。
これがその泉。ガラスで保護されているから触れない。
それならと、岩肌を流れる泉に触って恩恵に授かる。
これだけの広大な敷地なのに、荷物検査なしで誰でも自由に入れたのには驚いた。テロを恐れぬ自由な精神か。
ここは全部見ようと思ったら一日観光になるので、時間を十分にとって行くべし。そして、クリスチャンのガイドになる人と一緒に行くのがベスト。何の説明もないから、ただ行っただけではさっぱりわからないし広すぎる。
そんなこんなで楽しくもストレスたまりまくりのバカンスは終わり、
バックミラーは全く役立たない状態で戻ってまいりました。ふ~、明日から仕事か…。
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。