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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

パリでテロ事件があってから早一年。多くの犠牲者を出したバタクラン劇場は、11月12日に再オープン。スティングのコンサートで新しい幕を開けた。フランススタジアムでも、1分間の黙祷。

久々にバタクランの前を通ってみた。今日はコンサートがないからか、定休日なのか、レストランも閉まっている。

銃撃の後を思わせるような穴が空いていた。

窓には花が

劇場の正面には事件を記録するプレートが貼られ、

向かいの公園には、追悼の碑が建てられ、犠牲者全員の名前が刻まれている。

多くの犠牲者を出したレストランも営業を再開していて、事件の痕跡は見えない。一日も早く日常を取り戻すことが、テロリストへの抵抗なのだ。

テロのせいで日本人観光客が激減した。日本の知人からは「そんな危険なところにいて大丈夫?」と言われるけれど、日本に行ったらいつ起こるのかわからない地震にビクビクしている。テロも地震も竜巻も事故も避けられないことでもあるから、開き直って今を楽しむ方がいい。その点フランス人の開き直り方はさっぱりすっきり、お見事!

イベントの多いリピュブリック広場も、今はスケートボード場。

枯葉は吹き溜まりに溜まりまくり、

レ・アールのショッピングセンターは大きな口を開け、

リヨン駅の寿司店は、商売繁盛。

山歩き

日はどんどん短くなって、朝一番にすることは電気をつけること。今7時半。9時まで暗い。

寒さは嫌いだ。寒いと縮こまってしまうから行動も鈍くなる。
そんな時に聞いた誤嚥性肺炎。なんじゃいそりゃ。年齢とともに筋力は衰えるわけで、食べ物を飲み込むのも喉の力次第。これが弱くなると気管支に微量の食べ物が流れ込んで、肺炎の原因になるのだとか。そういえば最近むせることが多くなった。筋力はあっという間に衰えるのに、鍛えるにはかなりの時間がかかる。贅肉だってあっという間に付くのに、落とすには一苦労。わりがあわないきもするけれど、これが現実。
何か対策を取らねばと、思いついたのが山歩き。山がなければとにかく歩く。メトロに乗らずに3駅歩いてみる。気持ちいいし小さな発見があって楽しいけれど、これを毎日パリでやったら、排気ガスのせいで鼻の穴も肺も真っ黒になるのは確実なので、郊外に出るのが良い。15分くらい郊外線か列車に乗れば、パリからは想像もできないようなのどかな風景が広がっている。自然が近くにあるのがフランスの魅力。
パリは日本のように地震も台風も津波もないけれど、山や森を歩いていると狩猟事故に出くわすこともあるので、大声を出しながら歩くのが無難。でも、一人でやると気が狂っているのかと思われるので要注意。
テロか自然災害か猟銃か。人生は死と隣り合わせ。だからと言って家で転んで怪我するのもバカらしい。それなら今を楽しむしかないでしょ。

職場環境によってはお天道様を見ないまま一日が終わってしまうパリの冬。朝9時まで暗く、夕方5時には街灯がついてしまう。見上げてもどんよりとした雲が低く垂れ込めていて、メランコリーになってしまうから、気分転換に地方に出て山歩き。
今年は暖冬だし、雨が少なくて晴れの日が多いから気分転換にちょうどいいよと誘ってくれた。持つべきものは地方の友。

黄色かブルーの印に沿って歩けば、手頃な散歩ができる。

田舎は公衆トイレも綺麗で助かる。パリじゃあ怖くて入れない。

紅葉も少しある。

廃屋のあたりの土が赤茶色。うむ、これは?

不気味な建物の中は何?

なんと、温泉が湧き出ていた!日本人としては入りたいけれど、温度が低くてダメ。34度だって。

しばらく行ったらこんなものが。この下からも温泉が湧き出るらしい。ここは、マシフ・サントラル。フランス中央部の火山帯なのだった。
先ほどの廃屋は、もと水工場。つまりここから湧き出る水をろ過して飲料水を作っているのだと。ガス入りの特殊な味で、生産量も少ないし、知名度も低いから、どこでも買えるわけではなくて、まだ見つけられない。

これは南西部での写真。絵はがきになりそうな風景に見とれた。

なんで?フランスって~!

冷蔵庫が壊れた。まだ6年しか経っていない。日本のネットによると冷蔵庫の寿命は10年から12年。ということはまだ半分の年数しか経っていないことになる。いくらかかるかわからないけれど、修理を頼んだ。
メーカーの名前も製品番号も電話で伝えてあるのに、翌日来た修理の人には何も伝わってなくて、「製品番号を見ますね」から始まった。
「冷凍庫から冷蔵庫に冷気を送るファンのモーターが壊れてますね。それから温度感知器もダメですね」
「だいたいいくらかかりますか」
「わかりません」
「修理にどのくらいかかりますか」
「部品の在庫があれば2日後、なければ10日から2週間ですかね」
と、この会話で60ユーロの出張費代を請求された。来て見るだけで60ユーロ!日本円にして7500円!これでまた修理に来て60ユーロ+手仕事料、それに部品代。買ったほうが安いのか、修理の方が安くつくのか現時点ではさっぱりわからず。蓋を開けてビックリ箱のフランス。ちなみにフランスの冷蔵庫の寿命は7年から10年だって。
その後なんの音沙汰もないから電話したら、「部品が見つかりません」。なんのために60ユーロ払ったのか・・・ムッカ~

フランスで日本を再発見

リヨム(Riom)というパリから列車で3時間南に下った小さな町で、日本の60年代のデザイン展をやっていた。イサム・ノグチや柳宗理の作品が懐かしい。フランス人のガイドは当時の時代背景を交えて詳しく説明してくれるし、質問にも明快に答えてくれるのには感心した。よく勉強しているのね。日本人の私よりよっぽど知っている。

この椅子が気に入った。座布団5枚~!の笑点みたいで可愛い。

実用的でない椅子もあって、夢があっていいなあ。

フランス三面記事

貧乏人は銀行口座も持てなくなる?
景気が悪い→金回りが悪い→儲からないなら取れるところから取ってしまえ、という構図はいつものことだけれど、これはちょっと頭にきた。利子のつかない銀行口座に毎月数ユーロの口座維持料がかかるというのだ。銀行商品にはいくつも種類があって、もちろん利子のつくものもあるけれど、基本として開かなくてはならないのが当座預金。日本でいう普通預金で、出し入れ自由。カードなどの支払いもここから行うけれど、この口座は利子がつかない。これを持たないと、利子がつく口座は作れないから、この当座預金が基本となる。その基本の、利子のつかない口座に毎月1~2ユーロの口座維持費がかかり始めた。たかが1ユーロといえど、1年にすれば12ユーロ。銀行によっては年40ユーロかかるところがあるらしい。たかがだけれど、されどの世界。なんで利子のつかない口座なのに、手数料を払わなくちゃいけないのかさっぱりわからない。
絶対に潰れないのが銀行と薬局だものね。

来年の大統領選に向けて熾烈な戦いが始まった
オランド大統領の人気は下がりっぱなしの中、来年4月から5月の大統領選に向けての候補者選びが始まった。右派は候補者を一人に絞って強力体制を築こうと、右派の候補者選びの選挙が実施された。一人2ユーロの参加費を払っての投票が2回行われて、元首相のフランソワ・フィヨンが単独トップで当選。サルコジ元大統領は、大統領時代の意気込みでまくしたてたものの、予備選で20.6%の3位にとどまりあっさり落選。がっくり肩を落とした後ろ姿が印象的で、これで政界を引退するらしい。

フランスのラジオでも流れた東京54年ぶりの11月の初雪
こちらはカラカラ。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。