フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
フランスは福島の悲劇を忘れない
震災7年後の福島。フランスのニュースがすごいのは、日本のメディアなどで流れている情報をそのまま流すのではなく、特派員を送って、その人が見た状況を独自の取材で報告していること。
「7年経った今でも、山や森は汚染されたまま」という見出しに、街中の汚染だけでなく、自然界への影響がどれほどに大きいかを気づかせる。
https://www.francetvinfo.fr/monde/japon/fukushima/video-fukushima-retour-a-la-vie_2641668.html
そして、そこに住んでいた人たちへのインタビュー。汚染地区に戻った最初の人、仮設住宅に引っ越した家族、学校でのいじめ、風評…。日本の文化を説明しながらの解説なので、日本を知らない人たちにもわかりやすい。
フランス、あれこれ
う~、また寒くなった。この3月の寒の戻りを「ジブレ・ドゥ・マルス」と言う。今日は3月5日。
霰も降るし、さぶ。
3月21日、また寒さがぶり返して、0度の朝。
国鉄民営化に反対して、ストが始まる。6月まで5日に2日の割合でのスト。前以てストをする日を公表しているのは、ありがたい。その日を避けて移動すればいい。だけど、パリ郊外に住んでいる人は大変だ。出勤しようにも電車の本数がかなり少ないから、超満員の電車に無理やり体を押し込んでいる。通勤で疲れ、会社で疲れ、ボロボロやん。この状態があと3ヶ月続くのかと思うと、気が遠くなる。まあ、電車が一本もないということはないだけましとしよう。
日本の国鉄が民営化されたときに、国鉄マンたちはストをしたのかなと思って聞いて見たら、なんと昔は国鉄マンにはストライキの権限がなかったのだと。そんなのフランスでは考えられない。公務員のストは結構ある。困るのが清掃局や警官と医者のスト。先生に生徒にスーパーの店員に、もう全ての人にスト権があるって感じ。ただし、ストをするとその分のお給料は引かれます…。
春山スキーじゃなくて、散歩
山の向こうはイタリアというベサンBessansに行ってきた。南アルプスに位置するのだと思う。低いところで標高1673m、到着時にすでに空気が薄くなっていることに怯えつつ、しかも3月なのに気温マイナス10度は当たり前という予備知識に、決死の覚悟で向かった。
噂通り、気温はマイナス10度、雪の温度はマイナス7度。それなのに、全く寒さを感じないどころか、日差しが強くて暖かい。太陽に近いからかな。真っ青な空に浮かび上がる切り立つ山々。この雄大な景色に一目惚れ。
一番高いところで3752m。富士山と同じくらいか。もちろん登るつもりはないし、雪山遭難するのも嫌だから、人通りの多い街やスキー場のあたりを散歩するだけ。
超有名観光地で、年間を通して観光客が訪れる場所だと聞いた。スキーをするのは有料だけれど、歩くのはタダ。しかも、とてもよく整備されているし、道幅は広いので、まず迷うことはないし、山の合間に永遠に続くような雪道を、雪を踏みしめて歩く自分の足音だけを聞きながら歩いていると、この景色を独り占めしている気分になる。サイコ~!
ダウンを着てスポーツ感覚で歩いていたら、汗をかくほど。超気持ちいい~
おお!向こうから来るのは、馬車じゃないですか。このシチュエーションにぴったりのビジュアル。いいね!
スキー場は混んでいるけれど、遊歩道にはほとんど人がいなくて、ひたすら歩いていたら、ラグラという村に着いた。標高1755m、ここに住んでいる人がいるんだ。自然に囲まれて気持ちはいいと思うけれど、毎日のお買い物、大変だろうなあと、主婦目線になる私。
このゴンドラに乗って行くと、アルペンスキー場に着く。ここは、アルペンもノルディックもできる便利なスキー場なのだ。
この地方の名産は。チーズフォンデュ。3種類のチーズを白ワインで伸ばしてルーを作って、そこに小さく切ったパンを絡めて食べる。う~ん、美味しいけれど、こればかり食べていたら太る!野菜が欲しい…
ダンスざんす
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。