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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

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パリのお散歩

待ってました~、ノエルのイリュミネーション

朝は9時まで暗く、夕方5時には日がとっぷりと暮れてしまう暗い冬。でもこうして街がネオンで輝くと、ほっくりする。
オペラ座の近く、証券取引所前のマルシェ。働くお母さんのことも考えて、夕方まで営業しているから、仕事帰りに新鮮な食材を買えるのがいい。魚に野菜に洋服まで、店舗は少ないけれどバラエティーに富んだマルシェだ。

ブラックフライデーは、ついつい財布の紐が緩んでしまう

ちょっと早いがオスマン通りのイリュミネーション

オペラ座裏のオスマン通り。デパートのノエル用のウインドウは、今年もやっぱり楽しい。

ギャラリーラファイエットのウインドウを一挙に

動かないウインドウも可愛いけれど、やっぱり動くのが楽しい~
動物やお茶目な怪物、怪獣がいっぱい!

プランタンデパートも負けてはいない

「海」「空」「バラの園」「未来」…、ブース毎に名前がついていて、おとぎの国に旅できる。

いいね!

しかし、その翌日、パリはこんなことに!
シャンゼリゼが戦争状態に!
https://www.letelegramme.fr/france/gilets-jaunes-barricades-et-gaz-lacrymogenes-le-chaos-a-paris-25-11-2018-12143022.php?cx_tag=contextual&cx_navSource=CxLireAussi&cx_artPos=0#cxrecs_s

11月24日のデモはすごかった。
シャンゼリゼで働く友人と会う約束だったのだが、昼前に電話がかかってきて「店を閉めることになったから、今日は来ない方がいい。まるで戦争だよ、ここは」 これは、政府がガソリンなどの燃料費の値段を上げたことが発端。その直前には、無料新聞に「住民税を下げますよ」「社会保険料を下げますから、会社員の皆さんは、手取りが増えて、生活が豊かになりますよ」の全面広告。緊迫財政の政府が、税収入を減らすわけがないと思っていたら、案の定、その代わりが燃料費の値上げとも考えられる。その口実が、公害を減らすために、公共交通機関を利用しましょうで、ガソリン代を値上げすれば、車に乗らなくなるだろうという考え。
すでに年金受給額や健康保険の払い戻し金額は減らされているから、生活は厳しくなっている。甘い言葉の裏には、わけがある。新聞に全面広告を出す費用を、別の形でもっと有効に使ってもらいたいものだと思う。
車を運転しないから、ガソリン代が上がっても関係ないやというのは違う。食料品は、トラックで運送されるわけだから、ガソリン代が上がればコストがかかり、物価が上がる。住民税が安くなったとしても、生活費はそれの何倍も上がるという構図を理解しなくてはならない。
郊外の大型スーパーは、ガソリンスタンドを営業しているところが多い。値段は格安。別に質の悪いガソリンを売っているわけではなく、これが一つの目玉商品。これを目当てに車でスーパーに行って、ついでにお買い物。よく見れば、商品の値段が以前より上がっているわけで、結局懐から出て行くお金は増えている。
昔はお金がなくても、なんとなく生活できたフランスだったけれど、今じゃあ昔の良き思い出。

これが翌日のシャンゼリゼ。

ちょうど。シャンゼリゼ大通りに自転車専用レーンを作る工事をしている最中だったので、工事のフェンスが壊された。清掃局の人は、予定外の掃除に大わらわ。

ガソリン代の値上げに業を煮やした市民が、車に必須携帯となった黄色いベストを着て毎週土曜日にデモをしようと立ち上がった。政府の政策に反対してデモを行うことは、市民の生活を守るためには必要だと思うけれど、そこに便乗したのが「壊し屋」。デモとなると、デモの意図とは関係なく、凶器を持って物を壊す人が現れるのだ。フランスでは、デモをする権利を認めているけれど、事前に警察の許可を得て、どこでデモ行進をするかの承認を受けなくてはならないのだけれど、警察がシャン・ド・マルスで、と指示したにも拘らず、シャンゼリゼ大通りが狙われて、この有様。
デモに便乗する「壊し屋」は、テラスにあったレストランの椅子を燃やし、ウインドウを破り、クリスマスツリーや装飾をぶっちぎって、信号機まで引っこ抜く。理由を聞いたら、「自分たちがここにいるということを示すためだ」と。呆れた。燃やさなくても、壊さなくても、そこにいることはわかっている。このような暴力を正当化してはいけない。
壊せば、税金も保険金額も上がるんだよな~、困るよな~とつぶやいていたら、首相が会見で、「壊したら、税金で賄うわけですから」と涼しい顔。

シャンゼリゼ大通りの敷石は剥がされ、これを警官に向かって投げつける凶器ともなった。

これが敷石拡大図。ふうむ、こんな構造になっていたのかと、感心しているどころではないのだ。これは、大変なことなのだ。

被害にあったのは、シャンゼリゼの店。ノエル用の飾りは壊され燃やされ、
形あるものはかたっぱしから狙われたという感じ。

ぎょえ!信号機も引っこ抜かれてこの有様

よく見れば、信号機があちこちに転がっている。一つや二つ壊されただけではなかったのだ。どうやったらひっこぬけるものなのだろうか…

ルイ・ヴィトンも狙われた

表通りは無事で、観光客は何事もなかったかのように、買い物の列を作っている

高級店は軒並みやられたみたいだ

ナイキもダメ。入口とウインドウを壊されている。多分、商品も盗まれたのだと思う。ジバンシーは、店内空っぽになったという噂。

市松模様のデザインかと思ったら、窓ガラスを割られたレストランの応急処置だった。80食分のテーブルセットが盗まれたと、テレビで言っていた。

土曜日が過ぎれば、平穏な街に戻る。

シャンゼリゼのイリュミネーションは、赤かった。

しかし、空っぽのテラス席

屋根のないカフェ。被害にあった店があちこちに。
この美しいライトの下で、暴動が起きている。楽しいはずのクリスマスと、妙に虚しく感じられる。

あ、やっぱり今年もシャンゼリゼ大通りのクリスマスマーケットはないんだ。でも、それでよかった。だって、ここも暴動に巻き込まれたら、それこそ大変なことになっていたからね。

シャンゼリゼ大通りからコンコルド広場を抜けたら、こんな建物が。大観覧車の代わりに、何かができるのかな、と思いながらテュイルリー庭園のジュ・ド・ポーム国立美術館の横を通り抜けたら!

わ!クリスマスマーケットだ!!

今年はテュイルリー庭園が会場なのだ。

お店にアトラクション、もちろんATMもトイレも完備

スケート場前では、イベントも

この水遊びは面白そうだ。

恒例の動物シリーズ

ツリーも歩く

どうやら今夜はオープニングイベントのようで、色々な人に出会える。

観覧車は、ノエル仕様

サンタ電車も走る

スリラー館のお化けも、サンタ仕様

このサンタ欲しい!15ユーロだそうです。

クリスマス=クリスマスマーケットに行ってお買い物して遊んで、25日は家族でプレゼント交換して飲んで食べる。本来のキリストの誕生を祝う日なのをすっかり忘れて、お祭りイベントになっている感じがする。

お腹が空いたら、パレ・ロワイヤル付近へ。いい匂いがするぅ

風変わりな形の食べ物に、心惹かれる。ポテトチップなのかパンなのか、容器も全部食べられるらしい。

パレ・ロワイヤル側の入り口
こんな楽しいイベントスペースも、この数日後の土曜日に、壊し屋たちが庭園の柵を壊してなだれ込み、車を燃やすという。こんな事でしかエネルギーを発散できないなんて、情けない。

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。

 
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