フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
パリのお散歩
土曜日はおちおち散歩ができない状態が続いている。ジレ・ジョーンヌ、黄色いベスト運動はまだ続いていて、壊し屋が毎週暴れている。
毎週土曜日に暴動が起きるから、平日もこの状態。防御板は付けっ放し。毎週取り付け・撤去をしていたらきりがない。
店はそうはいかない。ウインドウがあるからね。金曜日の夜か、土曜日の早朝にベニヤ板を貼り付ける。 それでもMATYは、あいにく一枚ウインドウを破られたらしい。
オペラ駅は閉鎖。
午後1時半のオペラ座前広場。警察の車が、オペラ座前広場に車が入れないように道路を封鎖。
12月15日、この日オペラ座前は、デモ隊が集結してシュプレヒコールをしただけで、大きな暴動はなかったけれど、シャンゼリゼ大通りはやばかったらしい。
高級店が並ぶラペ通りからヴァンドーム広場、デモの被害は見当たらず
カルチェは、建物自体がリボンで結ばれていて、かわいい
ヴァンドーム広場の昼と夜
ルイヴィトンのショーウインドウには、薄手の金属フェンス。以前からあったのか、デモ対策で緊急につけたのかしら。さすが金のあるところは、ベニヤ板じゃないのね。
正面はこんな感じ。夜はさぞかし美しく輝くのだろうと思って改めて行ってみたが、ライトはつかず、真っ暗だった。
男の人が見上げているところ、この大きな柵を壊してなだれ込むかねえ。
先月末に行ったテュイルリー庭園のクリスマスマーケットに、鉄の柵を壊して暴徒がなだれ込んだという映像を見て、見に行ったら、これ。修復にまたお金がかかりそう。税金よね。。。
銀行のATMの画面
どうせまた次の土曜日に壊されるのなら、直しても無駄。で、ずーっとこのまま。文句も言わず、ほとんど読めない画面を操作してお金を引き出すフランス人。結構忍耐強いというか、諦めているというか。
この時期、この状況に、これ、なんかほっとする
日本映画続々
カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いた是枝監督の「万引き家族」がやっと公開されて、見に行った。評判は上々。日本人として鼻が高い。
そして「未来のミライ」「ASAKO(寝ても覚めても)」と、日本映画の波が押し寄せている。
ちょっと小旅行
防空壕ではありません、チーズを熟成させる地下倉庫がずらり。
「カーブ(倉庫)の小道」という名前の道。
昔はこうして穴を掘って倉庫にして、ここでチーズを各家庭が熟成させていたらしい。温度・湿度調整の機械が設置されている倉庫もあって、近年まで使われていた形跡のある倉庫も。
多くは放置されているけれど、いくつかは、物置小屋になっていたり、コウモリの保護に使われていたり。
都会人には新鮮な山歩き。山歩きというか、村巡り。
誰にも出会わない小さな村。この家の庭だけは賑やかだ。ノエルの飾りなのかな、たくさんの人形が飾ってある。
しかし、門に飾られた子供の人形とぐったり倒れたサンタは薄気味悪い。夜に出会わなくてよかった。
年末は雪を見て!
少しでも安く、少しでも良い条件をゲットするには、早めの予約が必須。年越しは、雪山で!と希望するも、長期予報は暖冬。ギリギリまで待って、アルプスかピレネーなら絶対大丈夫だと信じて行ったのに、この有様。
人工雪でなんとか営業中のスキー場。オープンしているコースは少ないから、リフトは長蛇の列。そのリフトは、緑の木々の上を登っていく。落ちたら痛いだろうなあ。バックカントリーはしたくてもできないから、安全で良いのかも。いつもと違うスキー場がなんだか新鮮に見えてきた。
暖冬はありがたいが、スキー愛好者には困った冬。
例年はこんな感じらしい。去年はホテルの前に1メートルの雪が積もっていたと言うけれど、雪が降った形跡さえ見えない今年の冬。スキーは諦めて、山歩きをすることにした。
ここはスペインとの国境近くで、アンドラ公国から50キロほど東寄りのフォン・ロムーという町。
太陽光を利用して電気を作る、そんなシステムが機能している町らしい。
景色とは対照的な近代的な建物が目を引いた。
これ全部太陽光パネル。青く見えるのは、空が写っているから。
ペルピニャンから乗り継いで「黄色い電車」に乗れば、車なしでも訪れることができるので、人気が高い街だ。
こんな渓谷を走る電車の絵葉書を見て、是非乗ってみたい!
これが駅。周りには売店も何もないし、乗客もまばらなのに、清掃員が3人もきて掃除していた。
除雪車。今年の出番はなさそうだ。
100年以上の歴史を誇る「黄色い電車」は、観光電車としても有名だから、駅の観光地図は充実している。これを見て、山歩きルートを決めた。
2駅電車に乗って、3駅先の温泉まで歩いて、温泉で体を休めてから、再び3キロ歩いて最寄駅に行って、そこから電車で戻る。冬の日没は早いから、ルートは短くかつ安全に。宿から駅まで片道2km+山道9km+温泉から最寄駅まで3km+駅から宿まで2kmの合計16km!喝が入る。
道しるべがしっかりしているから、不安になっても迷うことはないし、Googleマップも使える。便利な世の中になったものだ。
疲れを癒しに温泉へ!しかし…
教訓:日本式の温泉を期待してはいけない
水着着用で、水温38度。つまり、暖かいプールという感じで、体はちっとも温まらない。外気は4度。プールから出たら更衣室までダッシュしないと寒くて震え上がる。
フランスでは、38度以上の湯に浸かることは危険とされていて、日本の温泉は43度ですよと医者に言ったら、「それは自殺行為だ」と言われた。私は38度の湯と4度の外気で風邪をひくことも危険だと思うのだけどなあ。
念願の黄色い列車に乗るぞ~!
1両だけが古い車体の観光仕様。日本と違って特別料金なしは嬉しい。単線なので、この駅で逆方向の列車と待ち合わせ。10分ほど遅れて来た列車が到着したので、すぐに出発かと持ったら、両方の列車の運転士と車掌が降りてホームでぺちゃくちゃおしゃべりが始まった。そのうちに駅員室に入ったっきり、まあ15分は出てこなかった。コーヒーでも飲んでいるのかな。いつ出発するのかと聞いたら、「ここはパリじゃないですよ。時間はあってないようなもの。仕事仲間と話もしたいしね。」と悪びれることもなく話す。日本だったらありえない光景。でも、これでいいんだよね。そんなに急いでどこに行く?だもの。
こんなに停車時間が長いのに、時刻通りに到着。つまり、休憩時間も含めて時刻表を作っているのかも。これなら、何かの理由で列車が遅れても、遅延になることは少ないということか。都会ではあり得ないことだけど、地方ならではのこと。憩うなあ。
ちなみに、夏休み中はめちゃ混むので、避けた方が良いですよとのアドバイス。人気の列車なのだ。
ほっくりしちゃって、童心に返って電車に手を振る私。
料理が自慢の民宿ラ・シュエット。駅から2キロ、ただしずっと上り坂。徒歩でしかアクセスできないが、苦労の甲斐はある宿で、二人で一部屋2食付きだと一人52ユーロ。
料理自慢の民宿の今日の夕食は、チーズフォンデュ。茹でたジャガイモと生ハムを皿に取り、小さく切ったパンを熱いチーズに浸して食べる。美味しいけれど、体に悪い。だって野菜がないからね。唯一の救いはピクルス。
感動の一品、レモンソース。
フランス料理の命はソースだと言われている。最近は、日本料理の影響なのか、素材を大事に、ソース控えめな流れになっている。ところがこの一品を食べた時、フランス料理の原点を見た。ソースが料理を引き立てるとは、このことだったのかって。鮎にかかったレモンソースが口の中でとろけて、それはそれは極上だった。素材も大切だけれど、ソースでこれだけ料理が変わるのかと、感動!
大晦日の夜はご馳走をいただくのがフランスの習慣。新年を迎えるお祭りなのだと。
この民宿でも、豪華な食事が用意されていた。いつもは7時半からの食事なのに、今夜だけ8時から。理由は7時半の花火大会があるからだ。8時に食堂に行くと、シャンペンとフォアグラ料理のブッフェ。食べ放題とは太っ腹!
いつもと違って高価なワインが置かれたテーブルに着くと、帆立貝のパンケーキ、帆立貝のソースがけの前菜。メインはミートパイのきのこ添え、そしてデザート。素晴らしかったのは、デザートを食べ終える頃がちょうど真夜中で、食事が終わるとともに新年を迎えるという、計算づくしのディナー。4時間食事をしていたことになるのに、ちっとも長いと感じさせない演出はさすがだ。その後はもちろんダンスパーティ。クラッカー鳴らして、踊って歌って。しかし、私は食べ過ぎ飲み過ぎでダウン。早々に部屋に引き上げるという情けない新年の始まりになってしまった。食い意地が張っているからこんなことになるのだと反省とともに、2019年は始まった。
山田マミの簡単フレンチ
食べきれないトマトは、ダイレクトに冷凍庫。それだけ。
「もう冬だから、赤くならないトマトは捨てる」という友人から、緑のトマトを大量にもらってきた。
青いトマトのジャムを作るという手もあったけれど、独特の味が好きではないので、キッチンに置いて赤くなるのを待った。結構早く赤くなる。もちろん夏のトマトの味には負けるし、腐りやすいけれど、されどトマト。料理には問題なく使える。
トマトソースの作り方は、ザクザクと切ったトマトを鍋に入れて弱火で煮る。水分が出てくるので、水は加えない。
ハーブドプロヴァンスに、少し唐辛子とオリーブオイルを加えて、塩胡椒。さらに煮詰めて出来上がり。どのくらいに詰めるかって?まあ適当に。ジャムみたいには固まらないので、ちょいとトロトロしてきたら、それで良いかなって感じ。
熱湯消毒した小さめのジャムの瓶に熱いうちに詰めて(瓶の口ギリギリまで入れること)、しばらく逆さまにしておいてから、陽のあたらないところで保存。私の場合、1年くらい持ちます。
しかし、これをスパゲティーに混ぜても、いまいちパンチが足りない。
そこで今年は、
トマトを洗ってヘタを取り、そのまま冷凍用のビニール袋に入れて、冷凍庫へ。使う時には、そのまま調理。時間があれば流水に当てると皮がつるりと剥けて、口触りが良くなる。トマトソースよりも簡単で美味しい。ただし、火を通すとぐちゃっとなるので、トマトの肉詰めは無理。肉団子の周りでトマトがへたっているという感じになってしまう。
トマトを育てよう!
最近のトマトはまずくなったし、目が飛び出るほど高い。4個で400円!
水と日光があれば、簡単に育つので、ぜひやってみよう!と言いながら、私は知人に育ててもらっている。
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。