フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
パリのお散歩
春めいて暖かいのは気持ちが良いけれど、雪が少なくてスキー場は早々に店じまい。スキーはせずとも、山に雪が少ないと言うことは、夏の水不足が心配になる。
パリ・ハーフマラソン
黄色いチョッキ軍団に再び襲われたシャンゼリゼ
まだ続いている土曜日の暴動。3月16日には、またシャンゼリゼ大通りがやられた。
https://francais.rt.com/france/60208-violences-16-mars-vont-elles-avoir-raison-du-mouvement-des-gilets-jaunes
黄色いチョッキ運動/ジレ・ジョーンヌの土曜日集会は、これで18週目。このところしばらくはおとなしいデモだったので、気をゆるめていたら、最悪の事態になった。新聞や雑誌を売るスタンドは完全に燃やされ、老舗のフーケッツは防護柵を厳重にしていたにも拘らず、窓ガラスを割られて店内グチャグチャ。BOSSもドアをぶち破られて、店内のものを道路に放り投げ出され、スワロフスキーはガラスの破片が散乱するだけの箱になった。銀行も火をつけられて真っ黒焦げ。凱旋門のロータリーの敷石のほとんどが剥がされて、無残なシャンゼリゼになってしまった。デモ隊を装った便乗組の壊し屋が暴れまくる一方、それを取り締まる警官のやり方に抗議して石を投げたり、襲われれば襲い返したり、機動隊の車を壊し、火をつけて、もうぐちゃぐちゃ。大統領は、バカンス中でピレネーのスキー場でにっこりして写真などを撮っていたが、慌ててパリに戻って、「国民は共和国を壊そうとしている」とのお言葉。警官も職務を全うしているだけなのに、生命の危険を感じる仕事内容に疲れ、不満が爆発。そりゃそうだ、政府の方針が悪いのに、矢面に立たされているのは警官だから。
ガソリン代を値上げすれば車を使う人が減って、環境汚染が和らぐだろうという昨年11月の安易な決定が、この結果。地方の過疎化が進んで、電車もバスも廃線になり、自家用車でしか移動できない人たちの生活がわからないらしい。都会に移りたくても、牧場経営が仕事なら、都市に移り住むことはできないからね。
シャンゼリゼが大変なことになっていた頃、オペラ座前の広場では、公害反対の集会が。
どうなることかと思ったけれど、何の混乱もなく、シュプレヒコールをあげて、歌って、終わった。
このデモは、高校生が主体となっていて、自分たちが大人になった時に、健全な生活を送れないようじゃ困る!と立ち上がったそうだ。自分の意見をしっかり持っている高校生。頼もしい。
こんな暴動のニュースばかりが流れているけれど、土曜日以外は平穏です。
メトロのボン・ヌーヴェル駅を出たら、人だかりを発見。よく見れば、グレヴァン美術館に入る人の列だった。
その横のパッサージュ。いわゆるアーケード商店街で、この界隈は庶民的。レトロな雰囲気が好きなのだ。このあたりには、こんなパッサージュがいくつかあって、冷やかしがてらに歩いていると、結構な距離を歩けちゃう。パッサージュが途切れたところで、ここはどこ?となることも。楽しく歩けるのがパリの良いところ。メトロに乗って有名ブランドを狙って速攻移動するより、小さなお店のオリジナル商品を見つける方が面白いように思うけどな。
今月のアート
オペラ大通りで、通気口の風に揺れる像。揺れるというか、吹き飛ばされないように耐えている感じもして、健気で可愛い。こういう路上アートも悪くない。
ちょっと小旅行 リヨン
リヨンに行く機会があったので、以前にゆっくり見られなかったテット・ドール公園へ。
目指すは植物園。
植物園のメインの建物の中に入った途端、湿気がモワッと来た。ここには、熱帯から亜熱帯の地域の植物が所狭しと植えられている。何本かの小道がうねうねと交差していて、ちょっとしたジャングル探検気分。
パパイヤの木だ!
手の届きそうなところに実がなっている。もぎ取りたかったけれど、犯罪になったら困るのでじっと我慢。この植物園でできた果実は誰が食べるのだろう。
隣の建物は、湿気が少なくて、からりとしていた。日本種、西洋種の椿がたくさんあって、ちょうど花の見ごろだったのはラッキー。顔の大きさもあるような大輪が咲き乱れて、それはそれは綺麗だった。
ベンチでサンドイッチを食べていたら、鴨が。
つがいで市民のランチのおこぼれをねだっている。
公園でランチして、鳩が群がるのはよくあるが、鴨にねだられたのは初めてだ。
すると今度は視界をものすごい速さで横切る小動物。見れば、リス。都会なのに動物がチョロチョロしている公園は、珍しい。
すぐそこの芝生の上にいるのは鹿。低い濠の向こうでのんびりしている。立ち入り禁止にはなっているけれど、入ろうと思えば入れるし、鹿だって逃げようと思えば逃げられる程度の防御壁。というか大きな石や石垣で囲われているだけ。
リヨンでは動物たちが市民のペットで、生活の一部になっている感じがする。
あてもなく歩いていたら、キリンじゃん!
公園内の地図を見れば、確かにZOOとある。「ゾー」とは動物園のことだ。
よく見れば、キリンに猿、そして象の絵が書いてある。目の前にキリンがいるから、あとは猿と象を見つけようと、建物に沿って歩いて行ったら、
あ、シマウマだ。まだデビュー前らしい。
猿、見ぃつけた
ゾウガメ
ライオン君は、昼寝の時間なのか、暑いからか、姿を見せてはくれなかった。
そのほかにも色々いるのよ。
テット・ドール公園は、太っ腹だ。動物園も植物園も無料だし、鴨やリスは放し飼い(もしかしたら公園の許可なく勝手に住んでいるのかもしれないが)、鹿は公園のど真ん中の広いスペースでのんびりしているし、猿は木の上で昼寝している。ライオンだって、小さな濠の向こうの島にいて、結構近くで見られる。防御壁とか網とかはさほど厳重とは思えない。今まで事故がないから、この状態なのだろうなあ。
上の写真、よーく見てね。鹿の向こうには大きな石が並んでいるでしょ、これが防護柵。その向こうのベンチには人が座っている。防護石の向こうには1メートルほどの堀が掘ってあるけれど、水は張られていない。こんなにナチュラルに動物が見られるのって、憩うなあ。
と、時間を忘れてのんびりしていたら、やばい!電車に乗り遅れる~。で、慌てて帰り道を探したのだけれど、園内には現在地を示す地図がほとんどないから、どこにいるのかさっぱりわからず、平日だったから人が少なくて道も聞けない。どでかい公園は、静かで気持ちが良いけれど、外に出るには時間がかかる。歩いても歩いても距離が縮まらない感じで、焦る~。
教訓:見知らぬ場所でのお散歩は、時間に余裕を持ちすぎるくらい持って行くべし
象が見つからなかった。どこにいるのか知っている人がいたら、教えて~
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。