フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!
マッツ・エックが戻ってきた!
4年前に引退と作品の封印を表明したマッツ・エックが、「カルメン」と新作2本をオペラ座ガルニエ宮で上演。もう2度とエックの作品は見られないと諦めていただけに、実際に見るまでは信じられなかったが、本当だった。ダンス好きはどう頑張ってもやめられないということなのかな。
期待を膨らませてガルニエ宮に入ると、あらま、金色のタイヤが。この公演のための装飾なのか、常時なのかよくわからない。
カルメン。シャッターチャンスが悪くてすみません。
前列左から、ユーゴ・マルシャン(エスカミーリョ)、アマンディーヌ・アルビッソン(カルメン)、フローリアン・マニュネ(ドン・ホセ)、ミュリエル・ズスペルギー(ホセの許嫁M)、アドリアン・クヴェ(ジタン仲間)
アマンディーヌ・アルビッソンとユーゴ・マルシャンの間のブルーのドレスは、オニール八菜。夫の死を嘆き悲しむ妻の演技が良かったです。
新作「アナザー・プレイス」を踊ったオーレリー・デュポンとステファン・ビュリオン。ダンサーとしてのデュポン健在。
エックのもう一つの新作「ボレロ」
大きなメタルのバケツに水を注ぎ続けたのが、エックの兄ニクラス・エック。白い衣装の人です。
「アナザー・プレイス」と「ボレロ」の合同カーテンコール。ニクラス・エックは、大きなバケツの中にドブンと落ちて終わったので、白いガウンに着替えての登場。
パリのお散歩
太陽ギラギラの日が続いています。でも、湿気が少ない分、東京より過ごしやすいかも。
先月シャンゼリゼ大通りの自転車専用レーンを紹介しましたが、リヴォリ通りも負けてはいない。道路の半分近くを自転車専用にしたものだから、ご覧の通りの車の渋滞。パリは自転車天国を目指すらしい。
新聞に大々的な広告があった。
渋滞を尻目に、静かなテュイルリー庭園を歩こうと思って入ったら、アトラクション遊園地になっていた。お巡りさんも巡回して、警備は万全。
この狭い場所でのアトラクションは、結構スリリングかも。
シックなカルチェには似合わない光景だけれど、これもパリ。
これもパリ。清掃局がストをやっているらしい。リサイクル用のゴミだけがなぜか取り残されていて、もう直ぐ1週間が経つ。
ちょっと小旅行
友達からの誕生日プレゼントがユルトでの一泊旅行。
農家を改造して、テント3つと、舟と電車を改造した宿泊施設、出来立てのほやほやに泊まりに行った。
選んだのは、星を見ながら寝られるテント。木の枠に張られたテントは、天井が分厚いビニールシートになっている。真ん中は開閉窓になっていて、テント内にこもった空気が流れる仕組みになっている。ふ~む、なかなかよくできている。
カーテン完備の内部は、ダブルベッドとシングルベッドありで、なかなか広く快適。手作りのジャムとヨーグルトが嬉しい朝食付き。食事は共同施設のダイニングで。 アメリカンスタイルのキッチンに、大型冷凍冷蔵庫が2台あるから、自宅感覚で自炊ができるのも嬉しい。大きなテーブル3つと、暖炉にソファ。運良く相客がいなかったので、この建物を自由に使うことができた。
夜になると街灯がないので、真っ暗闇の中を懐中電灯照らしながらトイレに行かなくてはならないのが難点だったけれど、これも田舎生活の楽しみの一つと割り切った。
熱いシャワーを浴びて、星空でも見ながら、旦那と語ろうなどと思いながらテントに戻ったら、いびきかいて爆睡してた。これじゃあわざわざこのテントを選んだ意味がないではないか!ロマンチックのかけらもない。私は一人寂しくベッドから星空を眺めておりました…
庭に点在する仏像。
共同施設の入り口にも仏像。これも今の流行りのZENですなあ…
せっかくなので、田舎を散歩。この村に商店は一軒もないが、少し離れたところにハイキングコースはある。
こんな崩れそうな民家が「フランスの田舎っぽい!」と言ってはしゃぐ私を、しら~っと見るツレ。
誰の仕業か、コースの途中にこんなオブジェが。哲学の小道みたいで、本も読めるけれど、蚊が多くてじっとしていられない。
山田マミ プロフィール
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!