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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

山田マミのやっぱり、パリが好き

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も、
山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。動画によるダンス映像の配信も見所です!

フランス3チャンネルがめちゃ面白い

フランス3チャンネルの「マーモットの映画シリーズ」が笑える。テレビはほとんど見ないので知らなかったが、随分前から放映していたらしい。
https://www.youtube.com/watch?v=-DQDQa4ONZ4
フラッシュダンスが気に入っているが、お勧めはウエストサイドストーリー。何度見ても笑ってしまう。

https://www.france.tv/france-3/marmottes-france-3/
グランブルーもある。ウエストサイドストーリーが見られなかった人は、こちらでどうぞ

https://www.france.tv/france-3/marmottes-france-3/1018611-west-side-story-les-marmottes.html
短い手足で頑張るアラセゴンド。ジョージ・チャキリスに見せたかった

セレクションしたい方はこちらでごゆっくりどうぞ。しつこいかな。
https://www.france.tv/france-3/marmottes-france-3/replay-videos/

ちょっと小旅行~バカンスぅ~

夏はやっぱり海が好き!

日焼けはシミやガンの元、と言われても、やっぱり夏は海で泳ぎたい。
今年は大西洋岸、ジロンド県のスーラック・シュール・メールに行ってきた。メドックの高級ワインの産地といえばピンとくるかしら。この県の県庁所在地はボルドーです。

白いビーチがいくつもあって、その多くは監視員付き。大西洋は潮の流れが早いので、結構危険なのだ。こののどかな風景も、数日後には大潮となって、砂浜はほとんど消えた。
異常気象のせいか、カラカラ天気で雨は降らず、バカンス族にはありがたいが、農家は大変で、野菜が高騰している。
スーラックの住民は、「スーラッケイズ」と呼ばれ、民家は独特の形をしている。

まあ、ブルジョアの街なのでしょう。

ユネスコの世界遺産に登録されているバジリック・ノートルダム・ド・ラ・ファン・デ・テール。大きくて立派に見えるけれど、14世紀の昔から砂に覆われて一部が崩れ落ちたりして見捨てられたこともある、結構悲惨な歴史を持つ教会らしい。内部に入ると、10段ほどの階段を降りて祭壇に続く、教会としては少し変わった構造をしている。

インフォメーションで散歩コースの地図(無料)をゲットして、海沿いを歩いてみた。

ここにも第二次世界大戦の残骸が残っていた。ドイツ軍が建てた要塞。

昔の技術でよくここまでと感心するほど頑丈にできている。落書きされ放題で、無残な姿。

ここが半島の先端 ポワント・ド・グラーヴ(Pointe-de-Grave)で、向かいに見えるのがロワイヤン(Royan)という街

Pointe-de-Grave近くまでフランス国鉄で行けるし、フェリーで向かいのロワイヤンからも来れる。この辺りは、高級ワインと高級牛肉の産地で、野菜も美味しい。肥沃な土壌なのだろう。グルメにはもってこいの環境だ。

岬の先端はこんな感じ。線路らしきものがあるのは、何かを運ぶためのものなのかな。電車がここまで走っていたとは思えないのだが。

海の中に立つ灯台。船に乗って灯台の中を見学して戻るツアーは一人52ユーロ。ちょっと高いなぁ。干潮時に灯台まで歩けるそうだけど、行きは良い良い帰りは怖いで、のんびり見学しているうちに潮が満ちて帰れなくなったら困るので、あっさり諦めました。

海から内陸へ

フランスの有給休暇は職種にもよるけれど、30日が一般的で、土日を入れると5週間。フランス人の有給休暇消化率は100%で世界最高らしい。取るのが当たり前の世界なのは、ありがたい。

恒例の田舎の家へ。都会を離れると、思いがけないものに出会える。今年のヒットはスズメバチ。到着するなり、ブーンという低い唸り音。どうやら暖炉の煙突に巣を作ったらしい。去年退治したはずなのになあ。駆除専門家は高いから、強力なスプレー片手に自力で頑張るフランス人。これを下から、上からシューっとやったら、ぼたぼたと落ちてきた。毎日10匹以上落ちてくる。もがいているやつはハエたたきで殺し、3週間毎日こんな調子で落ちてきて、その数200匹!
スズメバチは雑食で、外で食事をしていると、皿の周りをブンブン飛び回るし、何よりミツバチを食べてしまうからタチが悪い。ミツバチの巣の前で構えて、巣に入ろうと順番を待つミツバチを捕まえて、頭を噛み切る恐ろしいやつなのだ。
地球温暖化のせいなのか、今年は大型の蚊やスズメバチが猛威を振るっている。

蚊よけのスプレーはいろいろあるけれど、一番効果的なのが蚊取り線香で、フランスでも買える。日本のと全く同じ形で、緑色のトグロを巻いている。「チコちゃんに叱られる」で、渦巻き型の蚊取り線香は、日本人が開発したというのを見たけれど、それが海を越えたということかな。
これを部屋で炊いたらツレが「肺がんになる!タバコの煙と同じだ」と言って窓を全開。これじゃあ意味ないじゃん。お線香を焚いても同じことを言う。お線香と蚊取り線香の煙は、肺がんの原因になるのだろうか。チコちゃん教えて~

田舎はハイキングが一番いい。というかこれくらいしか私にできるスポーツはない。ひまわりは頭を傾け、その向こうには城が見える。いい感じで憩う。

ぶどうがたわわになっている。もうすぐ収穫だ。今年のワインの出来はどうなのかな。楽しみ。
ぶどうは天候に左右されやすい。カリフォルニアは、気候が安定しているので、ここのワインは年代を気にしなくても、当たり外れがないと言われている。フランスはそうはいかない。天候は一定せず、突然の寒波や雹や霰で毎年出来具合が違う。そこでうんちくを言いながら、ワインを傾けるのがフランス人の好み。おしゃべり好きのフランス人だからね。

パリでは味わえないこのロケーション

小さな教会と10軒ほどの家とクレープレストランがあるだけの小さな村に新しくできたレストランが、あちこちで話題になっているので、早速予約した。静かで眺めの良いテラスでの食事は気持ちがいい。

ランチメニューではなくて、レストランの名前がついた「メゾン・ブルーの定食」22.9ユーロを注文。
前菜のサラダは、生野菜と温野菜が一皿に盛られていたのが新鮮。モッツァレラチーズとの相性はもちろんバッチリ。

メインの豚の頬肉は口の中でとろける柔らかさ、ジューシーでこっちのほっぺたが落ちそうだ。

変形イル・フロットンのオリジナリティ溢れるデザートに満足。
田舎のレストランは、量で勝負するところが多いけれど、ここは質で勝負。20キロ先のアジャン(Agen)という大きな街にまで噂が広がる理由がわかる。
La Maison Bleu
http://lamaisonbleue.restaurant

田舎の村では、フェット・グルマンとかマルシェ・ノクチューンというお祭りがあって、つまり屋台が出て、食べたり飲んだり遊んだりするお祭りがあちこちで開かれている。初めて行ったお祭りで目にしたのが、鴨の心臓の串焼き、5ユーロ。

まあ5ユーロなら、ハズレでもいいかと注文したら、「焼き具合は?」と聞かれた。牛肉の焼き具合は聞かれたことはあるが、鴨の心臓は見当がつかない。ミディアムが良いとのアドバイスを信じて、待つこと数分。タレをかけていただくらしい。
これがうまい!臭みはなく、柔らかい。しかも量が多いから、これ一品とパンを買えば十分だ。周りを見れば、多くの人が食べている。 肉屋やスーパーで売っているのを見たことがない部位なので、どうやったら手に入るのだろう。今度農家に聞いてみようと思う。
写真は食べかけですみません。期待していなかったので、綺麗に盛り付けられた写真は撮ってません。

勝手知ったる他人の家は気楽だ。

しかも、「庭の果物は自由に収穫して良いですよ」と言って、持ち主は本宅に帰ったから、果物取り放題!と喜んだのもつかの間、あまりの量に呆然。レーヌ・クロードというプルーンの仲間の果物は、毎日雨のように降ってくる。写真は1日の量で。これを2週間毎日収穫するとどうなるか。しかも、熟しているからどんどん腐る。もったいないから必死でジャムを作る。酷暑の中のジャム作りは辛い。エアコンなど存在しない古い民家だ。これに、ボコボコ落ちるりんごとプルーン、そしてイチジク。近所から桃ももらった。農薬ゼロの果物は貴重だけれど、こればっかり食べていられない。近所に配っても、うちにもいっぱいあるから~と言ってことごとく断られた。ツレは食べ過ぎてお腹を壊し、私はジャムの甘い香りが鼻についてうんざり。贅沢な悩みだと思うが、なんでも適度が一番いい。

山田マミの簡単レシピ

果物のタルト

タルトにすれば量もこなせるし、消化にも良いのではないかと思って作ったタルト。
材料:余った果物(果汁があまり多くないものがオススメ)、市販のパイシート(作れる人は自力で作ろう!私は下手なので買う)、砂糖適宜

*下準備:果物を好きな形に切っておく

りんごのコンポートを作る(約20分)
・りんごは皮をむいてザクザクに切る。切った矢先から塩水につけると、色が変色しにくいですよ。

・塩水から取り出して、軽く砂糖をかけてしばらく置いたのち(置かなくても問題ないと思う)、鍋で煮る。弱火です。5分から10分くらいかな。
りんご自体が甘いので、砂糖は少なめ。煮ながら好みの甘さに調節するのが良い。

IHなどの電気調理器なら、余熱が残るので、ある程度柔らかくなったら、そこに置いたまま電気をオフにして蓋をすると、余熱でいい感じに仕上がる。溢れないように気をつけてね。

・このあたりでオーブンをオンに。180度くらいに温めておく

・パイシートをタルト皿に敷き、生地にフォークで穴を開ける

・りんごのコンポートを下地として薄く伸ばし、その上に果物を生のまま乗せていく。

・いちじく以外の果物の上に軽く砂糖をかけて、オーブンへ。いちじくはそれ自体が甘いので、砂糖をかける必要なしです。

・40~45分、いい匂いがしてきたら、時々中をのぞいて、ちょうど良い焼き加減でオーブンから出して、冷ます。

うまくいったので、今度は果物の量を倍に増やしてみたら、果物から果汁がたくさん出てしまい、いつまでたっても生地がパリッと焼けず、しまいには果物が黒焦げになってしまった。

教訓;ここで再び、ほどほどが一番

今月の独り言

地方に行って困るのが、米。スーパーに行って「当店ではくっつくお米は売っていません」という表示に愕然とし、別のスーパーで日本米に近そうなのを買ってみたが、全然ダメ。さらさらパラパラ。これじゃあお箸が発達しないわけだ。

今月の独り言2

夏はやっぱり海に限る。たいして泳げなくても、広大な海と空を見て、波しぶきの音を聞くだけでもいい。今年初めての海は、大西洋、ジロンドというボルドー近くの海。日本でも土用波の後は波が高かったり、クラゲが出たりするのでよくないと言われているが、フランスでも同じような現象がるように思う。特に大西洋岸は、雨が降りやすい。しかもここ数年の異常気象で、8月は寒くて海に入ることができない日が多かった。
今年はスケジュールと財布の具合で、8月最終週にリゾート用アパートを借りた。この週になると、宿泊代がぐっと安くなるからね。運良く暑さもぶり返して、夏を満喫できた。が、車に乗った途端、連れが叫んだ。 「なんだそれ!妊娠6ヶ月?」
シートベルトは恐ろしい。その形状のせいか、お腹がぽこりと目立ってしまう。39度の酷暑にもめげず、食欲が落ちなくて、全く痩せなかったのだ。ツレとほぼ同じ量を食べていてはいけなかったのだ。ツレはご飯を軽く4膳食べる。日本に行けばいつも自然と痩せていたので、たかをくくっていたが、レストランに行けば、美味しいけれど量の少なさに驚き、人が残したものをもらっていたら、1.5人前以上食べたことになった。やばい、胃が完全に肥大している。翌日から量を減らしてみたが、小腹が減り、余計なものを食べてしまった。4月まではこんなに腹は出ていなかったのに、たった4ヶ月でここまででかくなるものなのだろうか。これが中年太りなのだろうか。水着になればもろに目立つから、私より太った人の横に陣取るか、海に浸かりっぱなしにするしかない。
これから寒くなると、さらに食欲は増すだろう。どうなるんだろうこの先、、、

山田マミ プロフィール

幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、あっという間におばさんになった。パリジエンヌを長年やっていたが、環境を変えるのも一つの経験と、地方都市に移住。山が見え、庭のある生活は新鮮だけれど、やっぱりパリが恋しくなる。イベントはたくさんあるし、人はうじゃうじゃいるし、デモに暴動、スリに騒音とエキサイティング。我が身を守るには、ボケている暇はない街なのだ。時々出没するパリで再発見をして、やっぱりパリが好き~!