僕が今回紹介するダンサーは「中尾充宏」さんです。
僕が18歳でNBAバレエ団に所属していたとき、中尾さんがゲストで出演なさっていてその時に初めてお会いしたと思います。その後も外部の舞台でご一緒させていただいたり、ずっとお世話になっています。
はじめまして、中尾充宏です。
小林紀子バレエ・シアターに所属していてバレエ団の活動を中心として井上バレエ団やバレエシャンブルウエスト等のバレエ団の公演やいろいろな発表会等に出演させていただいてます。最近は少しずつですが振り付け等もさせていただいていて、諸先輩方から教えていただいた事等も伝えていけたらと思っています。
中尾さんのすごいところは、どんなにたくさん踊っても疲れた姿をみたことないところです。他にも誰にでも優しく親切ですし、自分の身体のケアも素晴らしいですし、ありすぎて書ききれませんが人としてもダンサーとしても尊敬しています。
ありがとう。福原君の凄いなあと思うのはいつも新しいスポンジでいられる事の出来る心です。
今の自分の姿の先にいつも明確に理想とする自分を置いていくという事は当たり前なのかもしれないのだけれど、心の中から出来るのはとても難しいのにそんな生き方をしているので、いつも吸収していく生き様に年下なのだけれど本当に尊敬しています。
○福原大介さんから中尾充宏さんへのプライベートクエスチョン
今一番はまっているトレーニングはなんですか?
今はまっているトレーニングはトレーニングとは言えないですがヨガです。時間がある時にクラスに行ったりもしますが、それにジャイロやスポーツストレッチのクラス等で教えていただいた事をプラスして少し変形させてやっています。あとは過緊張させているいろんな細かい筋肉をほどく事でインナーマッスルと大腰筋や腎臓や腸の状態をいい状態にする事がちょっとずつ解ってきたのでそこもはまっていると言えばはまっています(笑)
思い出の一曲とそれにまつわるエピソードを教えてください。
バレエの作品で言うとマクミラン振り付け「ソリティル」です。バレエ団に入って振り付けをいただいた時にバレエのスタイルをもの凄く教えていただいて振り付けの意味を表現していく事の難しさとやりがいを学んだ事が今の自分の原点になったので印象深いです。
歌ですとさだまさしさんの「風に立つライオン」です。ナイロビに行かれたお医者さんの実話を元にした歌なんですが、せつなさや生きていく強さ後歌詞にはないのですが後年日本に帰られた時にさだまさしさんと対談されている内容の中に、お医者さんが病気を治すのではなく神様が病気を治すお手伝いをほんの少しするだけと言う言葉があって、異国で環境も整わない中どのような生き方をされてきたのかなあといろんな事を感じ考える事の大切さを学んだ事で思い出の一曲になっています。
あなたが今までで最も影響を受けたダンサーは誰ですか?
また、その人からどんなことを教わりましたか?
日本の方ですと大倉 現生さんです。高校を出る少し前からバレエを始めてその後東京に出てきたのですがバレエダンサーとして生きていく為に必要な事やリハーサルの仕方、普段どのように日々考えて自分に向かい合っていくか等本当に多くの事を学ばさせていただきました。感謝しています。
海外の方ですとブルース・サンソムさんです。小林紀子バレエシアターや井上バレエ団に出演された時にちょうどご一緒させていただいたのですが、とにかく美しいダンサーですしパートナーへの優しさももの凄くて…ロイヤルバレエのプリンシパルなのにリハーサルではみんな一人一人を見ていてくださってアドバイスをいくつもいただいて感動しました。また、誰よりも早くスタジオに入ってストレッチやトレーニングをされていてリハーサル後も足りないと思った事をきっちり復習して、なおかつまたストレッチ等みっちりやってらした姿が本当にプロのダンサーでした。いまだに憧れています。なれないけれども一ミリでも近づきたいし生き方にとても影響されました。
今までのダンス人生の中で一番辛かった・挫折した出来事はありますか?
あるなら、そこからどうやって復活したかも教えてください。
いつが大変だったかというと常に足りない事だらけなのでずっと挫折はしていますし大変といえば大変です(笑)
ただ素敵な先生や多くの尊敬する先輩方やいい仲間に出会う運勢を持っているみたいで(笑) いつも導いてもらっています。やっぱり小さな事からコツコツとが一番だと思っています。
初恋の思い出を語ってください。
あまりに昔過ぎて(笑) あんまり覚えていません。
ただ遠くの方から見ていただけで意識してしまうと話せなかった子供でした。好きでもなんでもないと平気で話せたのですが… 田舎の小学生でした。
最近一番感動した出来事を教えてください。
読書が趣味なのですが「永遠の0」という小説は読んだ時グッと来ました。
後は本当に何気ない事なのですが仲間の頑張っている姿や一緒に舞台に立つ子供達のキラキラしている姿が感動を呼びます。
模範生みたいな回答になってしまうので面白くはないとは思いますが、最近はそのような事が本当に心を動かされます。
ちょっと前だと旅行先の石垣島の海の色や屋久島の杉の生命力等を言っていたと思います。もちろん自然の大きさ等に今ももちろん感動しますが、最近はちょっとした事にいいものだなぁと思えるようになりました(笑)
プロフィール
中尾充宏 NAKAO MITSUHIRO
‘90年越智インターナショナルバレエにてバレエを始める。越智實、ニータ・チストーワ等に師事。‘91年スタジオ一番街にて小川亜矢子に師事。‘93~00年漆原宏樹に師事。‘93年より(社)日本バレエ協会および谷桃子バレエ団、井上バレエ団、バレエシャンブルウエスト等の公演に出演。‘01年小林紀子バレエ・シアター入団。小林紀子、小林功に師事。以後小林紀子バレエ・シアターでの主なレパートリーに、「くるみ割り人形」のドロッセルマイヤー、雪の王、アシュトン振付「レ・パティヌール」のホワイト・カップル、「二羽の鳩」のジプシーの恋人、ディーン版「ジゼル」のヒラリオン、マクミラン振付「ソリテイル」のパ・ド・ドゥ、「Raymonda ActⅢ」のハンガリアン・プリンシパル、ド・ヴァロア振付「チェックメイト」の黒の騎士、「ザ・レイクス・プログレス」のロープにとり憑かれた男等を踊る。小林紀子バレエ・シアター第80回公演では、急遽トーマス・エデュールの代役を務めた。