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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

 

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も,山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。
今後動画によるダンス映像の配信なども予定しておりますので、ご期待下さい!


 
幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。
 

2007年3~5月

2007年5~6月
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2008年2月~4月
2008年5月~6月

 
 
 
 
 
 
2007年3月18日

皆様、初めまして。パリに住む山田マミです。
風が吹くまま気が向くまま、パリを中心にした身近な情報をお伝えします。
パリと言えども訪れる人によって様々な印象を与えます。パリに来る前に、或は思い出をたどる時に、ちょっとお役に立てばと思います。
では早速。

「グルノーブルの春スキー」
今年は世界中が暖冬だったようで、パリもとうとう雪が降らず、暖かい冬でありました。ちなみに写真は、ジャン・クロード・ガロッタの本拠地であるグル ノーブルから30キロほど山に入った、標高1800メートルほどの高さにあるスキー場。スキーをしに来たのか、ピクニックをしに来たのかわからないとい う有様。3月中旬です。ところが、その2週間後に来た強力な寒の戻りで雪が降り、またスキーが出来たというのは、やっぱり異常気象のせい?

 


 
2007年4月5日


「これが天下のオペラ座ガルニエ」
さて、パリと言えばやっぱりオペラ座ガルニエ。毎日見ても美しいと思いますが、現在正面入り口の改装工事中。その上、ガルニエ正面のメトロのオペラ座駅 も改装工事中でこんな有様。せっかくあこがれのオペラ座の写真を撮ろうと思ったのに~!がっかりしないために、敢えてこの写真を載せます。ちなみにメト ロの改装工事が完全に終了するのが10月21日。気の遠くなるような工事期間ですが、8号線が5月18日まで、7号線が6月4日から8月17日まで、3 号線が9月3日から10月21日までと、線ごとの改装工事。工事期間中その線はオペラ座駅に止まりません。手前か一駅先の駅で降りましょう。歩いても一 駅くらいは軽く歩けるのでご心配なく。他にもいくつかの駅が工事で閉鎖しています。情報はインターネット
www.ratp.frか駅の構内で。それか ら、メトロのチケットでバスにも乗れるので、マップをもらってバスにもチャレンジ!

 


これがオペラ座ガルニエの中のサロン。タイムスリップしたみたいな気分になる。私の一番のお気に入りの場所。ガルニエに行ったら必ず立ち寄るところ。

 



「歴史を体感しながらの昼寝はいかが?」
さて、こんなにお天気がよければ、絶対お勧めなのが公園でのランチ。高級レストランでのフレンチもいいけれど、パリジャンになったつもりでサンドイッチ を買って公園に行こう!私のお勧めは、テュイルリー庭園。ルーブル宮を見ながら、そして振り向けばコンコルド広場 のオベリスク、その向こうの凱旋門、さらにその向こうの新凱旋門まで見渡せるこの壮大な風景の中で、歴史を感じながらサンドイッチをかじる。おむすびで もいいんですよ。私は毎日これをやってますが、ちっとも飽きません。日本食料店でお弁当を買って食べていると、フランス人が興味深そうに寄って来て、 「それ何処で買ったの?」と聞いてくるのも、なんか楽しい。一日中ダンスのレッスンを受けるのもいいけれど、フランスは時間がゆっくり流れる所。日本と は違う時間の流れを是非感じてほしい。
写真は、テュイルリー庭園の昼時。ワサワサ人が出ています。鉄の重い椅子を自分の好きな所まで引きずって行って、気持ちのよい時間を過ごしてみてくださ い。絶対お勧め!
 


 

よく見ればみんなくつろいでいたり、寝ていたり。パリの中心地とは思えない静けさ!芝生は立ち入り禁止なのが残念。鳥が大きな顔をして芝生の上で休んで いるのがうらやましい。この鳥たち、さすが都会に住んでいるだけあってずうずうしい。決してパンくずなんかやりませんように。そんなことしたらいきなり 鳥の大群が押せ寄せ、大変なことになります。


これがルーブル宮の中庭に建つガラスのピラミッド。ガラスのピラミッドはルーブル美術館の入り口にもなってるが、荷物検査のせいで、長蛇の列。チュイルリー公園寄りにも入り口があるのでそこを利用したいけれど、美術館まで長い地下道を歩かなくてはいけないので、私は好きではない。X線で荷物検査をした あと、どさくさにまぎれてカバンを盗む悪いやつがいるので要注意。入場料金が午後は安くなったり、夜遅くまで開いている日もあるので、うまく利用したい。フランスの美術館や劇場では、26~7歳までの割引制度を設けているところが多いので、そのチェックも忘れずに。また、60歳以上にも割引があるところがあるので、恥ずかしがらずにパスポートなどの年齢が記載されているものを見せてみよう!
 

 
2007年4月11日

 

「えー!ストで公演中止!?(怒) 」
やられました。オペラ座ガルニエで、シンデレラの初日。ストライキです、スタッフの。日本では死語になりつつある「ストライキ」は、フランスでは根強く、しっかり生きています。今日がシンデレラの初日で、しかもベリンガールがエトワール昇進後の初舞台だからか、あるいは学校休暇が始まったからか知りませんが、本当に意地の悪いことをする。まあ、ストライキの目的は利用者を困らせることだから仕方ないか。ストライキ情報は、当日、良くて前日の夕方に しか発表されないことが多いのです。今日は今日の午後に発表されたらしい。やっとのことで手に入れた初日のチケットが水の泡、、、。どうしてくれるん だ!この写真は今日のオペラ座の入り口。警備の人が入り口で荷物検査をし、いざホールへ、という所で係の人が、「今日はストライキだから、公演はありま せん。チケットは後日返金します。完売なので、他の日に観られる可能性はありません」とあっさり。食い下がる余地なし。観客のほうも慣れたもんで、「あ ら、仕方ないわね。じゃあせっかくオペラまで来たのだから、どこかに食事に行きましょうか。」との~んびり。そのせいか、入り口は思ったほど混乱してい ませんでした。あきらめがつくのはパリに住んでいるからであって、はるばる遠くから来た人にとっては泣くに泣けません。ふー、まったく! 皆様、お気をつけあそばし。これからフランスはストライキの季節です。明日は飛行場のストライキ、あさっては◯◯のストライキと、ラジオで言っていま す。美術館のストライキも予想されます。特に頻繁にストライキをやるのがヴェルサイユ宮殿。今年に入って数知れず。でも、一日中閉まったということはないので、昼過ぎに行くと言うという話も聞きました。まあ、これもフランスの文化と思ってあきらめて下さい。

あきらめよう
期待は禁物
フランス生活


 
2007年4月15日

 

「お花見、食べごろ、サクランボ その1」
もうお花見の季節は盛りを過ぎてしまいましたね。フランスにも桜の木は沢山あります。でもパリ市内では秋に枝を切ってしまうことが多いので、「見事な枝振り」はなかなかお目にかかれませんが、地方に行けば、パリより見事な枝振りが見られます。これは友人の家の桜。葉桜となってしまいましたが、散り際も美しい。
ただ、フランス人は、桜の花より実に興味があるみたいで、サクランボの出来ないものは桜と呼ばないとか。さすが食の国(?)。写真の桜の木からは、それはそれはおいしいサクランボが取れるのです。花より団子。花見よりサクランボ。(4月15日撮影)
 

2007年5月6日

フランス大統領選……、どうしてもひとこと言いたかったので書きました。

 


「大統領選、やっぱりサルコか...」
フランスの大統領が決まった。ニコラ・サルコジー。通称サルコ。52歳。高級住宅街ヌイイ・シュール・セーヌ市に住む。普通、どの市も低所得者用のアパートを建てなくてはいけないが、いくらかのお金を払うとこのアパートを建てなくて良いらしい。サルコジーはそんな市に住んでいる。つまり、低所得者が入ってきて治安が悪くなるのが嫌だということだ。そんな地域に住んでいる人に低所得者の気持ちがわかるのだろうか?極右政権と結びつき、アメリカに媚を売り、もっと働いてもっとお金を儲けよう!というのがスローガンの一つ。フランスは、どんどん金儲け主義になっていくのだろうか。フランスの良いところは、最低限働いて、あとは人生楽しもう!だったのに。それに怖いのが、首相制度をなくして大統領が全ての権限を握るようにするもくろみがあるらしい。こうなったらフランスはサルコジーの思うがまま。シラク大統領は初めサルコに投票しないと言っていたが、シラクのパリ市長時代の不正雇用事件を追及しない代わりにサルコジー側に着く、というサルコジーの提案で二人は合意。サルコジーが大統領になったから、シラクは安心して引退生活が送れるわけだ。ルーブル美術館がセーヌ河越しに見える一等地にアパートを見つけたばかり。表向きはきれいごとを言って裏では・・・というのは何処も同じか。

選挙権がない私はただ見ているしかない。なぜ選挙権がないかだって?だってフランス国籍は持っていないもの。なんでフランス国籍を取得しないの?だって日本の法律で二重国籍は禁じられているから、フランス国籍を取った瞬間に日本国籍を剥奪されてしまうの。そうしたら日本国籍の再取得ほど大変なものはないから日本国籍のままでいるの。

フランスには永住権というのがないから、フランス国籍以外の人は滞在許可証を申請しなくてはならず、10年が最長。だから10年ごとに更新しなくてはならないのだ。フランス人と結婚して子供がいてもフランス国籍でないなんて、なんかすごく変だけど、これが現実。

今回の選挙は投票率84%だとかで、前回に比べるとものすごく投票率が高かった。2002年はめちゃくちゃだった。当時、大統領が右派のシラクで、首相が左派のジョスパン。ぎくしゃく政治で社会党にもうんざりしていて投票率は低かった。でも、誰もがジョスパンが第2回投票に進むと思っていたから、ちょっと遊んじゃえって感じで極右のル・ペンに投票してみたら、ジョスパンが落ちてル・ペンが第2回投票に進んでしまった。そんな馬鹿な!ってわけで慌てたフランス人は即デモを繰り出し、毎日何万人もの人が集まって、第1回投票やり直し!と叫んでみたものの法律は変えられず、シラクとル・ペンの一騎打ち。この悪夢を反省して、今回はみんなまじめに投票したようだ。サルコ53%、セゴネル・ロワイヤル47%。ロワイヤルもぱっとしないけれど、サルコジーよりはましだと思ってた。移民のせいで生活が豊かにならないと思っているフランス人が多いから、フランス人の多くが右派につくのだとか。私は比較的治安の良いところに住んでいるが、サルコジーに決まったとたん、外で若者が騒ぎだした。何年か前にパリ郊外の、若者の問題が多い地域に乗り込んで、「お前らは社会のクズ」と呼んだサルコジー。この一言が暴動を引き起こした。ところが、大統領選になったとたん、私は弱者の見方だと言い始め、移民問題に取り組むというけれど、これからどうなることやら。今日の勝利宣言では「私はフランスが好きだ、私は全てのフランス人が好きだ」と言っていた。そうか、私はフランス国籍がないからフランス人じゃないわけで、我々移民は彼の好きなフランス人の中には最初から入っていないのだ。サンドニあたりで暴動が起こらなきゃいいけれど、と思ったらもう若者たちは暴れてた。芸術も、冬というより厳冬になるのだろうか。芸術ではお金は生み出せないから排除され、芸術家の住めない世界になってしまうのではないかと危惧する。まあ様子を見るしかないけれど。デモとストライキが増えることは確実だと思う。On verra…


 
 
 
 
 
 



 
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