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ニュース・コラム

山田マミのやっぱり、パリが好き

 

フランス・パリ在住の山田マミさんが、現地発信の最新ダンス情報をタイムリーにリポート!
ダンスだけでなく、ワイン、フェスティバル、市場などなど、パリっ子たちの日常生活も,山田マミさんによる独自の視点でお伝えします。
今後動画によるダンス映像の配信なども予定しておりますので、ご期待下さい!

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幼少よりダンスを始め、80年代はアメリカに没頭するが、今は亡きダンス・ア・エックスでローザスの「オットーネ・オットーネ」を観て、ヨーロッパの歴史の深さに圧倒され、フランスに移住。しかし、言葉の壁に阻まれ、英語圏への脱出を計画。ところがその矢先、腹ぺこで歩いていた私に「ヴォワラ、マドモアゼル」と林檎を差し出してくれたおじさん。レストランに仕入れる林檎が1個足りなくなってもいいのかしらと心配しつつも感動!もしかしたらフランス人ってすっごく優しいかも?脱出計画は一挙に吹っ飛び、フランス定住を即決める。住んでみたら奥が深いフランス生活。1年が2年になり、、、あっという間に13年。住めば都のフランスはパリで、納豆と豆腐を食べ、中華街でベトナム麺をすすり、日曜日はマルシェで季節の野菜と魚を買い、時に日本のカボチャを育て、楽しく過ごしております。
 

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2007年6月27日


「SOLDES
ソルド

 

フランス名物、ソルドが始まりました。パリは6月27日から8月4日まで。今年のパリは冷夏なので、夏物は最初から大安売り。レジは長蛇の列で、会社の昼休みに来た人たちは、時間を気にしてイライラ。私も軽く30分は待ちました。
ちなみにこの日の朝8時45分に郵便局に行ったら、窓口に誰もいない・・・。開局は8時半のはず・・・。やっと一人来たのが8時50分。みんなバーゲンに行っていたのでしょうか?デパートによっては朝8時開店のところがあったので、朝バーゲンに行ってそれから出勤、と見込んでいたのかも。それにしても、郵便局ですよ、郵便局。いくら民間になったからと言ってもねえ・・・。
バーゲン期間は都市によって多少異なるので、要確認。それから、全商品がバーゲンの対象ではないので、それも要注意。値札を見て、割引になっているかどうか、良ーく見てください。時々ヌーベルコレクションと銘打って、正価のものが混ざっている事があります。

 

 

 


 
2007年6月23~25日

「MONTPELLIER DANSE FESTIVAL モンペリエ ダンスフェスティバル
 6月23日から7月7日まで開催で、私が滞在したのは、6月23日から25日まで。

 
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  この近代的な建物は、モンペリエのLE CORUM(ル・コロム)。フェスティバルのメイン会場で、この中に2500席の大劇場があります。今年のここでの幕開きは、アンジュラン・プレルジョカージュの新作を含む公演でした。続々と観客が建物に入って行きます。人が少なそうに見えますが、階下にあるホールはごった返していました。さすが有名人。
     
  フェスティバルの事務所、そしてマチルド・モニエ率いるCCNモンペリエの本拠地でもある LES URSULINES(レ・ズュルスリンヌ)の回廊。モンペリエ・ダンスの垂れ幕の後ろでは、毎朝振付家とのプレス・コンフェランスが行われます。中庭には、暑さよけと雨よけに白い天幕が張られています。続いてLES URSULINESの中庭と事務所に通じる入り口、アゴラ。


 

毎朝行われるプレス・コンフェランスでは、日替わりで振付家が来て、作品の解説をしたり、質問に答えてくれます。初日のこの日は左から、クリスチャン・リッゾー、ファブリス・ラマランゴム、マチルド・モニエ、そして司会者。


 

毎日のスケジュールが、オフィスの入り口の大きな白板に書き出されます。

  LES URSULINES(レ・ズュルスリンヌ)というのがこの建物の名前で、この中にマチルド・モニエ率いるCCN(国立振付センター)があります。ここはCCNへの入り口で、今日はそこのスタジオで公演があります。前をトラムウエイが走るので、以前よりもうるさくなりましたが、トラムはやっぱり便利! ここは昔はお城でしたが、近代には女性の監獄になっていたとか。ちょっと薄気味悪いですが、左右にある階段を上って中に入るのは、なんだか貴族になった気分。でも、若者にとってはちょうどいいサッカー練習用の壁。
     
 

LES URSULINESの中庭の野外劇場で行われた公演後に、建物の外に出て来た観客達。屋外劇場なのでとても気持ちがいいけれど、夜は冷え込むので上着は必要。日没後でないと照明が効かないので、22時半開演で、終わるのが24時近く。25時くらいに人がいなくなった頃に何かが出そうな建物ですね。夏の夜の~どろ~んどろ~ん・・・

     
  THEATRE DU HANGER(テアトル・デュ・アンガー)での公演前の様子。普通の家みたいですが、スタジオ型の劇場です。


 

テアトル・デュ・アンガーの内部。窓から差し込む明かりが素敵。

  モンペリエ市外にある劇場CHAI DU TERRAL(シャイ・デュ・テラル)。トラムと送迎バスを利用して移動。市内から30分はかかったかしら。高台にある劇場で、鳥のさえずりと芝生が気持ちいい。でも公演が終わったら、速攻で送迎バスに乗り、次の劇場へ。フェスティバルはなかなか慌ただしいのです。

★・・

  モンペリエの中心地、コメディ広場です。最初に奥に見えるのが、オペラ・コメディ劇場。古いイタリア様式の劇場で、ここでも公演が行われます。その手前を走るのが、モンペリエの名物トラム。トラムのおかげで移動が便利になったと評判は良いです。しかもこの広場は自動車進入禁止となったので、車が突っ込んでくるのではないかとびくびくしながらコーヒーを飲む事も、排気ガスにまみれてレストランの屋外テーブルで食べる事もなくなりました。
     
  モンペリエにも凱旋門はあるのだ!この向こうには公園があり、その先に水道橋があります。公園の真ん中には、フランス人お得意の銅像が建っていますが、これ、誰だっけ???
     
  モンペリエの海。海へ行くには、モンペリエの国鉄駅の裏手から出ている海岸行きのバスLE PALAVASを利用。15分くらいで着きます。終点近くまで行ってそこから海岸沿いを戻るようにしてお気に入りの場所を見つける事をお勧め。地中海なので、波は穏やか、プールみたいです。この日はあいにくの曇り空。月曜日の昼前という事もあってほとんど人がいませんが、夏休み中と週末はかなりの人出です。


 

海岸は清潔で気持ちよいなあと思っていたらこの看板。犬ダメ、騒音ダメ、自転車ダメ、ラジオダメ、ボール蹴りダメ。ダメだらけ。どうりできれいだと思った。そしてとどめは、「正しい水着を着用の事」。正しい水着って???

 
2007年6月22.23日

「UZES DANSE FESTIVAL
ウゼス ダンスフェスティバル
 6月16日から23日まで開催で、私が滞在したのは、6月22日と23日。

 こちらのダンスシーズンは、9月に始まり6月~7月に終わります。どの劇場も9月から翌年の6月までのプログラムを決めて、早いところでは4月、通常5月~6月に発表します。シーズンが終わると、夏休みに入り、ほとんどの劇場では公演がありません。そのかわりに、フェスティバルが始まります。フランスで真っ先に始まる南仏のダンスフェスティバルはウゼス。UZESと書きます。日本では、「ユゼス」と紹介されていますが、「ウゼス」と発音するのが正しいと思います。さて、どこにあるかって?それは、アビニヨンとニームの間。ポン・ド・ガールという有名な水道橋がありますが、そこから車で30分ほどのところにある、公爵の住む小さな町です。12年前から始まったダンスフェスティバル。ディディエ・ミッシェルとマリー・カエという二人のディレクターが、たくさんの若い才能を発掘したことで有名なフェスティバルです。現在のディレクターは、長年ドイツの劇場にいたリリアンヌ・シャウス。作品の傾向は変わりましたが、ひと味変わったものを見せてくれる事は確かです。

  UZES DANSE FESTIVALの今年の看板。毎年教会横の「司教の庭、L’EVECHE(レヴェッシェ)」に屋外舞台を設け、ここで夜10時から公演が行われます。日が暮れないと照明が効かないのです。撮影時間は、夜8時半くらいだったと思いますが、まだ明るいです。このレヴェッシェの裏手に、今年の新顔、テント型レストランがお目見えしました。公演前後に飲んだり食べたり、かなり盛り上がっていました。フェスティバルの看板と、レストランの様子です。まだ時間が早かったので人が少ないですが、9時半以降は満席でした。


 
これがウゼスダンス特設レストランの入り口に貼られたポスター。セロテープで貼ってあるところが、いかにも手作りでかわいい。

  レベッシェの裏手から見た風景。レベッシェは、旧市街の端にあります。高台にあるので、目の前に広大な景色が広がります。そして次に写るのが、レヴェッシェの塀。この中に劇場があります。入ってみたら、ちょうどダンサーがウオーミングアップ中でした。教会の壁をバックにした屋外舞台と客席です。下手から会場を見る形になります。見上げた先は教会です。


 

ウゼスのメイン会場、レヴェッシェ裏手にあるチケット売り場。丸いランプが屋台みたいでこれまたかわいい。

 

レヴェッシェ会場。ホリゾントは教会の壁。木に覆われたそれはそれは趣のある会場です。ただ、夜は冷え込むので、セーター持参の事。


以上が、ウゼスダンスの夜の会場。さて、次に紹介するのが日没前の会場です。旧市街から車で10分ほどのところにあるアラス・ナシオノー(HARAS NATIONAUX)。車がない旅行者はどうするんだって?大丈夫。ちゃんと送迎バスがあります。
通常は何をしているところなのかよくわかりませんでしたが、今年初めてフェスティバルが借りた場所だそうです。広大な敷地の中に平屋の建物と、小さなお城のような建物と庭園、そして納屋を改造して劇場にした「LE PAILLER」があります。
10分車を走らせただけで、田園風景というか、畑というか、何もないというか・・・そんな風景がパリを離れて遠くに来たなあと実感させます。だだっ広い空き地が駐車場となり、そこから木が生い茂る小道をしばらく歩くと、突然目の前に広がる庭。鳥の声しか聞こえなくて、めちゃのんびりしているんですよね。身体中の緊張が解けて行く感じです。


 

アラス・ナシオノーの庭でくつろぐ観客たち。

この庭に屋外劇場があります。上の写真の右手になります。公演中は撮影禁止なので、公演前の人のいない舞台をパチリ。写真の左手に、テーブルと椅子、そして売店があります。手作りらしきキッシュやケーキと飲み物を買って、椅子に座ったり、芝生の上に寝転んだりしてくつろいでいました。すると突然ダンサーがラッパを吹きながら、もうすぐ野外パフォーマンスが始まるぞ~!とばかりに馬のように庭中を走り回り、みんなが吹き出していました。

 

  庭園から劇場へ。人の向こうに見える石の建物が劇場の「LE PAILLER」。昔の納屋を改築した劇場です。
     
  そしてここの裏手に広がる田園風景。本当に田舎に来たという感じ。これがパリジャンにとっては何とも新鮮。
     
  さて、土曜日の朝市。まだ9時なので人は少ないですが、12時ともなるとおしくらまんじゅう状態になります。オリーブ、蜂蜜、ワイン、チーズ、芳香な香りの石鹸やラベンダーを売る店など、南ならではの商店が並びます。もちろん、野菜、肉、魚も豊富。ここへ来れば何でも揃う!実は私、ここでのお買い物が毎年一回の楽しみなのです。買うものは、オリーブ、チーズ、蜂蜜、果物、そしていろんな香りの石鹸。ダンスが目的でここに来るのか、朝市が目的かと聞かれたら、迷わず「両方!」。
     
  フランスにはたくさんお城がありますが、公爵が実際に生活しているお城は少ないのです。でも、ウゼスにはそれがあります。ウゼス公爵邸。ご家族はパリとウゼスを行ったり来たりしているそうですが、公爵が留守の間は邸内を見学する事も出来ますし、公爵のワイン畑で出来たワインを買う事も出来ます。


 

 

ウゼスは古い町なのです。こんなドアを見つけました。

  ウゼスのブドウ畑。ちょっと町を離れれば、ワイン畑があちこちに。なかなかおいしいワインが出来ます。まだ葡萄の実は小さいけれど、太陽を浴びて元気いっぱい。日本と違ってこちらのブドウは背が低いのです。


 
2007年6月21日


「FETE DE LA MUSIQUE フェット・ド・ラ・ミュージック
 6月21日は、フェット・ド・ラ・ミュージック、今や国民的音楽祭となった。夏至のこの日は、町のどこで誰が音楽を奏でても良いという日。プラスと呼ばれる広場では、有名な交響楽団が演奏したり、町の合唱団がコンサートをしたりして町中に音楽が溢れます。劇場が無料コンサートもするし、リパブリック広場やバスティーユ広場では仮設舞台を立ててのロックコンサートもあります。最近流行の傾向は、バーやカフェでのコンサート。グループは演奏出来るし、カフェは人集めに持ってこいと、最近はこのパターンが増えているような気がします。写真は夕方まだ早い時間だったので、見物客が少なく、情けない状態でしたが、これが夜ともなればものすごい人だかり。隣同士のカフェでそれぞれがコンサートをしているので、遠くから聴いていたら何がなんだかわからない事も。ミュージシャン同士で「今度は俺たちが演奏する番だ!」「うるさいわね、私たちのほうが先に演奏していたのよ!」と喧嘩している光景もあったりして。とにかくすごい人だかりで写真を撮る状態ではなかったので、ちょっと閑散としたカフェコンサートの写真にしました。

 


「FETE DU JARDIN フェット・デュ・ジャルダン
 
この写真を撮ってから、テアトル・ド・ラ・ヴィルに行こうと、メトロのオテル・ド・ヴィルで降りたら、何とまあ、市庁舎前がお庭になってるではないですか!「フェット・デュ・ジャルダン、庭まつり」だそうな。お祭り好きはフランス人、何でもフェット(お祭りの意味)してしまう。それにしても都会の真ん中、市庁舎前がお花でいっぱいというのは何とも心が休まりますなあ。

 

大きなじょうろがかわいい。その横には芝生のソーラーシステムも。本当に作動するのかな?


 

後ろに見えるのがパリ市庁舎。


 


派手なじょうろと案山子。こんなお庭ならめちゃ楽しい!

 
2007年6月3日


「フェット・ド・ラ・ダンス!!!見逃し編」
 今日はダンス祭り「フェット・ド・ラ・ダンス」。5区、11区、12区、20区で11時から24時までダンスパフォーマンス。実は詳しい事前情報が手に入らず、とりあえず誘われたベルシー公園へ。ここは、今一番おしゃれな界隈で、行った事はあるし、前にもパフォーマンスを見たから大丈夫とタカをくくったのがいけなかった。見つからない・・・。。見渡せど、ピクニックをする家族やら、サッカーやフリスビーをして遊ぶ子供たちがうじゃうじゃいるだけ。ボーイスカウトまでいるではないか!それなのに、ああ、それなのに、ダンサーらしき姿は全く見えず。ドジな私のこと、日にちを間違えたのだろうか???とあきらめ、せっかくだからこれまた評判のシネマテックをさくっと見学。

 

これが話題のシネマテック。普通の映画館では見られないようなものも上映するので映画ファンは要チェック。www.cinematheque.fr


映画もいいけれど、草花を見ながら久々にくつろぐかなあ、と庭園のほうに行ってみたら、なんか動く集団がいるではないか!プログラムを配っている人もいるではないか!あわてて我が日本代表竹井豊の作品を探すも、公演場所より駐車場がメインとしか思えない地図では現在地もわからず。のんびり散歩する家族の横を、眉間にしわ寄せ小走りする私。全速力で走るとスリやひったくりに間違われそうなので、遠慮がちに走る。あっいた!と思うも、池やら花壇やらに阻まれて大回りしなくてはならず。やっと到着した時に見たのは、踊り終わって充実感に満ちあふれたダンサーの顔。情けない。チラシもポスターもないのがいけない!と怒ったら、ベルシー公園は管理がうるさいので、本来ならプログラムを配ることさえ出来ないのだそうな。自由の国フランスのはずが、まるでどっかの国みたいだなあと思ったら、「でも、そのおかげでお犬様はこの一角には入れないから、糞を気にしながら踊らなくていいんですよ」とは、竹井豊談。ふむふむ。
プログラムを良く読めば、コンテンポラリー、ヒップホップ、舞踏、ソシアルダンス、タンゴ、民族舞踊など、様々なジャンルのパフォーマンスが見られるし、ワークショップもいろんなのがあるぞ。だけど、広い公園のあちこちでやっているから移動も大変で、これは事前に情報をゲットしてスケジュールを立てるべし。早く言ってよ~。
この写真は、竹井豊が公演した場所でした。気持ち良さそう!


 

 

 ★・・
 
 この写真は、やはりベルシー公園内のブドウ畑前でのクラシックバレエのワークショップ。石畳の上でレッスンを受ける素人さんたち。よく見りゃあ裸足の人がいる!さすがソヴァージュなフランス人。いいですねえ。
とても面白かったのが、二人組になって座り、一人がもう一人の足を持ってアントルシャ・キャトルのパをしたり、相手の背中の上で、手でするソデシャ、パドブレ、アッサンブレのコンビネーション。これが何とも微笑ましい。そうなの、シロウトさんたちはプロではないから楽しめばそれで良いのだ!終わったあとのみんなの顔がすごく素敵だった。
来年は逃さず見て、参加するぞ!!!

 
このピンクの服のおばさんが、もとオペラ座ダンサーのアンヌ=マリー・サンドリニ。彼女の指導のもと、アコーディオンに合わせてのレッスンは、楽しく、気持ち良さそうでした。


 
 これが 手でやるソデジャ、パドブレのコンビネーション。


 
 最後のご挨拶も忘れずに!
石畳に浮き出る2本の線は、線路。本物です。昔ここは、ボルドー辺りで造られたワインの集積地だったのだ。歴史の産物をちゃんと残す姿勢が素晴らしい。


 

2007年5月28日


「ふざけるな!無償労働の日」
 突然寒波が襲って来て、標高1100メートルの山の上では雪が降り、コルシカ島では死者が出た異常気象のこの日、平地に住む人々も混乱してました。3年前の猛暑でたくさんのお年寄りが亡くなり、その時の政府が、これは病院の施設が完備していないからだと言い、老人と障害者を助けるために、翌年から精霊降臨祭翌日の祝日はなくなってしまったのでありました。そしてこの日は無償労働の日。つまり、この日働いた分はお国に寄付して、そのお金で施設の機材を充実させよう、ということになったのだ。国が決めたのだから、国民の義務のはず。とっころがそうは簡単に納得しないフランス人。なんで自分が苦労して働いたお金を国に寄付しなくてはいけないの?そんなの行政が悪いからで、なんで国民が負担しなくてはいけないの!こんなにたくさんの税金を払っているのになんでまた!と怒り、この日にわざと有給休暇を取る人が出て来た1年目。その後も足並み揃わず、3年目の今年は公務員の多くが働かず、国鉄は日曜運行をしたため、会社に遅刻した会社員もたくさんいた。(パリの物価や家賃の高騰で、パリ郊外から通勤する人が多いのが現状。日曜運行では、30分に1本しか電車がない線もある。)パリ市内の地下鉄とバスを運営するRATPは、えらい!通常に運行。しかし、公立学校は閉校したため、子供の面倒を見る人がいないから、仕方なく会社を休む働くお母さん、或は、働きたいのに会社が閉まっていて働けない会社員がいた。銀行も閉まり、郵便局も確か閉まっていた。結果、約60%の人が働かず、一般には民間零細企業の会社員が働き、新大統領のスローガン「もっと働いて、もっと稼ごう!」は、「いっぱい働いたのに、ちっとも稼げない」と皮肉られる始末。国が義務と言おうが、納得いかなければ従わないフランス人。さすがというのか何というのか。多分この日、日本企業はほとんど営業していたと思う。国民性の違いかな?私もフランスに居候の身、どうせ年金なんぞもらえないのだから、来年の精霊降臨祭翌日の祝日は休もう!と心に誓いながらカレンダーを見るも、この日は確か月の満ち欠けで決めるから、一体いつなのかわからない・・・。

 

2007年5月26日


 

「お花見、食べごろ、サクランボ その2
 4月に紹介した桜の木から、こんなサクランボが穫れました。食欲に走り、鳥が食う前に私が食うのだ!と、収穫する事ばかり考えて、たわわになっているサクランボの写真を撮り忘れました。何十年ぶりかに木登りをして、子供に還った気分!

 
 
 
 
 
 



 
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