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カバーストーリー

ダンスの世界で活躍するアーティスト達のフォト&インタビュー「Garden」をお届けします。

HOMEカバーストーリー > 永橋あゆみ 02
優れたバレエ・テクニック、謙虚さと品格、人を惹きつける華、向上心。いくつもの魅力を兼ね備えている永橋あゆみは、谷桃子バレエ団のプリマ・バレリーナだ。これは、古典からモダン作品まで幅広く踊り、今後のさらなる活躍が期待されるプリマ永橋あゆみの舞台裏のストーリー。
Interview, Text:林 愛子 Aiko Hayashi Photo:長谷川香子 Kyoko Hasegawa
 
あそこに入るということは、将来バレリーナになりたいと思っていらしたんですね。
入る時に初めてそう思いました。私は、クラシックの技術がちゃんとなかったのでそれを身につけたくて、山本先生のところに入った。そしたらカルチャーショックを受けて。なにもできませんでした。
   
いじめはありましたか。
バレエ団は特別扱いされていたので中学校ではありました。下校する時、男の子に跳び蹴りされたり(笑)。完全に無視していたら逆に気に入らなかったみたいで。
その男の子は永橋さんが好きだったのでしょう(笑)。バレエの女の子は立ち居振る舞いが違うしスタイルもいいしきれいだから、他の女の子はジェラシーを抱くでしょう。
最後には女の子もごめんねと言ってくれました。私にとってはやっぱり帰ればバレエのレッスンがあるし、ついていくことに必死でしたから、それどころではないという気持ちでした。バレエの人たちがすごくうまかったし、途中で転校したので勉強もありました。体力的にもけっこうたいへんで、授業中には眠くなったり(笑)。
バレエをやめようと思ったことはなかったんですか。
ありました。ふつうの生活がしたいなと思うようになって、中学が終わると長崎に帰って地元の高校へ行ったんです。そこで半年間、バレエをやめて…。悩んでいました。ある日、母が、どうするのバレエしないの?って。それで、もう一回やろう、と。
     
よく考え直しましたね。
山本バレエ団でも私は下のほうでしたし、みんなはどんどん上手になってやっている。やっぱり悔しかったんですね。それでやりなおそうと、野村理子先生のところに行きました。
 
     
そのあとコンクールにも出て、入賞して。
コンクールで山本バレエ団の関田先生にお会いした時に、今、こうしてやっているの、よかったわね、とおっしゃってくださってとてもありがたかったです。
 
谷バレエ団にはどういう経緯で入団したんですか。
踊ることの楽しさを教えてくださった野村先生が谷バレエ団にいらしたこともあって、バレエ団のレッスンを受けさせていただいたんです。谷先生は日本にバレエを広めた素晴らしい方だし、お人柄がホッとするような温かい方。バレエ団の雰囲気も先生の雰囲気と同じなんですね。それで高校卒業して準団員で入りました。アットホームなバレエ団でみんな仲がよくて、99年に団員になった時はほんとうにうれしかったです。
 
それからは着実に役を踊って。
準団員の時、発表会で「くるみ割り人形」の金平糖の精をいただいて、それまで太っていたんですが、それがきっかけで体重が最高で10キロぐらい落ちました。
   
ほんとうに?!今の永橋さんからは想像もつきませんね。
東京に来た最初の頃はちょっと痩せたんですけど、やっぱり慣れたら太り出して。バイト先の友達とカラオケに行ったりして遊んで。赤城先生に「東京の水が合ったのか」って言われました(笑)。今は日々のレッスンも舞台もやっぱりハードだから、食べても太ることはありませんけど。
今までの舞台で印象に残っているものは何ですか?
「白鳥の湖」です。それも準団員か団員になりたての時で、急に一人出られなくなって。まだ”白鳥”に出たことがなくて4日間で全部覚えて、村娘とか白鳥たちとかナポリとか全幕に出たんですね。あの時は、2幕に出る前に舞台のそでで震えちゃって、泣けてきて(笑)。その頃、高橋先生がいらっしゃって、一カ所間違えると「はい、あゆみちゃんのためにもう一回」なんて言われて。先輩方からも厳しさのなかに温かみのあるアドバイスをいただいたりしたので、いい経験になりました。本来、プロっていうのはポンとすぐ入っても踊れなきゃいけないものでしょうし。舞台でしか学べないことがいっぱいあるんだということを知りました。
 

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インタビュー、文
林 愛子
Aiko Hayashi
舞踊評論家 横浜市出身。早稲田大学卒業後、コピーライター、プランナーとして各種広告制作に関わる。そのかたわら大好きな劇場通いをし、'80年代から新聞、雑誌、舞踊専門誌、音楽専門誌などにインタビュー、解説、批評などを寄稿している。
フォトグラファー
長谷川香子
Kyoko Hasegawa
ステージフォトグラファー 日本写真芸術専門学校 広告・肖像科卒業後株式会社エー・アイに入社。飯島篤氏のもとで舞台写真を学ぶ。幼少時より習っていたクラシックバレエを中心にコンテンポラリー等多くの公演の撮影を経験。
現在フリーで活躍中。