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カバーストーリー

ダンスの世界で活躍するアーティスト達のフォト&インタビュー「Garden」をお届けします。

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優れたバレエ・テクニック、謙虚さと品格、人を惹きつける華、向上心。いくつもの魅力を兼ね備えている永橋あゆみは、谷桃子バレエ団のプリマ・バレリーナだ。これは、古典からモダン作品まで幅広く踊り、今後のさらなる活躍が期待されるプリマ永橋あゆみの舞台裏のストーリー。
Interview, Text:林 愛子 Aiko Hayashi Photo:長谷川香子 Kyoko Hasegawa
   
1月の「ドン・キホーテ」は大成功でしたね。キトリは今回が初役ですか。
本番は初めてです。前回の公演では代役をいただいて、その時からやりたいなと思っていたので、役をいただいた時はうれしかったです。
 
キトリは最初から最後まで踊りづくめで技術も大変。谷先生からどんなアドバイスをいただきましたか?
もっとテンションを上げるようにとおっしゃって。どんな踊りでもそうですけど、真ん中が周りと一緒にならないとおもしろくないですから、みんなを盛り上げていくようにリハーサルの時から心がけました。最初の頃、技術はいいから、もっとキトリにならないと、って先生には言われました。スペインの女だから、あゆみちゃんにならないでって。
バジル役の今井智也さんがキトリを片手リフトで確か7回ぐらいしてみせた。これはめったにないことです。
できるだけ決めこまないで二人でつくっていこうって相談しました。彼は若いし力もあるし、最初はエカルテで、次はアラベスク・リフトでいこうとか。バレエ団も60周年ですし。
     
盛り上がりは3幕で最高潮。フェッテもジャンプも素晴らしかった。
やっぱりグラン・パ・ド・ドゥは、自分で盛り上がらないとお客様も盛り上がらないし。見せ場ですから、常に舞台で攻めていかないと、自分が守りに入ったら終わりだなと思いました。

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満員の客席は大喜び。その熱気が伝わりましたか?
はい。お客さまが舞台の上と同じ気持ちになってくださっている感じがしました。ほんとうにありがたいことだと思います。
永橋さんは最初、お母様に踊りを習ったそうですね。
クラシック・バレエではないですけど母の先生が石井漠先生のお弟子さんで。母は長崎の人なんですが、その先生が長崎で創作バレエをやっていらして、そこで母は習ったんです。
     
踊り始めは2歳だとか。
母の稽古場で自然に踊っていたみたいで。自分ではあまり踊っているっていう感覚はなかったんですけど、スキップができないと発表会に出たくないって言って、一生懸命練習していたそうです。そのあと地元のバレエ教室にも行くようになりました。
群馬県の山本禮子先生の研究所へ入ったのはいつ頃ですか。
中学一年の夏から2年半行きました。寮に入って地元の中学に通いながらレッスンをしました。毎日エシャッペを1000回とか、すごかったです。でもそれがあったから、今の自分があると思っています。
   
多感な年頃ですから、ホームシックにはなりませんでしたか。
なりましたね、やっぱり。2ヶ月くらいたったときに。私は決して優秀な生徒ではありませんでした。いつも研究所と準団員の間をうろうろしていて。学校の勉強もきちんとやらなければいけませんでした。義務教育ですし、バレエをやっているから勉強しなくていいということではない、と。これは大切なことだと思います。
 
 
永橋 あゆみ
Ayumi Nagahashi
(谷桃子バレエ団在籍)


2001年:
第58回全国舞踊コンクール シニアの部 第2位。
第14回こうべ全国洋舞コンクール シニアの部 第3位。
第6回北九州&アジア全国洋舞コンクール シニアの部 第4位。
2002年:
谷桃子バレエ団公演「白鳥の湖」にてオデット/オディールを踊り、主役デビュー。
2004年:
日本バレエ協会主催都民芸術フェスティバル「眠れる森の美女」にてフロリナ王女を踊る。
ルーマニア国立バレエ団の招待を受け、「ジゼル」全幕の主役を踊る。
   
 
以後、谷桃子バレエ団 公演「ジゼル」クルベリ版「ロメオジュリエット」「パキータ」「くるみ割り人形」「ラ・バヤデール」 「ドン・キホーテ」などに主演する。
また、谷桃子バレエ団以外の公演でも、Class-B Ballet Performance Tour 2005「DEBUT」出演、日本バレエ協会主催 ヤング・バレエ・フェスティバル「パキータ」(2006)、同主催都民芸術フェスティバル「ジゼル」(2007)全幕にても主役を務める。