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(2016.8.1 update)

青山季可 Garden vol.30

少女のような雰囲気と大人の気品を漂わせる青山季可。
舞台で大輪の華を咲かせる彼女は今、プリンシパルとして牧阿佐美バレヱ団をリードする。

Interview,Text : 林 愛子 Aiko Hayashi

 

60周年記念公演「飛鳥ASUKA」

さて8月には牧阿佐美バレヱ団60周年記念公演として「飛鳥ASUKA」が上演されます。橘秋子先生が1957年に初演された「飛鳥物語」を牧阿佐美先生が改訂・振付した現代版だそうですが、これに季可さんも出演されるんですね。

美術も絹谷幸二先生によって新しくなって、指揮は私たちにとってなじみ深いデヴィッド・ガルフォース先生。カナダ・ナショナル・バレエからルンキナさん、ボリショイからスクヴォルツォフさんもゲスト出演します。日本的な壮大な世界を描いていて、日本とは切り離せない竜の世界が繰り広げられる第2幕では、私は金の竜の役。5色の竜たちがそれぞれヴァリエーションを踊ります。視覚的にも音楽的にも新鮮な驚きとおもしろさがあると思います。私自身、この作品を初めて踊るのを楽しみにしています。

舞台に完成はない

体調維持の為に気をつけていることはありますか?

疲れたり無理をしたりするとリンパが腫れたりするので、やはり栄養バランスに気を付けています。食べないと消耗するので。海外にいた10代の頃は食べ物が美味しくなくてお菓子を食べて太ったりしていました。休みの日で、出かけない時は身体を休めて本を読んだり音楽を聴いたりして過ごすのが好きです。

 

観客に夢をもたらすことができるダンサーの仕事って素敵ですね。最後に、どんなダンサーでありたいと思いますか?

舞台はこれで完成ということがありません。年を重ねて経験を積んでくると同じ作品でも新しい発見があります。「ジゼル」をシングル・キャストで踊った時、牧先生から集中指導を受けることができました。たとえば、実際に舞台に身をおいた時に、手をさし出すスピードでさえも客席の印象は変わってくるんですね。 踊っていると表現についていろいろ悩むこともありますが、いい仕事につけてよかったと思います。これからも少しでも人の心の琴線にふれられるように、こちらも真摯に取り組んでいきたいと思います。

 

こだわりの品


ちょっと前にブライアン・ウイルソンのコンサートに行きました。これは彼の書いた本です。ビーチボーイズで活躍した人だからコンサートにも年配の方が大勢来ていました。病気などでしばらく表舞台から遠ざかってもいましたが、彼の脳内を知りたくてこの本を読んだのですが想像どおりそうとうに繊細な人だというのがわかりました。村上春樹と小沢征爾の対談も音楽の世界が広がりますしクラシック音楽でもバレエを踊るための演奏と、演奏のための演奏があると思うのでカラヤンとかバーンスタインの指揮した曲も聞いたりします。今日は持ってこなかったけれどイギリスに行っていた関係でビートルズもストーンズも好きです。ちょうど私はオアシスの世代ですが、イーグルスみたいなロックもキース・ジャレットみたいなジャズも好きなんです。

 

牧阿佐美バレヱ団創立60周年記念公演-Ⅶ
新制作/世界初演 飛鳥 ASUKA

主演:スヴェトラーナ・ルンキナ ルスラン・スクヴォルツォフ 菊地 研
日時:2016年8月27日(土)18:00・28日(日)14:00
会場:新国立劇場オペラパレス
チケット料金:S席14,000円、A席12,000円、B席8,000円、C席6,000円、D席3,000円
チケット発売 :
楽天チケット http://ticket.rakuten.co.jp/features/maki
チケットぴあ http://t.pia.jp/
牧阿佐美バレヱ団
オフィシャルチケット https://ambt.tstar.jp/cart/events/7319
お問合せ 03-3360-8251(平日10:00~18:00)
主 催:一般財団法人 牧阿佐美バレヱ団

 
林 愛子 (インタビュー、文)
舞踊評論家 横浜市出身。早稲田大学卒業後、コピーライター、プランナーとして各種広告制作に関わる。そのかたわら大好きな劇場通いをし、'80年代から新聞、雑誌、舞踊専門誌、音楽専門誌などにインタビュー、解説、批評などを寄稿している。