(2015.3.24 update)
華やかさ、強さ、しなやかさ。内田香の放つ魅力は彼女の舞台そのままである。その快活で明瞭な語りに、独自のダンスの向こう側が垣間見える。
Interview,Text : 林 愛子 Aiko Hayashi
自分のなかの踊りの神様
もうひとつ印象的だったのは、「内田さん、あなたは何のために踊っているの?」と金井先生から聞かれ、いろいろ考え「お客様のためでしょうか・・・」と答えました。「違うわよ、自分のためよ」と。「自分の中の踊りの神様のためよ」と言われたこと。ああ、神様ありきだなと思いました。もちろんお客様は大切です。けれども、まず踊るにしても、創るにしても・・・私のため!
今でもよく覚えています。
自分のなかの踊りの神様。いい言葉ですね。それから、踊りは本能の力も大きい。
それはものすごくあると思います。ちょっとした動きでその人の育った経路や生き様が見えたりします。
小さい規模でもリサイタルを
「彼女redな味」 山口晴久
「PICNIC」 根本浩太郎
そうですね、計算じゃないものが出ます。そうやって生まれた内田さんの赤は強烈ですね。
最初につくった群舞作品が『彼女のredな味』そこから赤いイメージの作品が増えました。私の髪も赤に染まり、抜け出せなくなりカンパニー名までになりました。
さて今後についてはどのようなビジョンをお持ちですか。
一作一作大切に創って、大切に踊りたいと思います。より自由に進化し続け自分の世界を深めていきたいです。劇場の規模は小さくても大きくても構わないのですが、作品を創っていきRoussewaltzを幅広い方々に観ていただきたいと思います。
「納豆」
納豆は、常に冷蔵庫に入っています。リハーサルを続けて、大詰めになると納豆を食べたくなるのは、やはり落ち着くからなんですね。子供の時から、贅沢盛りの時は卵を入れて、からしとお醤油、ごはんで食べるのが大好きでした。だから、かき混ぜるのはむちゃくちゃ速いですよ。子供の頃は母が用意してくれるものを食べていましたが、今は「うまあじ」というのが気に入っています。納豆は私の元気の素なんです。
「練習着」
赤い稽古着は、見つけるとつい買ってしまいます。本番では、必ず身につけます。
「ノート」
いつでも持ち歩き、思いついた時にアイデアを書き留めておく。
舞踊評論家 横浜市出身。早稲田大学卒業後、コピーライター、プランナーとして各種広告制作に関わる。そのかたわら大好きな劇場通いをし、'80年代から新聞、雑誌、舞踊専門誌、音楽専門誌などにインタビュー、解説、批評などを寄稿している。
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